医学生からはじめる アウトプット日記

医学生のうちにはじめてみたいということで始めてみたブログです。体験のシェアや、日常の医学に関連する疑問の「なぜ」・「なに」を大切にアウトプットする場としても使いたいと思います。少しでもお役に立てば幸いですが、自己責任でお願いします。また、内容に関しては自身の所属等とは一切関係ありません。

しゃっくり(吃逆)の原因 ~High Yieldな症候?~

しゃっくり(吃逆)の原因 ~High Yieldな症候?Low Yieldな症候?~ 実際に聞いた話しですが、「しゃっくりが止まらない」と救急外来に患者さんがきたら、どうでしょうか。何となく、GERDの患者さんで生じることがあるとか耳学問で聞いたことあるレベルです…

急性精巣上体炎 ~急性陰嚢痛の鑑別~

急性精巣上体炎 ~急性陰嚢痛から考える鑑別疾患~ 発熱が38℃台で症状は下腹部痛という急性精巣上体炎の症例に巡り合いました。精巣上体炎は陰嚢痛ではないのかと思ってみたりしました。 尿路感染症や泌尿器科の感染症では腎盂腎炎に巡り合うことが多いと思…

初期研修:勇気を出して感情を共有してみたら?  本:『医師の感情-「平静の心」がゆれるとき』

初期研修 〜勇気を出して感情を共有してみたら?〜本: 『医師の感情-「平静の心」がゆれるとき』 初期研修がはじまり、早いことにそろそろ2ヶ月が経とうとしています。新緑もいつのことやら、気がつけば梅雨入りしていました。 今回は初期研修が始まって、…

壊死性筋膜炎 ~LRINEC Score~

壊死性筋膜炎? ~LRINEC Score~ 「蜂窩織炎の疑い」と聞いて、「壊死性筋膜炎の可能性は?」とふと思いました。皮膚所見をそんな上手に取れるわけでもなく、重症で致死率の高いとされる壊死性筋膜炎と、蜂窩織炎などの軟部組織感染症を区別する良いものは…

Purple Urine Bag Syndrome (PUBS) 紫色蓄尿バッグ症候群

Purple Urine Bag Syndrome(PUBS) 尿バルーンが留置されている患者さんにて紫色の尿が蓄尿バッグにみられる、その名の通りPurple Urine Bag Syndrome(紫色蓄尿バッグ症候群)をご存知でしょうか? 現在、泌尿器科をローテンションしているのですが、2週間…

腎盂腎炎の臨床像

腎盂腎炎の臨床象 腎盂腎炎の症状で、体動時にお腹も腰も響くように痛くて、深呼吸でも痛いということを聞く機会がありました。炎症が波及するとこのような状況になることがあるんだと感じました。 それをきっかけに、今回は腎盂腎炎について深掘りしていき…

気管支喘息 ~教科書を読んでみよう♪~

気管支喘息~知っているつもりでも教科書を読んでみよう♪~ 様々な書籍を書かれていた恩師の先生から、学生の時代に「自分が担当となった患者さんの疾患について、ハリソン内科学等の正書を読むとよい」と直接教わったことがあります。 全体像を把握するため…

非結核性抗酸菌症(NTM)の深掘り

非結核性抗酸菌症の深掘り ~結核と非結核性抗酸菌症(NTM)~ 発熱対応の弊害か胸部CTを撮影した際に右中葉に粒状影を発見し、その流れから喀痰を吸引したところ抗酸菌塗抹検査(ガフキー)が陽性となったことがありました。抗酸菌塗抹検査が陽性となると、…

誤嚥性肺炎!? ~化学性肺臓炎との比較~

誤嚥性肺炎!?~誤嚥性肺炎 vs. 化学性肺臓炎~ 誤嚥性肺炎というとどのようなイメージでしょうか!? 一般的な誤嚥性肺炎のイメージは食事の際や飲水の際に、むせてゴホゴホとしていて、食事や飲み物が気管支に入っていってしまうことで肺炎になるというよ…

