医学生からはじめる アウトプット日記

医学生のうちにはじめてみたいということで始めてみたブログです。体験のシェアや、日常の医学に関連する疑問の「なぜ」・「なに」を大切にアウトプットする場としても使いたいと思います。少しでもお役に立てば幸いですが、自己責任でお願いします。また、内容に関しては自身の所属等とは一切関係ありません。

小児がんと急性リンパ性白血病 ~ゴールドリボンをきっかけに~

小児がんと急性リンパ性白血病~ゴールドリボンをきっかけに~ 1.ゴールドリボンとは 2.小児がん:日本の疫学 ~急性リンパ性白血病まで~ 3.小児がんの症状や所見 ~急性リンパ性白血病まで~ 1.ゴールドリボンとは 今月は「ゴールドリボン 世界小…

疫学:がん患者の発熱の原因

疫学:がん患者の発熱の原因 1.白血病の感染源・発熱原因 2.がん患者の発熱の原因 少し前のことになりますが、急性白血病の患者さんで発熱性好中球減少症(febrile neutropenia; FN)があり、血液培養は陰性であり他にも疑わしい熱源がなく、芽球割合の変…

塩代替物は心血管系イベントを減らすのか? @NEJM

塩代替物は心血管系イベントを減らすのか? @NEJM 1.食塩摂取と日本の現状 2.塩代替物の有効性(心血管イベント、死亡率)@NEJM 世の中では、以前から減塩というものをよく目にすると思います。高血圧のある方では、「食塩の摂取量を6g/日 未満にしな…

失神と臨床予測ルール(CPR) San Francisco Syncope Rule & Canadian Syncope Risk Score

失神の臨床予測ルール(CPR) 1.失神の臨床予測ルールの全体像 2.San Francisco Syncope Rule 3.Canadian Syncope Risk Score(JAMAの文献あり) 前回、一過性意識消失の鑑別として失神と痙攣があり、両者を区別する「Historical Criteria」を紹介しました…

新型コロナワクチンの安全性(有害事象) @NEJM

新型コロナワクチンの安全性(有害事象)を調べてみる! 1.調べたきっかけ 2.ファイザー製コロナワクチンの安全性(有害事象)@NEJM ※(お断り)このブログ記事は、紹介する内容・文献が未来半永久的に絶対的に正しいという主旨ではなく、普段このよう…

本:こんなときオスラー -『平静の心』を求めて

『こんなときオスラー - 『平静の心』を求めて』 平島修、徳田安春、山中克郎(著) かの有名なウィリアム・オスラー先生のお言葉を残してくださった故 日野原重明先生の『平静の心』をさらに読みやすく、とっつきやすくしてくださった書籍です。 しかも、総…

意識消失の鑑別 失神 vs. 痙攣 ~Historical Criteria~

意識消失の鑑別 1.意識障害 2.一過性意識消失:失神、痙攣 → Historical Criteria 意識消失の患者さんと聞くと、「失神、痙攣、意識障害のどれ??」ってなることがあると思います。3つのうち、どれかによって鑑別疾患も異なれば検査も異なってきます。…

心不全とリハビリテーション 高齢入院患者にて @NEJM

心不全とリハビリテーション 高齢入院患者にて @NEJM ~Physical Rehabilitation for Older Patients Hospitalized for Heart Failure~ 心不全の病態や治療薬について以前、ブログ記事にしました。心不全(急性胃心不全、慢性心不全急性増悪)で入院になっ…

本:『スマホ脳』を読んで ~医師の教養@YouTube×民間医局~

『スマホ脳』 アンデシュ・ハンセン (著), 久山 葉子 (翻訳) ~医師の教養@YouTube×民間医局~ 今回、紹介させていただく書籍は『スマホ脳』です。絶対手放せないアイテムであるスマホが関係するタイトルということで、とても惹かれました。本来の生産性を高…

小脳疾患・小脳症候群と身体所見

小脳疾患・小脳症候群と身体所見 1.小脳疾患の主要所見 2.小脳症候群 小脳障害というと、運動失調、眼振がぱっと思い浮かびました。運動失調の所見として指鼻指試験、踵膝試験、回内回外試験ぐらいはOSCEもあり、どのように診察するかまで容易に想像がつ…

