医学生からはじめる アウトプット日記

医学生のうちにはじめてみたいということで始めてみたブログです。体験のシェアや、日常の医学に関連する疑問の「なぜ」・「なに」を大切にアウトプットする場としても使いたいと思います。少しでもお役に立てば幸いですが、自己責任でお願いします。また、内容に関しては自身の所属等とは一切関係ありません。

眼振の分類と原因・鑑別 ~垂直性眼振は中枢性!?~

眼振の分類と原因・鑑別

~垂直性眼振は中枢性!?~ 

 

 先日の勉強会のカンファレンスにて、垂直性眼振(vertical nystagmus)で中枢性の原因を疑い、まさかの最後は傍腫瘍性神経症候群による垂直性眼振でした。
 めまい診療等でも重要ですが、眼振の原因・鑑別疾患について深堀してみたいと思います。

 

1.眼振の定義・分類

 

 まずは、眼振の定義から。

 眼振とは不随意的に振れ動く眼球の往復運動のことである。
(出典)マクギーのフィジカル診断学 原著第4版

 この項目における眼振の分類等が改めて新鮮でしたので、紹介します。

 眼振には先天性によるものと後天性によるものがあり、両眼性もしくは単眼性に認められる。両眼性の眼振は、両眼がそれぞれが同じ動きをする協同型(conjugate)と、両眼が異なった動きをする解離型(dissociated)がある。眼振は、行き来する運動の速さとリズムが一定である振り子様(pendular)と、一方向には遅く逆方向に速い律動性(rhythmic)の場合がある(律動性の眼振は通常、衝動性眼振とよばれる)。衝動性眼振は、その速く動く方向で命名される(例:右衝動性協同眼振)。また、眼振には水平性、垂直性、および回転性がある。
(出典)マクギーのフィジカル診断学 原著第4版

 

 最後の水平性眼振、垂直性眼振、回転性眼振という分類は国家試験までにも耳にすると思います。一方で、その手前の記述部分(共同型、解離型など)は、しっかり使ったというような記憶はありません。

 

 今回は垂直性眼振ということで中枢性の原因が疑われましたが、眼振の分類だけみても当てにならないので、実際に鑑別に使えるような情報を集めてみたいと思います。

 


2.垂直性眼振は中枢性!?

眼振(中枢性めまい vs. 末梢性めまい)

 

分類

中枢性めまい

末梢性めまい

眼振

眼振が存在する可能性があり、水平、垂直、多方向へ任意の形態をとることがある。

・KEY POINT:自発性垂直性眼振のほとんどが中枢性病変を示唆する。

眼振が通常は存在し、多くは単方向性、水平で、非罹患方向を見たときに増悪する。

・急速相は非罹患側を向く

・中枢性めまいの眼振と異なり、完全には止められないとしても固視によってよくせうすることができる。

その他

通常、他の脳幹や小脳の所見(四肢運動失調、筋力低下、感覚変化、複視、構音障害、嚥下障害、頭痛など)を伴う。

通常、耳鳴や難聴を伴わない。

・めまいのエピソードは短期である傾向がある。

・患者が座っているか横になっている間、神経所見は正常となる。

・重度の末梢性めまいでは、歩行が非特異的なパターンで傷害される可能性がある。

 (出典)セイントとチョプラの内科診療ガイド 第3版

 

 末梢性による眼振の多くが単方向性、水平であることから、引き算的に垂直性眼振のほとんどは中枢性を示唆すると言うことができそうです。何となく知っていも、改めて調べると、発見がありました。「垂直性眼振だから中枢性病変」というのは、初心者にはワンステップ飛んでいるようなものだと感じました。
 垂直性眼振がみられる際に末梢性と中枢性の鑑別のポイントとなる所見もあるようです。

 

 ビデオヘッドインパルステスト(vHIT)におけるanticompensatory eye movementは特発性眼振による末梢性の眼振を示唆しうる。
(出典)Tarnutzer, Alexander A; Straumann, Dominik (2018). Nystagmus. Current Opinion in Neurology, 31(1):74-80.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 原則的には垂直性眼振の原因は中枢性でも、鑑別のコツはあるようです。しかし、一般的には中枢性の眼振が生じる状況・原因に注目しつつ、他の症候や所見等も加味することになりそうです。中枢性めまいによるものらしいということであれば、中枢性めまいの原因として“MAIN”を考えるとなりそうです。

 

中枢性めまいの原因 “MAIN”
・Multiple sclerosis: 多発性硬化症
・Acoustic neuroma or other cerebellopontine angle / brainstem tumor: 聴神経腫やその他の小脳橋角/脳幹腫瘍
・Ischemia of CNS: 中枢神経系の虚血
・Migraine or medications: 片頭痛または薬剤(抗痙攣薬など)

(出典)セイントとチョプラの内科診療ガイド 第3版

 


