"Med-Hobbyist" 医学の趣味人 アウトプット日記

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頭部外傷 成人編|①カナダ頭部CTルール(Canadian CT Head Rule)の深掘り&ニューオリンズ基準との比較

頭部外傷 (成人編)

  • カナダ頭部CTルール(Canadian CT Head Rule)の深掘り
  • ニューオリンズ基準との比較

 

<目次>

 

 

 頭部外傷について外傷の専門家でもないけど、専門外だからこそ(?)、気になる臨床予測ルールを深掘りしてみようという内容です。今回は、頭部CT検査適応の判断にも用いるカナダ頭部CTルール(Canadian CT Head Rule)を好奇心で深掘りしてみようと思います。

(注)さっそく臨床予測ルールを読みたいという方は第2章からお読みください。

 

 

1. 頭部外傷!?

 外傷を専門に扱っていない病院でも「少し頭をぶつけたぐらいなので診てほしい」というようなことで、診察・救急車の応需をお願いされることもあると思います。

 専門外でも診てあげたい反面、悩むことがあると思います。昨今の医療訴訟と司法の判断(例: 外傷性健忘)、断らない救急「断れない救急」、脳外科等や病棟のバックアップ体制、画像検査へのアクセシビリティ、病院の立地(例: 地方で唯一の病院)、転院搬送のリスクなど、考えることもたくさんあるでしょう。

 

 頭部外傷鑑別として、硬膜下血腫硬膜外血腫外傷性くも膜下出血、さらには頭以外の頸椎損傷をはじめとする疾患があります。「少し頭をぶつけた」だけと言われても、その可能性があります。

 また、そもそも頭部外傷は他の病気結果ということもあるでしょう。例えば、心筋梗塞や大動脈解離等の心血管系が原因のような場合もあります。無痛性大動脈解離の患者で失神が多かったという話も以前のブログで書いたことがあります。目撃者こそいれば有難いですが、頭部を派手にぶつけたことの記憶がないだけなのかもしれません。

 

 今回は、とりあえず頭部外傷という部分に目を向けて、「少し頭をぶつけた」というような軽傷minor injuryのときに、バックアップ体制のないぐらいの病院でも役立ちそうな内容を考えてみました。そこで頭部CTの撮影をするかを判断する際の臨床予測ルールをふと思い浮かびました。成人向けのカナダ頭部CTルール、小児向けのPECARNなどがあります。そのうち、今回はカナダ頭部CTルールを中心に深掘りしてみたいと思います。

 

 

 

2. カナダ頭部CTルール

 今回のメインテーマです。軽症頭部外傷の際に頭部CTの適応の判断の臨床予測ルールのひとつであるカナダ頭部CTルールCanadian CT Head Ruleの話をしたいと思います。

 

2-1. 概要深掘り

 まずは、カナダ頭部CTルールについて全体像を把握しつつ、深掘りしてみたいと思います。臨床予測ルールを見かけた際には診断特性はもちろんのこと、研究への組入れ条件除外項目、患者の特徴状況などが気になります。

 

カナダの総合病院10施設の救急外来における前向きコホート研究

カナダ頭部CTルール(Canadian CT Head Rule)
  • 1996年から1999年における軽症頭部外傷患者でGCSスコア13~15点、受傷から24時間以内であった3,121名。
  • 以下の患者を除外した: 16歳未満、軽微の頭部外傷(意識消失なし、健忘なし、または見当識障害なし)、明らかな外傷歴が不明(例: 痙攣または失神)、明らかな頭蓋骨の穿通性損傷または陥没骨折、急性の局所神経学的所見の異常、major injuryによるバイタルサイン不安定、受診前の痙攣、止血障害または経口抗凝固薬の使用、頭部外傷の再評価による再来院、妊婦。

 

患者3,121名の特徴

  • 年齢: 平均38.7歳(範囲: 16~99歳)
  • 救急車で受診の割合: 73%
  • 受診時のGCSスコア: 15点 2,489名(80%)、14点 522名(17%)、13点 110名(4%)
  • 受傷機転: 転落 963名(31%)、自動車事故805名(26%)、暴行 334名(11%)、スポーツ 307名(10%)、バイク 207名(7%)、歩行者の交通事故 187名(6%)、頭部打撲 105名(4%)、その他 31名(1%)

