肺炎 診断 と臨床予測ルール
~特異的な病歴 や聴診 ・身体所見、胸部レントゲン は?~
<目次>
冬になると「また肺炎 も増えるかな」と思うことがあります。そんな肺炎ですが、肺炎診断 にも臨床予測ルール が複数あるのをご存じでしょうか。決して感度や特異度が高いものではありませんが、肺炎を積極的に疑って画像をオーダーするか、悩むこともあると思います。
当たり前に感じがちな肺炎の診断について、肺炎らしい のか、急性上気道炎らしい のか、を考える際の手がかりとしても深掘り してみたいと思います。
1. 肺炎診断の 臨床予測ルール
肺炎の臨床予測ルール(Clinical Prediction Rule; CPR) というと、A-DROPやCURB-65のような重症度・予後 に関するものを思い浮かべる人が多いと思います。しかし、肺炎の診断のため の臨床予測ルールも複数存在します。主なものは下記が挙げられると思います。
Diehrルール
Heckerlingルール
Gennisルール
AFRI (Acute Febrile Respiratory Illness ) ルール
PAFRIルール (小児用)
それぞれで感度や特異度はもちろん異なり、使用する状況(研究対象)が異なったり、チェック項目の特徴があったりもします。
結論から申し上げると、どの診断ルールも特異度が充分という訳ではなく 、あくまで診断の補助になります。そのため、重症度スコアの際に用いるA-DROPやCURB-65のように有名ではないのかもしれません。しかし、診断の過程において肺炎らしい と考えるヒント として、これらを順にチェックしていきたいと思います。
1-1. Diehrルール
Diehrルール と言えば、古典的 な診断のための臨床予測ルールといった印象でしょうか。1984年の論文ということで、やはり古典といった感じでしょうか。どのようなルールなのか、チェックしてみます。
Diehr ルール
(肺炎診断のための臨床予測ルール)Diehrルール
1カ月未満の咳嗽によりウォークインで救急外来(単施設)を初回受診し、病歴、身体診察、胸部X線検査を受けた成人・非妊娠の患者483人の後ろ向き研究
胸部レントゲン写真にて肺炎像が認められたのはわずか48人(2.6%)であった。
肺炎患者と非肺炎患者における病歴・身体所見のうち、32項目は肺炎の有意な予測因子であった。例えば、喀痰、喫煙者、悪寒、寝汗、発熱、脈拍>100回/分、呼吸数>25回、体温≧37.8℃、打診における局所的dullness、ラ音、非対称性呼吸、胸膜摩擦音、ヤギ音、悪液質、ロンカイが挙げられる。
それらのうち、7項目(鼻汁なし、咽頭痛なし、寝汗、筋肉痛、1日中の喀痰、呼吸数>25回/分、体温≧37.8℃)を点数化し、-2点をカットオフとすると、感度91%、特異度40%であり、-1点をカットオフとすると感度74%、特異度70%で肺炎患者を特定する診断ルールとなった。
(出典)J Chronic Dis. 1984;37(3):215-25. doi: 10.1016/0021-9681(84)90149-8.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
上記のような結果でした。正直なところ、感度 も特異度 もいまひとつ です。レントゲンで肺炎を認める人が少ない点は、昔のレントゲン写真の解像度等についての疑問は残ります。しかし、鼻汁 や咽頭痛 があれば、肺炎らしくない (急性上気道炎らいい)という点は参考になると思います。
対象患者の年齢層も13歳から29歳ぐらいまでが半分程度を占めており、高齢者は少ない母集団となります。ただし、1984年の論文であることも踏まえると、当時の60歳代は今の80歳代のように考えて扱わないといけないかもしれませんが、救急外来をウォークインで受診する様々な年齢の人に当てはめやすい 母集団であると感じました。また、救外ウォークインなので普段の外来にも当てはめやすいでしょう。
肺炎患者と非肺炎患者にて有意差のあった病歴や身体所見上の項目に関しては、胸部レントゲンにて肺炎像が認められた場合とそうでない場合と2パターンあります。項目ごとに尤度比も頻度も異なります。また、母集団の年齢層等も含めて、詳しくは出典をご覧ください。
1-2. Heckerlingルール
こちらもやや古典的で有名どころの、肺炎の診断のための臨床予測ルールでしょうか。こちらも深掘りしていきたいと思います。
Heckerlingルール
(肺炎診断のための臨床予測ルール)Heckerlingルール