3.眼振の分類と病変部分

 他にも眼振について調べている際に、眼振と病変部分・原因とのつながりも見つけました。下向き(下方向)眼振、上向き(上方向)眼振、顕著な注視誘発性眼振に関しては原因となる病態や部位があることをハリソン内科学で確認しました。

 

下向き眼振downbeat nystgmus
 頭蓋頸部結合部の近傍の障害(Chiari奇形、頭蓋底嵌入症)で起こる。また、脳幹や小脳の卒中、リチウムや抗痙攣薬の中毒、アルコール依存症多発性硬化症に併発することが方向されている

上向き眼振upbeat nystgmus
 脳卒中脱髄疾患、腫瘍による橋被蓋の障害に伴う

注視誘発性眼振gaze-evoked nystagmus
 多くの健常人にも、軽度の注視誘発性眼振がみられる。顕著な注視誘発性眼振は、薬物など(鎮痛薬、抗痙攣薬、アルコール)、筋不全麻痺、重症筋無力症、脱髄疾患、小脳橋角部・脳幹・小脳の障害によって引き起こされる。

(出典)ハリソン内科学 第5版

 
 先ほどの『マクギーのフィジカル診断学 原著第4版』ともまた異なり、教科書ごとに異なる記述項目等も興味深いものです。それにしても、眼振は奥が深く難しく、理解しきれていないと感じました。垂直性眼振、水平性眼振、回転性眼振といった眼振の方向による分類は表面をなぞったというような印象で、もっと眼振の所見を詳しく、さらに興味を持ってみてみたいと思えるようになりました。

 

 取っ掛かりにくい印象もある眼振ですが、少しでも詳しく眼振があれば、眼振を診てみようと思ってもらえたりすれば幸いです。眼振の診察時の記載の仕方も調べてみたところ、サパイラで見つけました。

 

 眼振を、眼振が出現する注視方向によって記録する専門家もいれば、すばやく動く急速相の向かう方向で眼振を記録する専門家もいる。前者では正中位の眼振を表現できず、後者の方法では振子様眼振が表現できないので、症例記録には特定できる表現(例:「右方視で水平性眼振、急速相は下方」など)にすべきである。

 

(出典)サパイラ 身体診察のアートとサイエンス 原書第4版

 

 せっかく眼振の診察をして眼振をみつけたら、分かったことを正確に伝えたくなりますよね。難しい印象もある眼振の診察をせっかくしたなら、少しでも活かせるような形で記録して、モチベーションも保っていきたいものです。

 

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

Capnocytophaga canimorsus感染症の特徴を探せ

Capnocytophaga canimorsus感染症の特徴

 

 Capnocytophaga canimorsus菌血症の症例と勉強会のカンファレンスで出会う機会がありました。しかし、犬猫という接触歴以外のことを基本的に知らず、Capnocytophaga canimorsus感染症(カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症特徴のようなものはないかと疑問に感じたので、深堀してみることとします。

 

 まずは一般的な内科書からということでセシル内科学書を調べてみました。

  

 

DISEASE

INFECTIOUS AGENT

CLINICAL FINDINGS

VECTOR/ACQUISITION

化膿性皮膚感染症

C. canimorsus

敗血症、皮膚感染症

犬による咬傷

(出典)Goldman-Cecil Medicine, 25th Edition

 

 

 だいたい、このあたりが有名なんだなという程度や人獣共通感染症であるという辺りは分かりますが、何か診断や病原体を考える上でのヒントを「犬」以外にも探してみたいと思います。続いて、マンデルを調べたいと思います。

 

Capnocytophaga canimorsus感染症

Epidemiology

・0.5-1.0感染/100万人年

・男性に多い(2.7-3.8:1)

・50歳以上に多い(70-90%)

・犬による咬傷歴または接触歴(60-84%)

罹患率

→無脾症(13-33%)、アルコール依存(20-31%)、免疫抑制(3-6%)、リツキシマブ、ステロイド治療


Pathogenesis and Clinical Manifestations

・Capnocytophaga属感染症のうち、人獣共通感染症にあたる

(C. canimorsusとC. cynodegmiが一般的な人獣共通感染症

・C. canimorsusは犬や猫の口腔内常在菌(犬の58-70%、猫の15-57%)

・2種類の人獣共通感染症のCapnocytophagaにおいて命を脅かすもののうち、C. canimorsusが90%を超える

・犬による咬傷のような貫通する傷口、ペットとの濃厚接触による見えない傷からの侵入

 

・潜伏期間:1-8日

 

<症状>

菌血症

・C. canimorsusによる菌血症の症状は非特異的で他のグラム陰性の病原体と同じく、発熱、下痢、腹痛、嘔吐、頭痛、意識障害といったような症状がみられる

・C. canimorsusの診断に寄与する特徴として、体幹または四肢に斑状皮疹または丘状皮疹から電撃性紫斑病のようなより重症な皮疹までみられることがある(20-40%)