① 受傷2時間後 GCSスコア<15、② 解放骨折または陥没骨折疑い、③ 頭蓋底骨折を疑う徴候、④ 嘔吐2回以上、⑤ 年齢 65歳以上、⑥ 受傷時から30分以上前まで遡る逆行性健忘、⑦ 危険な受傷機転のうち、いずれかひとつでも認めた場合に頭部CTを撮影したとすると、感度は98.4%(95% CI, 96-99%)、特異度は49.6%であった。また、頭部CT検査のうち、検査が必要であった場合は54%であった。

(出典)Lancet. 2001 May 5;357(9266):1391-6. doi: 10.1016/s0140-6736(00)04561-x.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 この臨床予測ルールが提唱された研究での患者像状況はある程度把握できたでしょうか。平均年齢が思ったより若くて38.7歳というような驚きがあったかもしれません。また、受傷機転の内訳など、自身の環境での事前確率の差異を考えるヒントになると思います。

 そして、患者3,121名の組入基準除外基準が気になりました。組入基準を見ていると、Glasgow Coma Scale(GCS)スコア15点から13点まで組入れされています。除外基準として意識障害見当識障害がない場合や健忘がない場合も挙げられています。

 また、「少し頭をぶつけただけ」という場合には、軽症(minor injury)ではなく、軽微な頭部外傷(minimal injury)に分類されることがあることも容易に想像できます。抗凝固薬の服薬など、除外項目にひっかかる患者さんも多いといった印象です。この研究の前提となるような状況と患者背景や状況も異なれば、事前確率も異なります。自身の環境にどこまで当てはめられるか、という難しいものを感じました。

 

 さらに、カナダ頭部CTルール(Canadian CT Head Rule)も、チェック項目①~⑤高リスク項目(受傷2時間後 GCSスコア<15、解放骨折または陥没骨折疑い、頭蓋底骨折を疑う徴候、嘔吐2回以上、年齢 65歳以上)、⑥と⑦中リスク項目(受傷時から30分以上前まで遡る逆行性健忘、危険な受傷機転)と分けられていいます。高リスク項目の場合は神経学的介入の感度が100%というような別の指標も出されています。今回は、何らかの脳の障害のある症例を、頭部CTひっかけることを部分に注目して、その部分を中心に扱いました。

 実際に外傷性脳損傷があった群と外傷性脳損傷のなかった群の比較や、研究対象患者の詳しい特徴なども含めて、気になる方は論文も是非見て深めてみてください。

 

 

 

2-2. 頭部CT減らせるか!?

 カナダ頭部CTルールを使うことで、頭部CT検査を減らすことができるのでしょうか。不要な検査はない方がよいでしょう。

 

後ろ向きクラスターランダム化比較試験

  • カナダにおいて救急外来(12施設)を受診した軽症頭部外傷4531例
  • カナダ頭部CTルールの使用を必須とした病院(介入群)と非介入群(対照群)における頭部CTをうけた患者の割合を、受診時(”before”)と12カ月後まで(”after”)で比較

 介入群における頭部CTを受けた患者の割合は、受診時に62.8%であったものが12カ月後までに76.2%へ増加した(差異+13.3%, 95% CI 9.7-17.0%)。対照群における頭部CTを受けた患者の割合は、受診時に67.5%であったものが12カ月後までに74.1%へ増加した(差異+6.7%, 95% CI 2.6-10.8%)。受診時と12カ月までの頭部CT撮影率の変化は、介入群と対照群で有意差はなかった(p = 0.16)。

 カナダ頭部CTルールは、軽症頭部外傷患者の臨床的に重要な脳損傷を同定する感度が高いことは本研究からも確認できた(感度100%, 95% CI 96-100%)。 しかし、この臨床予測ルールが救急外来での頭部CT検査の減少につながることは示されなかった。

(出典)CMAJ. 2010 Oct 5;182(14):1527-32. doi: 10.1503/cmaj.091974. Epub 2010 Aug 23.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 無作為割り付けまでされているという点が特に良いと思った研究です。有意差こそありませんが、カナダ頭部CTルールによって「最初は頭部CTを減らせたように見えても、最終的には減らせない」ということでしょうか。これは誤差のようなものだと思いますが、最終的(12カ月後まで)には、カナダ頭部CTルールの使用を必須にしていない群(対照群)の方が、撮影率がほんの少し低い(74.7%)というのは少し意外でした。有意差はないにしても、カナダ頭部CTルールで介入した群の方がトータルで撮影率の低下傾向っぽい数字かと思っていましたが、この研究のときはそうでもなかったようです。

 

 それにしても、結局は軽症頭部外傷の症例の4分の3程度頭部CTを撮影しているということも分かります。カナダ頭部CTルールの感度が高いことはありがたいですが、万能でもなさそうです。

 

 他の研究もチェックしてみたいと思います。

 