3施設の救急外来での前向き研究;シカゴのthe University of Illinois Hospital (derivation set) 1134名、オマハのthe University of Nebraska 150名 (validation set)、リッチモンドのDeMedical College of Virginia (validation set) 152名
37.8℃を超える発熱、100拍/分を超える脈拍、ラ音の聴取、聴診における呼吸音減弱、喘息がないことが、X線検査で肺炎と診断された患者における有意な予測因子(p<0.0001)であった。
導出用の訓練データセット(the University of Illinois Hospitalの1134名)では、AUC 0.82 (95% CI, 0.78 - 0.86)であった。また、他の検証データとのAUCの有意差はなかった。
肺炎の予測可能性が5%未満の患者を「肺炎でない」とした場合、予測ルールの感度は91%、特異度は47%であった。
(出典)Ann Intern Med. 1990 Nov 1;113(9):664-70. doi: 10.7326/0003-4819-113-9-664.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
こちらは1990年に発表された論文です。今ほど新しいわけではなくてやはり古典側の臨床予測ルールかなと感じます。一方で、対象患者が救急外来全体 であり、ウォークインに限定されていない辺りが、Diehrルールと比べるとやや救急外来向けのスコアリングかなと感じます。
決して感度 や特異度 は高くはありません 。先ほどのDiehr ルールと比べると、各項目がいずれも1点 という分かりやすい設定です。
一方、ラ音(crackle)の聴取と呼吸音減弱という聴診所見 が2つ入っています。個人的には騒がしい救急外来での聴診所見にどこまで信頼がおけるのか、という点でも多少の疑問を感じます。後ほど、肺炎における聴診の診断特性についても深掘りしてみたいと思います。
いずれにしても、病歴や身体診察までのヒントが詰まっているというイメージの臨床予測ルールのひとつでした。
1-3. Gennisルール
続いて、救急外来でバイタルサイン だけで肺炎の可能性を考えた診断予測ルールです。ルールというには単純で、ややマイナーなイメージがあります。Paul Gennisらの報告によるものなので、これは「Gennisルール」と呼んでおきます。
Gennisルール
バイタルサインにおける、体温>37.8℃、脈拍>100/分、または呼吸数>20回の肺炎診断における感度は97%であった。
(出典)J Emerg Med. 1989 May-Jun;7(3):263-8. doi: 10.1016/0736-4679(89)90358-2.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
使い方としてはバイタルサイン で体温 、脈拍(心拍) 、呼吸数 のいずれでもひっかからなければ、感度 が97% として、肺炎の可能性がとても低いことが言える診断補助ルールです。救急外来を含む様々な場面で、バイタルサインの異常がないことが、問題ないことの証明につながると感じます。一方で当たり前ですが、特異度は低いと感じます。
肺炎を疑った患者で発熱なし、呼吸数増加なし、頻脈なしであれば、大丈夫の可能性が高いという当たり前のことを振り返れる有難い結果だと思います。
一方、このルールに則って、発熱、呼吸数増加、頻脈のいずれかがあれば、胸部レントゲンを撮るというのは、結局のところ多くの急性上気道炎でも胸部レントゲンを撮影することになると考えています。肺炎の否定ではなく、肺炎を絞り込んでいくという実用性は低いようにも感じます。
バイタルサインにも奥深さを感じる部分はありますが、今回はこの程度にしておきます。この記事の最後に、バイタルサインについて学べる本を紹介しておきます。よろしければ、ご覧ください。
1-4. AFRIルール
比較的新しい診断予測ルールです。従来からの古典的なものに比べて診断特性はよくなっていると耳にするものです。AFRI とはAcute Febrile Respiratory Illnessの略で、論文のタイトル「Clinical prediction rule to predict pneumonia in adult presented with acute febrile respiratory illness」にもAFRIが入っております。
AFRIルール
救急外来を受診した18歳以上、24時間以上の38℃以上の発熱、10日内の呼吸器症状で受診した成人患者537名の前向き多施設研究。