・全体での致死率は13-33%

 

髄膜炎

・2番目に多い

・少なくとも96%の患者で頭痛、発熱、項部硬直、意識障害のうち2つがみられる

・致死率は3%

 

その他

・心内膜炎(致死率25%)

・脳膿瘍

仙骨硬膜膿瘍

・眼感染症

・骨感染症

・関節感染

蜂窩織炎

・糸球体腎炎

・腎不全

・肺炎



<合併症>

・播種性血管内凝固(DIC)

→脾摘または機能的に無脾症の患者ではDICを伴う敗血症に進展しやすい

・Waterhouse-Friderichsen症候群

・Stevens-Johnson症候群

血栓性血小板減少性紫斑病

・溶血性尿毒症症候群

 

(出典)Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of Infectious Disease, Ninth Edition

 

 

 さすがは、マンデルですね。

 犬猫との接触や咬傷以外にも、菌血症の際の皮疹体幹または四肢に斑状皮疹または丘状皮疹から電撃性紫斑病のようなより重症な皮疹)も診断・病原体を考える上でのヒントになりそうで、皮疹が見られれば特異的なのでしょう。しかし、20-40%にしかみられないことも、やはり診断を難しくしているといえそうです。皮疹がみられない可能性の方が高いので、皮疹があればラッキーと考えて、犬猫との接触や咬傷も菌血症や敗血症を疑った辺りで聞いてみることも必要であると思った次第でした。

 

 あとは、グラム陰性桿菌(with tapered ends)が見つかった時には候補に入れる、脾摘アルコール依存症免疫抑制状態も起因菌として考える時のヒントとなりそうです。その時のお勉強スライドでは、思っているほどはアルコール依存などの人の割合は高くもないというような文献も提示されており、納得もしましたが、それでもある程度可能性が高い・ある程度特徴的と初心者レベルでは言えるのではないかと思います。

 

 ひとまず、Capnocytophaga canimorsus感染症について臨床像から疑うヒントのようなものが少しでも手に入り、ひとまずホッとひと段落です。診断に関しては、グラム染色の登場というところでしょうか。疑わないことには始まらないということを感じました。

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。

Semantic Qualifierを意識した診断推論

Semantic Qualifierを意識した診断推論(臨床推論)に向けて

 

 先日、千葉大学鋪野紀好先生が編集をされたレジデントノート増刊号『症候診断ドリル』をご恵贈いただきました。この書籍の特徴は23の症候診断の中でSemantic Qualifier(SQ)を意識した書籍であるという点です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61ctfpGzTtL.jpg

https://www.amazon.co.jp/dp/4758116601/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_E550QMCSTX33WFF0ZENY

 

 診断推論(臨床推論)において、SQはとても魅力的であると感じる一方で、SQを前面から意識した書籍は数少ないと感じます。今回は、このSQが素晴らしいかを深堀りしてみたいと思います。

 

1. SQとは何ですか?

 キーワードとなる臨床情報を医学的に分類し、より上位の概念に置き換え、普遍化した用語に置き換えます。そのプロセスで抽出された用語を、Semantic Qualifier(セマンティック・クオリファイヤー:SQ)と言います。
(出典)レジデントノート vol.23 No.2(増刊)『症候診断ドリル エキスパートの診断戦略で解き明かす必ず押さえておきたい23症候』

 

2. 実際にSQを使ってみる
  キーワードからSQへの変換の具体例を挙げてみます。

<キーワード>
・81歳
・失神の既往なし
・靴ひもを結んでいる姿勢での失神
・身体所見上有意な所見が認められない

<SQ>
・高齢者(older adults)
・初発(new onset)
・座位での失神(syncope in sitting)
(出典)レジデントノート vol.23 No.2(増刊)『症候診断ドリル エキスパートの診断戦略で解き明かす必ず押さえておきたい23症候』

 

 まずは、その症例からのゲシュタルト作りに役立ち、情報が探しやすくなったと思います。ここで、一般的な鑑別疾患を探してみて、診断仮説に基づき身体所見より先に進む、もしくは身体所見までで攻める問診や特異的な所見を探してみるというような事もできそうです。
 今回の例では、失神の患者さんにおいて除外したい心血管性失神のうち、不整脈の可能性が高くなったようにも感じます。

 他にも、診断推論を練習していくうえで用いた書籍にもSQを意識したものがあり、診断に対してはもちろん、短時間のカンファレンス(症例提示)でも有効であると思いました。

 

<症例提示>
 狭心症、心房細動、糖尿病がある80歳女性が、3週間前からの上腹部不快感、嘔気、嘔吐と受診2時間前からの胸痛、呼吸苦を訴えて来院した。
 認知症があり施設入所中である。もともと自力歩行可能であるが、3週間前より上腹部不快感、嘔気、嘔吐、食欲低下を訴えるようになってからは臥床がちとなっていた。上腹部不快感は食事中~食後に起こり、1~2時間すると改善する。発汗はないが、胸焼けと嘔気を伴っていた。徐々に食事摂取量が減少してきており、ここ1週間は‥‥(以下略)