カナダ頭部CTルールによる介入前の患者233名(介入前群)、介入後の患者241名(介入後群)の両群における比較研究(後ろ向き)

  • 頭部CT検査は、介入前群では134件(57.0%)、介入後群では90件(37.3%)であり(p<0.01)、頭部CT検査の総数は20%減少した。
  • 診断率は、介入前群では3.7%であり、介入後群では5.6%であり、有意差はなかった(p = 0.52)。
  • 内科的管理では両群で差は認められず、いずれの群でも神経外科的介入を受けた患者はいなかった。

(出典)BMC Geriatr. 2022 Jul 21;22(1):607. doi: 10.1186/s12877-022-03284-0.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 この研究をみると、カナダ頭部CTルールを用いることで頭部CT検査20%減らせるというのは驚きです。しかし、両群を無作為割り付けされていない後ろ向き研究です。カナダ頭部CTルールを適応する症例ほど、そこに至るまでに簡単に判断できた症例ではなく、ふるいに掛けられているような注意点を感じます。

 頭部CTによる診断率も有意差こそありませんが、カナダ頭部CTルールの適応までいった症例だからこそ、頭部CTでやっと診断がつくものが多そうな気もします。また、結果も特に有意差はないようで、これこそ内科的管理のようなアウトカムには特に有意差がなく、「頭部CTを避けたい」というモチベーションが小児ほどには湧きにくい際には、ちょっと考えさせられる結果とも感じるかもしれません。

 カナダ頭部CTルールの項目に「危険な受傷機転」という項目がありますが、この出典では「1mもしくは階段5段以上の転落」となっていて、もともとの「3フィート(約0.91m)もしくは階段5段以上の転落」とは少し異なる点もあります。このような差異や、介入前群と介入後群の詳細・「BHH CT Brain in Trauma Pathway」(診療手順)のようなものも、よろしければ出典を参照してみてください。

 

 上記の2つの論文などをチェックしてみて、受診時には頭部CTを減らせる可能性がそれなりにありそうですが、その後も含めたトータルでは減らせないかもしれないというぐらいかなと思いました。仮に、頭部CTのトータルでの撮影回数が減らなくても、箸にも棒にも掛からない症例の頭部CTの撮影が減り、必要な症例での撮影が増えるだけでも有意義だと思います。また、最終的には撮影するとしても、夜に技師さんを起こしてまで撮影するような場面を翌朝の撮影にできるだけでも嬉しいでしょう。

 

 

 

2-3. 75歳以上ではダメ!?

 カナダ頭部CTルールの5つ目の大リスク項目に「65歳以上」というチェック項目があります。正直なところ、病院にいると65歳は若く、年齢で頭部CTの検査適応の判断とする閾値になりにくいと感じることが何度もあります。そこで、このチェック項目における年齢を上げるようなことをしたらどうなるかという視点で調べてみました。

 

レベル1の外傷センター救急外来を受診した後ろ向きコホート研究

  • 臨床的に重要な脳損傷があった症例104例
  • カナダ頭部CTルールにおける頭部CT適応基準「65歳以上」を変更した場合の感度、特異度

 感度および特異度(95% CI)は、70歳以上の場合では100%(89.1~100)および4.2%(0.9~11.7)、75歳以上の場合では100%(89.1~100)および13.9%(6.9~24.1)、80歳以上の場合では90.6%(75.0~98.0)および23.6%(14.4~35.1)であった。

 年齢基準を75歳以上にすると、65~74歳では最大で頭部CT撮影が25%(n=10/41)減らせた。

(出典)Emerg Med J. 2019 Oct;36(10):617-619. doi: 10.1136/emermed-2018-208153. Epub 2019 Jul 20.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 このような"修正版"カナダ頭部CTルールを提案するような動きもあるようです。もちろん、この研究では前向き研究を期待するという締めくくりになっています。

 確かに、昨今の高齢化には目を見張るものがあり、カナダ頭部CTルールの登場した2000年代初頭と比べれば、この研究段階でも少なくとも10年以上は時が経過しています。あくまで比喩ですが、「2000年頃の65歳は2020年頃の75歳」とでも考えられそうです。それを臨床予測ルールにも反映させていこうということでしょうか。

 確かに、臨床予測ルールをそのまま適応するのではなく、リスクがなさそうなら75歳ぐらいでもいいかもしれないというように、グラデーションをかけながら自身の環境の個々の症例に当てはめていくことになるでしょう。

 

 

 

 

 