急性胆嚢炎とST上昇 ~心疾患以外の鑑別まで~

急性胆嚢炎とST上昇(心電図) ~心疾患以外のST上昇の鑑別まで~ 1.ST上昇の鑑別 2.急性胆嚢炎と心電図変化 3.消化器症状とST上昇(心疾患以外) 急性心筋梗塞(※STEMI)では、心電図(ECG)でST上昇が認められるというのは有名なことかと思います。 …

心不全② クリニカルシナリオと病態・治療(急性心不全)

心不全② クリニカルシナリオと病態・治療(急性心不全) 1.急性心不全に陥るとき 2.クリニカルシナリオ(CS)と病態・治療 前回は心不全(主に慢性心不全の病態や治療薬)についてやってきました。今回は急性心不全について深掘りしていきたいと思います…

心不全① 病態と治療薬(慢性心不全)

心不全① 病態と治療薬(慢性心不全) 1.心不全の病態2.心不全と治療薬 心不全には様々な分類がありますが、何となく「心臓のポンプ機能が十分に働かない」という程度で考えていると、治療になぜその薬を用いるのか、なぜ用いないのかというあたりがあまり…

瞳孔散大とショック

瞳孔散大とショック 1.瞳孔所見と鑑別 2.瞳孔散大 末期担癌患者さんのショック(血圧の測定も△)で両側の瞳孔が散大している患者さんのお話を聞きました。救急では「ABCDの順で」といっても瞳孔散大(Dの異常)を見かけるとABCよりも目につきやすく気に…

心筋梗塞と肝酵素上昇(AST上昇)

心筋梗塞と肝酵素上昇(AST上昇) 1.肝酵素上昇の鑑別と心筋梗塞 2.STEMI・NSTEMIとAST・ALTの関係(AST/ALP比) 腹痛の70歳代の患者さんで肝酵素(特にAST)が上昇しており、一見すると肝臓でも悪いのかと思えてしまうような症例がありました。数日前に急…

黄疸 ~血清ビリルビン値と眼球結膜黄染・皮膚黄染~

黄疸 ~血清ビリルビン値と眼球結膜黄染・皮膚黄染~ 1. 黄疸と身体所見 2. 皮膚黄染とビリルビン値 3. 眼球結膜黄染と血清ビリルビン値 黄疸の患者さんを立て続けに診察する機会がありました。しかも、今回は複数の日本人の患者さんはもちろんのこと、日本…

頭痛のRed Flag "SNOOP" 怖い頭痛を見逃さないために

頭痛のRed Flag ”SNOOP” 1.頭痛の鑑別疾患と二次性頭痛(おさらい) 2.頭痛のRed Flag “SNOOP”(二次性頭痛を疑え) 今回は、主に救急での頭痛についての深掘りです。頭痛の鑑別のおさらいと怖い頭痛(二次性頭痛)を主に問診で見逃さないための頭痛のRed …

しゃっくり(吃逆)の原因 ~High Yieldな症候?~

しゃっくり(吃逆)の原因 ~High Yieldな症候?Low Yieldな症候?~ 実際に聞いた話しですが、「しゃっくりが止まらない」と救急外来に患者さんがきたら、どうでしょうか。何となく、GERDの患者さんで生じることがあるとか耳学問で聞いたことあるレベルです…

急性精巣上体炎 ~急性陰嚢痛の鑑別~

急性精巣上体炎 ~急性陰嚢痛から考える鑑別疾患~ 発熱が38℃台で症状は下腹部痛という急性精巣上体炎の症例に巡り合いました。精巣上体炎は陰嚢痛ではないのかと思ってみたりしました。 尿路感染症や泌尿器科の感染症では腎盂腎炎に巡り合うことが多いと思…

初期研修:勇気を出して感情を共有してみたら?  本:『医師の感情-「平静の心」がゆれるとき』

初期研修 〜勇気を出して感情を共有してみたら?〜本: 『医師の感情-「平静の心」がゆれるとき』 初期研修がはじまり、早いことにそろそろ2ヶ月が経とうとしています。新緑もいつのことやら、気がつけば梅雨入りしていました。 今回は初期研修が始まって、…