<SQを意識した病歴の要約>
 狭心症、心房細動、糖尿病がある高齢女性に3週間前から進行する食中、食後の上腹部膨満感と嘔気、嘔吐、体重減少があり、来院2時間前から強い前胸部重圧感と呼吸困難、末梢チアノーゼをきたして来院した。
(出典)『診断推論 Step by Step 症例提示の6ステップで鑑別診断を絞り込む』

https://www.amazon.co.jp/dp/4880027545/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_28XG6JQJCMEJA8XGT1HT


 病歴の要約やゲシュタルト作りにも、SQを身に着けたいものです。


3. 診断困難例で使ってみる
 読んでいて、島根大学の和足孝之先生の書かれたセクション(嘔気・嘔吐)で、さらに気になるものを見つけました。次のようなE-diagnosisという手法にも、SQが使えるようです。

 Additional filtersというところでCase reportだけを選択するようにするだけで自分の症例や鑑別疾患ときわめて類似した症例報告を集めることができます。また、このようにSQをいくつか複合的に検索するだけで、ほとんどの診断困難例の診断名が列挙されることが多いです。ぜひ診断に困ったら行ってみてください。

(出典)レジデントノート vol.23 No.2(増刊)『症候診断ドリル エキスパートの診断戦略で解き明かす必ず押さえておきたい23症候』

 

 PubMedにて検索してみたところ、”older adults”, “new onset”, “syncope in sitting”の3つをキーワードにした際にはヒットするものがありませんでした(2021年3月31日現在)。それぞれのキーワードを失神(syncope)と合わせて検索してみました。

 “older adults syncope”にてCase Reportsを指定して検索したところ、3,670件ヒットしました。たくさんヒットしすぎて、どのような診断があるのか、どのようなCase Reportsがあるのか絞り込めていない印象がします。
 もっとキーワードを増やして、”older adults syncope in sitting”にてCase Reportsに絞り込んで検索をかけてみたところ、17件がヒットしました。その中から起立性低血圧のような明らかに違うものを除くと、具体的には下記のような原因・病態がありました。

 

・Platypnea-Orthodeoxia Syndrome
・排尿性失神
・肺癌によって誘発された神経介在性失神
 →読み始めてみると起立性低血圧でした
大脳基底核の一過性の血行力学的虚血
 →読み始めると起立性低血圧でした
カルバマゼピンによって誘発された房室ブロック
・延髄被蓋病変
・僧帽弁置換の左房血栓
・脊髄ブロック
・房室解離
 …

 

 やはり、Care Reportsというだけはあって診断困難例向けですね。不整脈の類も含まれていてヒントになる気がしますが、やはり王道の診断(今回では不整脈等)を疑ってそれでもはっきりしないときに検索するとより有効だと思いました。

 

最後に
 SQを意識すると、症例一つひとつから得られるものも多く、診断困難例をはじめ情報を探しやすくなると思いました。SQをより意識し、具体体的に取り入れるきっかけとなる書籍をご恵贈してくださり、誠にありがとうございました。SQはじめ、気になる方はぜひ手に取ってみて欲しいと思います。

 

 本日、4月からの期待もありつつ不安の中で医学生最後の日(3月31日)を迎えました。これからも、マイペースで更新していきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

本:医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話

医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話』
Dr. K(著)


 この業界では話すことすら一種のタブーにも感じている「お金」に関する書籍です。

 この書籍は少し前からあったのを知っていたのですが、このタイミングで書店で手に取ったところ、はじめの項目の将来の年収とかが立ち読みで気になった書籍です。どれぐらいの貯金計画が必要なのかといったようなことを考えました。今は独身であり、将来のファイナンスのことを今この場で気にする必要性はないと思いますが、家庭ができた際にそこで初めて悩んでも大変だと思い、このタイミングで読みました。


【こんな人に読んで欲しい】

※書籍のタイトルにある通り、若手医師ぐらいまでが主な対象になると思います。

・医師になればお金のことは考えなくても大丈夫だと思っている人

・将来の一般的な医師の年収を知りたい

大学の医局に入るか悩んでいる

家庭を持った後、子供ができた後のことを考えたい

節税に興味がある

老後の備えが不安

保険について知りたい 

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81OsF4P2msL.jpg

 

 書籍の中では、収入編、支出編、節税編、資産運用編、保険編、その他という順でお話があります。いずれも具体的な方法論を知るための本ではなく、まずは「こういう概念・やり方」があるということを知るための本になっていると感じました。例えば、節税編の中では個人型確定拠出年金iDeCo)のお話もあります。概念すら知らない人には、医師になってやっていく上でひとまず必要なものに上手に絞られていると思います。