本:臨床医のための進化するアウトプット 総合診療2021年5月号

臨床医のための 進化するアウトプット 学術論文からオンライン勉強会、SNSまで 総合診療 2021年5月号 大浦 誠 (編集), 長野広之 (編集), 森川 暢 (編集), 吉田常恭 (編集) 巡り合えて良かったと思う書籍の紹介です。普通の医学書を紹介するというより、周辺…

胸水の原因② ~胸水検査の各項目と鑑別~

胸水の原因② ~胸水検査の各項目と鑑別~ 前回(胸水の原因①)は、大きな胸水の原因検索の流れとLightの基準について深堀りしました。 胸水の原因① ~原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~ - 医学生からはじめる アウトプット日記 胸水の原因検索の流れ 1.臨…

胸水の原因① ~原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~

胸水の原因① ~ 原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~ 血性胸水をみて胸水穿刺時の出血か、血性胸水かを判断する機会がありました。ガーゼに少し垂らしてみて、凝固するかというような判断の仕方もあるんだと驚いた次第です。 それをきっかけに胸水の原因を考…

肺炎の抗菌薬治療はいつまで? ~効果判定と治療期間~

肺炎の抗菌薬治療はいつまで? 1.治療効果判定 2.「抗菌薬投与期間は短くていいの?」(Lancetより) 細菌性肺炎の抗菌薬はいつまで?という素朴な疑問から深掘りしていきたいと思います。 1.治療の効果判定 抗菌薬治療を終了するには、まずはその抗菌薬…

鼠咬症 Rat Bite Fever ~ネズミによる咬傷から考える鑑別~

鼠咬症 Rat Bite Fever ~ネズミによる咬傷から考える鑑別~ レプトスピラ症の症例について考える機会がありました。その際の気づきのキーワードは、やはりネズミでした。ネズミ・げっ歯類関連でどのような鑑別があるかを「鼠咬症(Rat Bite Fever)」 を軸…

気管支肺胞洗浄液による起炎菌検索 ~肺炎×BALFと鑑別~

気管支肺胞洗浄液による起炎菌検索 ~肺炎×BALFによる鑑別~ 気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar: BALF)による肺炎の起炎菌検索を目にしました。BALFに至るまでの喀痰培養ではGeckler分類にてグループ1やグループ6といった喀痰で、BALFがもっとも役立ちそう…

眼振の分類と原因・鑑別 ~垂直性眼振は中枢性!?~

眼振の分類と原因・鑑別 ~垂直性眼振は中枢性!?~ 先日の勉強会のカンファレンスにて、垂直性眼振(vertical nystagmus)で中枢性の原因を疑い、まさかの最後は傍腫瘍性神経症候群による垂直性眼振でした。 めまい診療等でも重要ですが、眼振の原因・鑑別…

Capnocytophaga canimorsus感染症の特徴を探せ

Capnocytophaga canimorsus感染症の特徴 Capnocytophaga canimorsus菌血症の症例と勉強会のカンファレンスで出会う機会がありました。しかし、犬猫という接触歴以外のことを基本的に知らず、Capnocytophaga canimorsus感染症(カプノサイトファーガ・カニモ…

Semantic Qualifierを意識した診断推論

Semantic Qualifierを意識した診断推論(臨床推論)に向けて 先日、千葉大学の鋪野紀好先生が編集をされたレジデントノート増刊号『症候診断ドリル』をご恵贈いただきました。この書籍の特徴は23の症候診断の中でSemantic Qualifier(SQ)を意識した書籍で…

本:医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話

『医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話』Dr. K(著) この業界では話すことすら一種のタブーにも感じている「お金」に関する書籍です。 この書籍は少し前からあったのを知っていたのですが、このタイミングで書店で手に取ったところ、…

中枢性顔面神経麻痺 「これって麻痺ですか?」

中枢性顔面神経麻痺 ~これって麻痺ですか?~ 先日、病棟での回診の際の身体診察にて中枢性の顔面神経麻痺のフィジカル(身体所見)に出会う機会がありました。中枢性の顔面神経麻痺は麻痺があまりはっきりとせず、分かりにくいというのが第一印象でした。…