壊死性筋膜炎 ~LRINEC Score~

壊死性筋膜炎? ~LRINEC Score~ 「蜂窩織炎の疑い」と聞いて、「壊死性筋膜炎の可能性は?」とふと思いました。皮膚所見をそんな上手に取れるわけでもなく、重症で致死率の高いとされる壊死性筋膜炎と、蜂窩織炎などの軟部組織感染症を区別する良いものは…

Purple Urine Bag Syndrome (PUBS) 紫色蓄尿バッグ症候群

Purple Urine Bag Syndrome(PUBS) 尿バルーンが留置されている患者さんにて紫色の尿が蓄尿バッグにみられる、その名の通りPurple Urine Bag Syndrome(紫色蓄尿バッグ症候群)をご存知でしょうか? 現在、泌尿器科をローテンションしているのですが、2週間…

腎盂腎炎の臨床像

腎盂腎炎の臨床象 腎盂腎炎の症状で、体動時にお腹も腰も響くように痛くて、深呼吸でも痛いということを聞く機会がありました。炎症が波及するとこのような状況になることがあるんだと感じました。 それをきっかけに、今回は腎盂腎炎について深掘りしていき…

気管支喘息 ~教科書を読んでみよう♪~

気管支喘息~知っているつもりでも教科書を読んでみよう♪~ 様々な書籍を書かれていた恩師の先生から、学生の時代に「自分が担当となった患者さんの疾患について、ハリソン内科学等の正書を読むとよい」と直接教わったことがあります。 全体像を把握するため…

非結核性抗酸菌症(NTM)の深掘り

非結核性抗酸菌症の深掘り ~結核と非結核性抗酸菌症(NTM)~ 発熱対応の弊害か胸部CTを撮影した際に右中葉に粒状影を発見し、その流れから喀痰を吸引したところ抗酸菌塗抹検査(ガフキー)が陽性となったことがありました。抗酸菌塗抹検査が陽性となると、…

誤嚥性肺炎!? ~化学性肺臓炎との比較~

誤嚥性肺炎!?~誤嚥性肺炎 vs. 化学性肺臓炎~ 誤嚥性肺炎というとどのようなイメージでしょうか!? 一般的な誤嚥性肺炎のイメージは食事の際や飲水の際に、むせてゴホゴホとしていて、食事や飲み物が気管支に入っていってしまうことで肺炎になるというよ…

本:臨床医のための進化するアウトプット 総合診療2021年5月号

臨床医のための 進化するアウトプット 学術論文からオンライン勉強会、SNSまで 総合診療 2021年5月号 大浦 誠 (編集), 長野広之 (編集), 森川 暢 (編集), 吉田常恭 (編集) 巡り合えて良かったと思う書籍の紹介です。普通の医学書を紹介するというより、周辺…

胸水の原因② ~胸水検査の各項目と鑑別~

胸水の原因② ~胸水検査の各項目と鑑別~ 前回(胸水の原因①)は、大きな胸水の原因検索の流れとLightの基準について深堀りしました。 胸水の原因① ~原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~ - 医学生からはじめる アウトプット日記 胸水の原因検索の流れ 1.臨…

胸水の原因① ~原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~

胸水の原因① ~ 原因検索:胸腔穿刺とLightの基準~ 血性胸水をみて胸水穿刺時の出血か、血性胸水かを判断する機会がありました。ガーゼに少し垂らしてみて、凝固するかというような判断の仕方もあるんだと驚いた次第です。 それをきっかけに胸水の原因を考…

肺炎の抗菌薬治療はいつまで? ~効果判定と治療期間~

肺炎の抗菌薬治療はいつまで? 1.治療効果判定 2.「抗菌薬投与期間は短くていいの?」(Lancetより) 細菌性肺炎の抗菌薬はいつまで?という素朴な疑問から深掘りしていきたいと思います。 1.治療の効果判定 抗菌薬治療を終了するには、まずはその抗菌薬…