 そもそも、医師になれば医局に入ろうが、留学しようが、常識の範囲内で何かをしようがお金には困らないと思っていた学生や高校生にも、考えるきっかけになればと思います。医師の平均年収ぐらいであることを前提にして、留学や家庭のことをぼんやりと考えていたけれども、実際に大学の医局に所属する際の給料でやりくりするとなれば事前に準備をするなり、いろいろと考えることがあると思います。

 私自身は留学に興味があるので、想定(医師の平均年収で考えた場合)以上に早めからお金を貯めておく等の対策を取る必要性があると感じました。

 保険では医師賠償保険というような学生には聞き慣れないものもありました。初期研修を終えるまでには必ず考えておくべきことも含まれているのではないでしょうか。


 この大学に入る前に個人的に株式投資をしていたこともありした。その辺りのことで知っていることは周りの同期よりも多いとは思うのですが、医師としてのお金の話は知らないことが多いので、買ってみて良かったと感じています。

 この本をきっかけにいろいろと考えてみる、調べてみる、行動を始めてみる、そのようなはじめの一冊のような書籍でした。

 

www.amazon.co.jp

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。


P.S.

 最近は、いつも以上にミヒャエル・エンデ(著)の『モモ』のような全く医学と関係ない本を読んだりもしており、書籍紹介の頻度が少なくなりがちであると感じました。そちらの本の紹介もやろうか悩んでいますが、際限がなくなってしまうので、しばらくは現状維持とします。

中枢性顔面神経麻痺 「これって麻痺ですか?」

中枢性顔面神経麻痺

~これって麻痺ですか?~

 

 先日、病棟での回診の際の身体診察にて中枢性顔面神経麻痺のフィジカル(身体所見)に出会う機会がありました。中枢性の顔面神経麻痺は麻痺があまりはっきりとせず、分かりにくいというのが第一印象でした。顔面神経(第VII脳神経)末梢性の顔面神経麻痺と中枢性顔面神経麻痺の違いや、顔面神経麻痺を疑った際の麻痺の判断について深堀りして、顔面神経麻痺のフィジカルを使いこなせるようにしたいと思います。

 

まずは、顔面神経(第VII脳神経)の障害全般について。 

 顔面神経の病変では、顔貌の左右差が生じ(同側の鼻唇溝が浅くなり、同側の眼瞼裂が悪大する)。同側のほとんどの顔面筋で筋力低下が起きる(会話、まばたき、眉毛挙上、笑み、額のしわ寄せ、閉眼、歯を見せる動作、顎を引く動作にかかわる筋肉)。同側の流涙(涙腺)、聴覚(アブミ骨筋)、味覚(前 2/3)、角膜反射や眉間反射にも異常をきたしうる。

(出典)マクギーのフィジカル診断学 原著第4版, Steven McGee, 2019

 

 さすがはマクギーで、顔面神経麻痺(障害)の際の具体的な症状や所見が載っているのがいいですね。例えば、顎を引く動作においても筋力低下が見られることは忘れがちかと感じました。

 それでは、中枢性障害と末梢性障害の違いについて調べていきます。まずは、国試レベルから。

 

顔面神経の中枢性障害と末梢性障害

 

中枢性障害

末梢性障害

麻痺

・病変の対側顔面下部に表情筋の麻痺がみられる

・上部(前頭筋)は両側支配であり正常である

・障害部位と同側の顔面(上部、下部とも)に麻痺がみられる

診察

額のしわ寄せ:〇

・閉眼:〇~×*

鼻唇溝の深さ:×(浅い)

・口角を上げる:×

額のしわ寄せ:×

・閉眼:×

鼻唇溝の深さ:×(浅い)

・口角を上げる:×

*眼輪筋が両側性支配の場合には閉眼可能だが、片側性の場合には中枢性障害であっても閉眼障害が現れる.

 

(出典)病気がみえるvol.7 脳・神経(第2版)

 

 国試に向けて勉強している多くの人は、中枢性と末梢性の顔面神経麻痺の違いは額のしわ寄せの有無であると考えている人は多そうです。確かに、額のしわ寄せが明らかにできなければ、末梢性の顔面神経麻痺で良さそうです。

 しかし、実際にこれだけではAll or Noneのように白黒はっきりし過ぎているように感じます。中枢性の顔面神経麻痺を「麻痺」と認識できなかったりするのは、このせいでしょうか。やはり、他の医学書で深堀します。

 

顔面神経麻痺における末梢性障害と中枢性障害の特徴

 

<末梢性障害>

・Bell麻痺に代表される第VII脳神経の末梢での障害では、顔面の上部、下部の筋の麻痺がともに顕著である

<中枢性障害>

・中枢の障害では下部の筋の麻痺が主である



末梢性障害

(例:Bell麻痺)

中枢性障害

(例:左大脳半球の脳血管障害)