SpO2≦94%や酸素投与を受けていた患者は除外
肺炎に有意であった病歴や身体所見は、年齢65歳以上、救急車で来院、肺炎の既往、慢性肺疾患の既往、最高体温(発熱)40℃以上、発熱期間3日以上、呼吸困難感、咽頭痛なし、鼻汁・鼻閉なし、7日以内の抗菌薬投与、SpO2≦96%(RA)、ラ音 or 呼吸音の減弱 or 気管支呼吸音、Wheeze、呼吸音の異常であった(P値<0.05)。
(肺炎診断のための臨床予測ルール)AFRIルール
肺炎に有意であった病歴や身体所見のうち、年齢≧65歳()(+1点)、最高体温≧40℃(+2点)、発熱期間≧3日(+2点)、咽頭痛(-2点)、呼吸音の異常(+1点)、肺炎の既往(+1点)、SpO2≦96% (+1点)の7項目を重み付けしてスコアリングしたものをAFRIルールとした。
AFRIルールはDiehrおよびHeckerlingルールよりも正確であることが判明した(ROC曲線下面積はそれぞれ0.816、0.721、および0.566、p < 0.001)。AFRI≥0のカットオフでは、AFRIルールの感度は95%、陰性の予測値は97.2%であった。
(出典)Am J Emerg Med. 2019 Aug;37(8):1433-1438. doi: 10.1016/j.ajem.2018.10.039. Epub 2018 Oct 20.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
AFRIルールはこれまでのDiehrルールやHeckerlingルールとの比較においてAUCが大きく、正確 であると考えられます。一方、重み付け(項目ごとに点数が異なる)があるというのは個人的にはややこしさを感じます。簡便さを欠いているように感じると言えばよいのでしょうか。
重み付けはさておき、AFRIルールにおいて個人的に関心している項目は、「発熱期間が3日以上」 や「40℃以上の発熱」 という部分です。他のスコアリングでは見かけなかった項目です。また、「発熱期間が3日以上」のオッズ比が3.9 (1.47-10.36)、「40℃以上の発熱」のオッズ比が4.17 (2.21-7.87)と、他の有用な項目よりもオッズ比も高い傾向でした。これらの項目が病歴で当てはまると、「風邪としたくない」という気持ちが働きます。
また、SpO2≦94%や酸素投与を受けている患者さんを除外してくれているので、胸部写真を撮るか悩みがちな症例の方が対象という点も、AFRIルールの研究の有難いところかもしれません。
他のスコアリングと似たような項目も含めて、参考にしてみてください。
1-5. PAFRIルール
こちらは先ほどのAFRIルール(成人)に対して、小児用 に考えられたものです。PediatricのPをつけて、PAFRIルールとなっています。
PAFRIルール
急性の呼吸器症状と発熱のある6歳未満の小児における3施設の救急外来での前向き研究
967名のうち530名で胸部X線検査が行われ、91名で肺炎像を認めた。
PAFRIルール:発熱期間 3日未満(0点)/3~4日(+1点)/5~6日(4点)/7日以上(+5点)、悪寒(+2点)、鼻症状(-2点)、胸部異常所見(+3点)、SpO2 96%以下or頻呼吸(+3点)
ROC曲線下(AUC)は0.733であり、0点以下をカットオフとした際の感度は91.7%、陰性的中率は97.7%であった。
(出典)Am J Emerg Med. 2020 Dec;38(12):2557-2563. doi: 10.1016/j.ajem.2019.12.041. Epub 2020 Jan 3.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
小児向け ということで、ARFIルールとは項目から異なります。個人的には発熱期間が長くなるにつれて肺炎を疑う可能性が高くなるあたりには、成人のAFRIルールの際にもでしたが、参考になる病歴だと思います。
他と同じく鼻汁や鼻閉といったような鼻症状は肺炎らしくないというのも、成人と同じような傾向でしょう。
一方、AFRIルール以上にスコアリング が大変 な印象も受けました。項目ぐらいは何となく覚えられても、最後の点数付けまでは覚えられなさそうな印象を受けました。
*****
個人的にはバイタルサインを軸としたGennisルールを除いて、聴診所見 が入っていました。日常診療において聴診所見はどれほど役に立つのか疑問に感じる ことも多いのが、個人的な現状です。
肺炎診断補助のための臨床予測ルールは以上にして、チェック項目に挙がっていた聴診所見について、深掘りしてみたいと思います。
2. 聴診の 診断特性は ?