私の初期研修病院選び(振り返り)

初期研修病院選び ~私の初期研修先の決定までを振り返って~ 勉強会サークルの設立や活動を支えてくださった先生と偶然にも学外でお会いし、6年生の今だからこそ記憶が鮮明なうちに残せるものを書き残して後輩へ伝えてほしいと言われました。このブログを…

黄熱病とワイル病 〜野口英世記念館を訪問して〜

黄熱病とワイル病 〜野口英世記念館を訪問して〜 前のことですが、野口英世記念館へ行く機会がありました。その時の言葉にはし難いものの私自身を勇気づけ背中を押してくれたような展示に感動したのを今でも覚えています。 振り返ると、あの綺麗な猪苗代湖と…

臨床推論 症例探し・下調べ ~自学自習や勉強会の開催に向けて~

臨床推論 症例探し・下調べ ~自学自習や学生主体の気軽な勉強会開催に向けて~ 学生内での臨床推論(診断推論)の練習のために学内外で症例提示をする際に、主に書籍や雑誌から症例を選んで、様々な準備をして行ってきました。その体験を振り返り、お伝えで…

急性リウマチ熱 ~全体像:ゲシュタルトを掴む~

急性リウマチ熱~全体像:疫学、臨床像、診断、治療~ 前回は、日本の疫学に注目して深堀りしました。(前回の記事はこちら→急性リウマチ熱 ~日本をはじめとする疫学~ - 医学生からはじめる アウトプット日記 (hatenablog.com) )日本の疫学の次は、世界の…

急性リウマチ熱 ~日本をはじめとする疫学~

急性リウマチ熱(リウマチ熱) ~日本をはじめとする疫学~ 今回は急性リウマチ熱(acute rheumatic fever)です。リウマチ熱についてパッと思い浮かぶのは、A群β溶連菌感染症の2、3週後に続発する非化膿性炎症性疾患で、発熱や関節痛などがみられ、リウマ…

ビタミンB1(チアミン)の摂取基準と欠乏症

ビタミンB1(チアミン)の摂取基準と欠乏症 先日、30歳前半の男性の下腿浮腫と体重増加の症例と症例集にて出会いました。最終診断は、ビタミンB1欠乏症(脚気心と脚気ニューロパチー)でした。 ビタミンB1は主に糖代謝の際に働く補酵素という程度の認識です…

結節性紅斑 〜全身性疾患の兆候〜

結節性紅斑 erythema nodosum 前回、結核による結節性紅斑が認められた症例をきっかけに結核の皮膚病変、皮膚結核について深掘りしてみました。 結節性紅斑は結核による皮膚病変であるが、皮膚結核ではないような何とも言いがたい分類を前回の深掘り( 肺外…

肺外結核と皮膚結核 ~結核と皮膚病変~

肺外結核と皮膚結核 ~結核と皮膚病変~ 2週間以上続く発熱と下腿の皮疹を認めた40歳台の男性の症例と症例集にて出会いました。皮疹は結節性紅斑で、最終診断は肺結核でした。 やはり結核の症例は様々なclinical maniestationsがあり、興味深いですね。皮膚…

地域実習 ~体験記②:病院外実習から振り返りまで~

地域実習体験記② @和歌山県東牟婁郡串本町 ※地域実習 ~体験記①:下調べから病院実習まで~ - 医学生からはじめる アウトプット日記の続きです。 ~病院外実習から振り返りまで~ 先ほどまでは病院での実習について書きました。病院外での実習が、とりわけ…

地域実習 ~体験記①:下調べから病院実習まで~

地域実習体験記① @和歌山県東牟婁郡串本町 ~下調べから病院実習まで~ 2019年11月に地域実習に行った際には、大学の来年度の学部案内冊子用の撮影・取材もあり、ネタバレへの配慮(案内冊子で初紹介とする約束)から紹介せずにいました。今となっては、COV…