閉眼時

・閉眼困難

・眼球は上転

鼻唇溝の浅薄化

眉毛の挙上時

・額のしわ寄せ不十分

・眉毛の挙上不十分

・顔面下部の麻痺

閉眼時

閉眼はできるが力は弱い

鼻唇溝の浅薄化

眉毛の挙上時

額のしわ寄せ可能

眉毛の挙上可能

・顔面下部の麻痺

 

安静時や会話時の顔面神経麻痺のチェック

・左右差(特に鼻唇溝

・チックなどの異常運動

・一側の顔面神経麻痺では、微笑んだり顔をしかめたときに、麻痺側の口角が下垂する

(出典)ベイツ診察法, リン S. ビックリー, ピーター G. シラギ, 2008 

 

 続いて、中枢性と末梢性の違いをマクギーも新たなことがないか調べてみます。

 

 末梢神経病変では患側のすべての顔面運動が障害されるが、中枢病変では随意運動は障害されるものの感情に伴った運動は障害されない。中枢病変による顔面神経麻痺では(例えば、大脳半球における脳卒中)では、片側の口角挙上は随意的にはできなくなるが、笑ったり泣いたりするときいは問題なく挙上することができる。このようなことが起こるのは、感情による顔面神経核への入力信号は、運動皮質から発生していないためである。

(出典)マクギーのフィジカル診断学 原著第4版, Steven McGee, 2019

 

 これは驚きでした。中枢性の顔面神経障害の場合は、感情に伴った運動は障害されないんですね!いろいろと調べてみました。OSCEでの診察法もやりましたが、自分なりにまとめてみます。

 

1.顔面神経麻痺を疑ったら、まず鼻唇溝をチェックして麻痺かを判断

2.末梢性では麻痺が顕著であることが多い。

 →中枢性では閉眼もできるものの力が弱い(睫毛兆候陽性)

3.中枢性であれば、下部の筋の障害が主。

→額のしわ寄せは比較的保たれる

4.中枢性では感情に伴う運動は障害されない

(例:泣いたり笑ったりする際の口角挙上は問題ない)

 

 額のしわ寄せの可否で中枢性と末梢性障害の判断はできうるものの、他にも中枢性は麻痺が顕著ではなくはっきりしにくいこともあるということを確認することができました。脳梗塞等で中枢性の顔面神経麻痺を疑ったときには、顕著な麻痺ではない可能性もあると思って診察し、鼻唇溝が浅い(左右差)あたりを麻痺の有無の判定に使うと良いと思いました。

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。

私の初期研修病院選び(振り返り)

初期研修病院選び

~私の初期研修先の決定までを振り返って~

 

 勉強会サークルの設立や活動を支えてくださった先生と偶然にも学外でお会いし、6年生の今だからこそ記憶が鮮明なうちに残せるものを書き残して後輩へ伝えてほしいと言われました。このブログをはじめたきっかけは「やって良かったと思う勉強法」についてでしたが、今回は先生とお会いしたのをきっかけに「研修病院選び」について書いてみることにします。(その後、後輩からも質問を頂きました)

 国家試験の結果発表を終えて、研修先病院を実際にどのように探してきたかを紹介します。初期研修病院を探すうえで私自身がどのような点を見てきたかを紹介します。 

 

 僕自身は、初期研修においてファーストタッチをしっかりとできるようになりたいという希望や、BPSモデルのB(Bio)の部分をとりわけしっかりと研修したいという希望、家庭環境やこの先の進路から、救急や内科をしっかりとやれる病院を探すことにしました。まずは、皆さんも初期研修における軸となる目標をみつけると病院探しに良いかと思います。

 それは、将来どのような医師として活躍したいか(診療科だけでなく、どのような夢や目標があるか)によって、初期研修における目標を考えるようにしました。

 

 では、具体的にどのように探したのかを紹介します。まずは、データ的な部分からある程度の絞り込みをかけました。

 

<絞り込みの際の条件>

・立地、地域
・給与、賞与(ボーナスの有無も)
・宿舎の有無(安くて満足できる宿舎があれば、実質給与UPのようになる)
・当直回数(データ上)、当直時間帯(準当直、当直)
・救急車の台数、何次救急か(どのような疾患がみられるか)
・診療科、先生
・カリキュラム
・同期の人数
・出身校
・(お世話になった先生からのおすすめ・ご縁)
・(宗教、思想)


 大学病院と市中病院に関しては、初期研修での目標や、上記条件で絞り込みを行うと自然とある程度決まってくると思います。また、大学病院でも希望の診療科がないこともあるので、はじめから私は大学病院だけを候補にするとか、市中病院だけを候補にするということはありませんでした。

 