先ほどの臨床予測ルールの中には、ラ音(crackle) や呼吸音の減弱 等が評価項目に入っているものがありました。聴診器を使っていて、coarse crackle(水疱音)のような聴診所見も明らかなものであれば良いものの、人によって、状況によって、「肺音clear」はどの程度当てになるのか疑問に感じることがあります。
身体診察ということで、マクギーのフィジカル診断学をチェックしてみたいと思います。
肺炎と身体所見
肺炎診断と身体所見
大葉性浸潤影による古典的な身体所見の多く(胸壁運動の減弱、濁音、呼吸音の減弱、気管支呼吸音、ヤギ音)は、陽性の時に肺炎を示す兆候となる。ただし、肺炎だと分かっている患者でも、このような所見を呈するのは少数のみであり、所見がなくても疾患がある可能性は低くならない。
肺の身体所見として、陽性尤度比(LR+)は、非対称な胸郭拡張 44.1、胸壁の圧痛 NS、打診上の濁音 3.0、呼吸音の減弱 2.2、気管支呼吸音 3.3、ヤギ音 4.1、クラックル(ラ音) 2.3、Wheeze 0.8であった。
(出典)Steven McGee, マクギーのフィジカル診断学 原著第4版, 226-229, 2019, 診断と治療社.
やはり、「肺炎の身体所見」とされるものでも、ヤギ音 こそ多少、陽性尤度比も高め ですが、他の取りやすい身体所見 の陽性尤度比はそこまで高くなく 、身体所見上は認めなくても陰性尤度比は有意差なし のものが多くみられるといった印象です。
先程までの診断補助のための臨床予測ルールの際も、身体所見だけで陽性尤度比が高いという訳でもなかったので、その通りであったと思います。身体所見の中ではもちろんのこと、病歴や検査等もあわせて合わせ技 ですかね。
身体所見と診断といえば、診断特性までしっかりと書いている「マクギー」かなということで参考にさせてもらいました。最近、第5版になりましたが、第4版では付属していた電子版が紙の本についていないので、医書.jpやm3.comから電子版が出るまでは見送っています。それはさておき、身体診察と診断について、「身体所見がある・なし」だけではないグラデーションに興味のある方はチェックしてみるとよいと思います。
リンク
3. 胸部レントゲンの 感度は ?
次に、やはり胸部CTと比べて胸部Xpの肺炎像をとらえる感度 は落ちるような気がします。もちろん、CTまでして小さな必ず肺炎像を捕まえる必要がない状況や、Heckerlingスコアのように胸部レントゲンで浸潤影を認めた場合を肺炎と定義しているものもありますが、どの程度か把握しておきたいと思います。
3-1. 胸部CT との比較
救急外来における肺陰影検出における胸部X線の評価(胸部CTと比較)
米国の多施設の救急外来における3423名のコホート研究
呼吸困難、胸痛、咳嗽が最も多い症状であり、対象者のうち96.1%が呼吸困難、胸痛、咳嗽の少なくとも1つの症状を訴えていた。
放射線科医による読影で浸潤影、肺炎像、気管支肺炎像等の肺陰影の報告の有無に関して、CTを基準として比較した。
肺陰影検出における胸部X線検査の特性は、感度43.5%(95% CI, 36.4%~50.8%)、特異度93.0%(95% CI, 92.1%~93.9%)、陽性的中率26.9%(95% CI, 22.1%~32.2%)、陰性的中率96.5%(95% CI, 95.8%~97.1%)であった。
(出典)Am J Emerg Med. 2013 Feb;31(2):401-5. doi: 10.1016/j.ajem.2012.08.041. Epub 2012 Oct 18.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
施設等によるとは思いますが、肺炎を疑って/入院や今後のフォロー目的で必要な検査として、胸部レントゲンと胸部CTを同時にオーダーした際の両者の所見の有無の解離(胸部レントゲンでは陰影を認めないものの、胸部CTでは陰影を認めるケース)が半分程度かな 、という参考になります。
個人的には、胸部Xpの感度が予想よりも若干低く感じました。もう少し胸部レントゲンの感度は高いような気もしましたが、半分弱だというような報告でした。
胸部レントゲンで陰影がないからと言って、胸部CTを全例で撮って陰影を何が何でも捕まえるわけでもないですし、他の病歴や所見との合わせ技で判断して、肺炎と判断して治療を行ってもよいと思います。
3-2. 超音波検査 との比較
続いて、胸部Xpと比べて感度が高い、簡便と話題の超音波検査(肺エコー) とも比較してみたいと思います。
成人市中肺炎の診断おける肺エコーと胸部Xpの比較
観察研究を含むメタ解析、システマティックレビュー
CTを基準として用いた研究8件も含む。
超音波検査(肺エコー)は感度 90.0%(95% CI, 81.3 - 96.2%)、特異度 90.8%(95% CI, 79.9 – 97.7%)、陽性尤度比 9.45(95% CI, 3.73 – 23.94)、陰性尤度比 0.12(95% CI, 0.06 – 0.24)、診断オッズ比 79.74 であった。
胸部単純X線検査は感度 72.6%(95% CI, 61.7 – 82.4%)、特異度 82.0%(95% CI, 65.5 – 93.9%)、陽性尤度比 3.98(95% CI, 1.87-8.49)、陰性尤度比 0.36(95% CI, 0.23 – 0.54)、診断オッズ比 11.17 であった。
(出典)Respir Med Res. 2025 Nov:88:101200. doi: 10.1016/j.resmer.2025.101200. Epub 2025 Aug 24.