 カリキュラム(表の系統だったプログラム)は、たすき掛け先をはじめ、チェックするのは言うまでもないと思います。救急車の台数というのはあくまでも目安ですが、初期研修医の人数に対して救急車が来なければ、そもそもファーストタッチは厳しいと思います。さらには、診療科に自分自身の好きな診療科・興味のある診療科があるかというのは大きな指標になりました。
 立地(地域)に関して、本人だけでは決まらない面もあるかと思います。地域枠はもちろんのこと、家族・パートナーとの関係性などによっても絞られてくることと思います。給与に関しても、独り立ちして病院の近くに住むことができるかをクリアしているかを考えることができればよいと私は考えましたが、人それぞれのバランスがあると思います。

 出身校の偏りはその地域性もあるので仕方がないとは思いますが、私自身は様々な大学出身の人が集まる方が刺激が大きく成長しやすいと思ったため、出身校が様々な傾向にある病院を優先しました。地域によって、○○大学系列の病院は見学に〇回以上、学外病院実習で選択した方が良いなどという噂も聞きました。

 

 他にもレジナビにも2回ほど行って、実際にお話を聞くことがありました。研修病院の一覧する本では見逃していた病院を知る機会にもなりました。それ以上に研修医の先生とお話できるところでは、雰囲気を垣間見ることができました。

 

 このような条件からある程度自分が行きたいと思う研修先が絞られてきた後が、初期研修先選びの本番であると思います。現在は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で十分に見学に行けないこともあると思います。しかし、可能であれば必ず直接見学に行くことをお勧めします。やはり、オンライン説明会で映る部分(多くはデータ的な部分)以外にも大切であると思う部分がたくさんあります。

 実際に見学に行った際には病院全体の雰囲気はもちろんですが、次のような部分を見ていました。また、見学の希望診療科は救急や興味のある診療科を中心にリクエストしていました。

<実際の見学時にチェックするところ>
・研修医の先生の自主性
・上級医の先生から研修医へのフィードバックの有無
・実際に何次救急か
・救急等での研修医のファーストタッチの程度
・救急等での研修医1年目と2年目の違い
→この病院で研修をすれば、2年目にはこの程度ファーストタッチができるという目安になる。
・研修医の雰囲気
明るい・楽しそうかはもちろん、真面目さが自身と合うか、泥臭いことを皆でやっているか?押し付け合いはないか?等
 
・私自身の1つ先輩の学年の研修医の雰囲気が合うか?
 →見学に行った後に、ある程度候補が絞れてきた場合は6年生のときに雰囲気を確認することをお勧めします。また、実際に見学に行った際の研修医の先生とのお話でも

・出勤時間や帰宅時間
・実際の当直時のお話or見学(忙しさもチェック)

・病院内での研修医向けの勉強会の内容や頻度・時間、参加率や雰囲気等

→究極は自分に合うかということを考えるために、いろいろと見ました。

・見学回数、試験情報(過去問までいかなくてどんな感じであったかも)

※出身大学による採用されやすさに関しては、はじめから明らかな偏りのあるところではもちろん聞きませんでした。

<+α>
・寮の部屋、住居
・建物の新しさ(私自身はあまり重要視していません)
・病院の周りの居住環境(スーパー等)
 →見学中に先輩からお話を聞くことができるときもありました。同世代として必要なものがあるのかという参考にもなりました。
・(病院との連絡)
 →とある大学病院で見学のお願いをしてから、日程の確定までに1週間以上かかったこともありました。
・(どのような有料文献の契約や図書室があるか)

 


 あとは、私自身はこの項目はこの基準を超えたら満足とか、この項目は相関的に上がれば上がるだけ良いとか、バランス付けをしましたが、やはり最後は初期研修での目標に立ち戻って、受験する候補や希望順位を決めました。

 

 

滑り止めは?

 私自身は絞り込みをした後に、見学をして順位付けをしました。他にも、滑り止めとして出身校の大学病院を受けるというような人もいると思います。設定した条件のうち、譲ることができる部分やその程度を考えておくとよいと思います。例えば、希望診療科の有無は譲れないが、地域・立地は譲ることができる(むしろ、郊外へ行くと給料が増えることもあります)、というように自分自身で調節し、過去の人気度(倍率)を見ながら滑り止めになりそうな候補を増やせばいいと思います。

 また、マッチング先が決定すると、留年や国試浪人にでもならない限り、必ずその研修先で研修をしなければなりません。中には、マッチングの際に大学病院を滑り止めとして順位を下の方に書いて、大学病院に研修先に決まりがっかりしていた人もいました。逆に、1次マッチングで決まったことで2・3次マッチングまで考える必要性がなく、精神的な負担を少しでも少なくして国家試験対策をすることができた人もいました。自身の性格等も考慮するとよいと思います。

 

 

実際に見学にいってみよう!

 病院見学の申込方法(メールの文面)や、見学の際の服装など、他にも気になる方はGoogleで検索してみると見つかったり、下記の様な書籍もあります。もちろん、この本やネットのやり方が絶対に正しいひとつの方法ではありません。

 

www.amazon.co.jp

 


最後に
 有名研修病院だから、必ずしも誰にでも良いというわけではありませんでした。確かに有名な先生がいらっしゃる病院もありましたが、それが初期研修プログラムにつながっているとも限りません。最後には、おおむね選択肢も絞られて、マッチングの際の順位付けという中で覚悟を決めて思い切ることになると思います。究極的には言葉にはしにくい部分もありますが、直接見学に行って「恋人選び・作り」と同じように思い切って決める覚悟も必要だと思います。5年生ぐらいからでも、大学のカリキュラムで少し大変でも躊躇せずにぜひ行ってみてください。病院見学の方が、普段の大学病院の実習よりも勉強にもなったりします。
 これは私個人の覚書きのようなものですが、1人でも多くの後輩が、よりよい研修先を見つけられる手助けとなれば幸いです。

黄熱病とワイル病 〜野口英世記念館を訪問して〜

黄熱病とワイル病

野口英世記念館を訪問して〜

 

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 前のことですが、野口英世記念館へ行く機会がありました。その時の言葉にはし難いものの私自身を勇気づけ背中を押してくれたような展示に感動したのを今でも覚えています。

 

 振り返ると、あの綺麗な猪苗代湖磐梯山に囲まれた地で育った野口英世のことを想像しながら、生家を見学し、野口英世の母(シカ)の「はやくきてくたされ」と帰国して再会を望む母の手紙に感動し、さらに野口英世の研究に励む姿勢に感動したのでした。

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 野口英世の生涯を詳しく知り、とても努力家であると同時に寝る間も惜しんで研究をし、当時は渡航を周りからは止められながらも途上国へ行き、「黄熱病ワクチンが効かない」という理由を究明しようとしたようです。


 実際に、野口英世が黄熱病の原因だと突き止めた病原体はワイル病の病原体であるレプトスピラであって、黄熱病の原因である黄熱ウイルスと間違えたと言われています。そして、「黄熱病」(実のところのワイル病)のワクチンを開発し、「黄熱病」が減少した。それを称えられている国もある一方で、「黄熱病ワクチン」が効かないということも表面化してきました。

 その際に「黄熱病」に似ているが、ワクチンが効かないというのが、実は本当の黄熱病であったと言われています。(他にも諸説もあるかと思います)。

 今回は、その両者がどの程度似ているのか、深掘りしてみたいと思います。


黄熱病とワイル病の比較

〈黄熱病〉Yellow Fever

病原体: Aedes aegypti 

臨床像

→著名な肝臓壊死を伴う出血熱

→重症例では、後期(letter phase)に特徴的な黄疸、出血、黒色嘔吐、無尿、最終的にはせん妄が生じる

アルブミン尿がみられることがある


〈ワイル病〉Weil's Disease

※ワイル病はレプトスピラ感染症のうち、最も重症なもの

病原体: Leptospira

臨床像

・様々な組合せの黄疸

・急性腎障害

・低血圧

・出血(最も肺が多い)

・その他: 無菌性髄膜炎ぶどう膜炎、胆嚢炎、急性腹症、膵炎

 

(出典)Harrison’s PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE Eighteenth Edition

 

 まず似ているところといえば、目に見える黄疸でしょうか。出血熱と出血も「出血」という視点から似ていると言えそうです。黄熱病の無尿と、ワイル病の急性腎障害が似ていることもありえそうです。当時のことを考えると、黄疸は目に見えるので、似ていると考えられたのかもしれません。

 他にどのような点が似ている・異なるかを疫学的なことを調べてみようと思います。

〈黄熱病〉

・蚊による媒介が分かる(1900年)前、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパで流行していた。


〈ワイル病〉

・郊外もしくは田舎に住む途上国もしくは先進国の社会経済レベルの低い人で、動物の尿が混ざっていうる水と接触する人。


(出典)Harrison’s PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE Eighteenth Edition

 

 当時のことを考えれば、ワイル病も黄熱病も両方見られうる地域もあると思います。具体的には、黄熱病は媒介するヤブカ(Aedes)の生息域に重なる部分はどちらの疾患もみられるということになると思います。


 黄疸で肝胆膵系限定の疾患だけでなく、さらに黄疸や出血がみられることでこれらを混同したのではないかと思います。それぞれの症状の出現割合にもよると思いますが、ワイル病はそもそもがレプトスピラ感染症の重症なもので、これらの症状が見られて当然ともいうことができると考えています。


 当時はウイルスを発見することのできる電子顕微鏡もなく、ウイルスは発見できなかったものの正体を掴みかけていたということも展示で書かれていた記憶があります。


 皆さんも、福島県会津・猪苗代方面へ行く機会があれば、ぜひ野口英世記念館の見学に行ってみてください。何かしら、普段の勉強を頑張ろうと思えるかもしれません。


野口英世記念館のホームページはこちら

www.noguchihideyo.or.jp

 

 本日もお読みくださりありがとうございました。