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
やっぱり、胸部レントゲンより肺エコー の方が、感度 はもちろんのこと、診断特性は高そうですね。これを見ると、診断のときにはエコーだけでもよいかもしれません。しかし、その後のフォローのしやすさ、所見の客観的な比較のしやすさを考えると、レントゲンもなくすことは難しいんじゃないかなと感じます。
在宅医療や救急外来等でのエコーの活躍には期待したいと感じる結果でした。聴診器のようにエコーを使うというような話も来たことがあるので、XpやCTとは異なるメリットという意味でもエコーこそ、聴診器のかわり によいかもしれません。
4. まとめ
いろいろと肺炎の診断の補助になる臨床予測ルールや、身体所見・聴診、胸部レントゲンや肺エコーと深掘りさせて頂きました。
結局、肺炎の診断は胸部レントゲンぐらいまでだと「これ」という所見等がないと感じたかもしれません。
肺炎の診断は問診、診察所見、血液検査所見、胸部X線所見より総合的に判断する。問診と診察所見から肺炎を疑った場合は、血液検査、胸部X線検査を行い、診断を確定する。
(出典)成人肺炎診療ガイドライン2024, 日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2024作成委員会(編).
ガイドラインでもこのように書かれています。結局は合わせ技 でしょう。合わせ技といっても、高齢、呼吸数増加や発熱といったバイタル異常、ラ音といった聴診所見のような想起しやすいものだけでなく、「鼻症状なし ・咽頭痛なし 」 、「3日以上 続く発熱」 、「ヤギ音 は陽性尤度比が高い」 というような項目についてももっと意識するきっかけになりました。
また、ガイドラインは次のように書かれています。肺炎と診断したら、ぜひ次(治療)にもつなげていきたいものです。
肺炎の診療においては原因菌の推定、同定がきわめて重要であり、喀痰が得られる場合には喀痰のグラム染色・培養検査を行い、必要な場合には血液培養2セットも提出する。また、迅速診断法として尿中抗原検査(肺炎球菌、レジオネラ・ニューモフィラ)、喀痰抗原検査(肺炎球菌)、咽頭ぬぐい液抗原検査(肺炎マイコプラズマ)も有用である。
(出典)成人肺炎診療ガイドライン2024, 日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2024作成委員会(編).
過去に肺炎の際にどの程度、血液培養が陽性にあるのかということも深掘りしたことがありました。決して高くないので、必要に応じてで良いと思いますが、興味がある方はよろしければ、ご覧ください。
mk-med.hatenablog.com
また、「これは"風邪"だ」といって肺炎を見逃さないというような視点から、役に立ちそうなヒントがある診断のための臨床予測ルールであったとも思います。肺炎に限らず、「風邪だね」と言ってしまいそうな疾患があります。何気なく使いがちな「風邪」って何なんでしょうか。風邪のようにみえて見逃してはいけない疾患 とその手掛かりは難でしょうか。気になる方は下記の本でもチェックしてみてください。
『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 感染症診療12の戦略 第2版』 岸田 直樹 (著)
リンク
また、途中のGennisルール(1-3)で触れたバイタルサイン についてでず。バイタルサインに関しては 入江先生、宮城先生のバイタルサインの本で学びました。バイタルサインの奥深さ に興味がある方はよろしければどうぞ。
『バイタルサインからの臨床診断 改訂版〜豊富な症例演習で、病態を見抜く力がつく!』, 入江聰五郎 (著), 宮城征四郎 (監修)
リンク
本日もお読みくださいましてありがとうございました。
【関連記事】
臨床予測ルールに興味がある方はよろしければ、こちらをご覧ください。
mk-med.hatenablog.com
mk-med.hatenablog.com