3. ニューオリンズ基準との比較

 今回のメインテーマはカナダ頭部CTルールですが、他にもニューオリンズ基準(New Orleans Criteria)という軽症頭部外傷時の頭部CT適応の判断の補助になる臨床予測ルールもあります。

 

3-1. ニューオリンズ基準とは

 ニューオリンズ基準について比較用に簡単にチェックしてみます。

 

ニューオリンズ基準(New Orleans Criteria)

(出典)N Engl J Med. 2000 Jul 13;343(2):100-5. doi: 10.1056/NEJM200007133430204.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 ニューオリンズ基準は上記の7項目(短期記憶の障害、アルコールまたは薬物による中毒状態、鎖骨より頭側の視認可能な外傷、年齢: 60歳超え、痙攣、頭痛、嘔吐)のいずれかを満たす場合に、頭部CTを推奨するものです。カナダ頭部CTルールと似ているような項目もありますが、特に注意すべき点はGCSスコアが15点の人のみを対象としている点でしょう。この方が「少し頭をぶつけた」だけという状況に近いかもしれません。

 個人的にはアルコール(飲酒)がチェック項目にあることで、泥酔具合にもよりますが「飲酒後転倒」というよくありがちな症例で頭部CT適応になりうるようです。ちょっと、繁華街に近い病院ではふるいに掛ける目的では使いにくいかもしれません。

 症例数が500名程度と少ないことが、感度100%という数字をたたき出した一因かもしれません。そういう視点でも95%信頼区間を記載しておきましたが、いずれにしても感度は高いと言えます。出典では患者情報だけでなく、上記の7項目①から順に適応した場合の感度や特異度の変化も追うことができます。詳しくは出典をご覧ください。

 

 

 

3-2. 感度・特異度・オッズ比比較

 それでは、カナダ頭部CTルール(CCHR)ニューオリンズ基準(NOCの比較をしてみたいと思います。やはり、先ほどの比較でGCSスコアの差異が気になりました。GCSスコア15点のみで比較できるものを探してみました。

 

軽症頭部外傷かつGCSスコア15点の成人1822名の前向きコホート研究

・脳外科的介入の必要性の予測に関して、カナダ頭部CTルールとニューオリンズ基準の感度はともに100%であったが、カナダ頭部CTルールの方が特異的であった(76.3% vs 12.1%, P<.001)。

・臨床的に重要な脳損傷について、カナダ頭部CTルールとニューオリンズ基準の感度は棟じであったが(100% vs 100%;95%信頼区間[CI]、96%~100%)、カナダ頭部CTルールの方が特異的であり(50.6% vs 12.7%、P<.001)、頭部CT検査率は低くなった(52.1% vs 88.0%, P<.001)。

(出典)JAMA. 2005 Sep 28;294(12):1511-8. doi: 10.1001/jama.294.12.1511.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 上記の比較からすると、ニューオリンズ基準とカナダ頭部CTルールの感度は同程度なものの、カナダ頭部CTルールの方が特異度が高く、ムダな頭部CTを撮る必要性が少ない可能性があるということでしょうか。ただし、先ほどの「2-2. 頭部CTは減らせるか」のことを踏まえると、医師のスキルとカナダ頭部CTルールが同程度の頭部CT検査率であり、ニューオリンズ基準に従うと、一般的な医師のスキルで判断した場合よりも頭部CT検査は多くなりうる可能性も感じました。

 また、いずれもGCS 15点のみの比較のため、どちらかというと「少し頭をぶつけた」という状況に近いことが多いと思います。過去の訴訟判例のように、外傷性健忘とか言われ始めたらGCSをちゃんと取れたのか、一見よさそうでも不安のような脳裏をよぎるものがあります。そういう視点でもニューオリンズ基準程度で頭部CT検査をしておけば、安心しやすいということなのでしょうか。

 

 他にもメタ分析のものもチェックしてみます。

 

メタ分析による14研究(21140例)の解析

カナダ頭部CTルール

  • 頭部CT所見が陽性となる感度は89.8% (95% CI: 79.6 to 95.2)、特異度は38.3% (95% CI: 34.0 to 42.8)であり、オッズ比は5.5 (95% CI: 2.3 to 13.1)であった。
  • 臨床的に重要な外傷性脳損傷である感度は92.5% (95% CI: 79.5 to 97.5)、特異度は40.1% (95% CI: 34.8 to 45.6)であり、オッズ比は8.3 (95% CI: 2.4 to 29.2)であった。

ニューオリンズ基準

  • 頭部CT所見が陽性となる感度は97.2% (95% CI: 89.7 to 99.2)、特異度は12.3% (95% CI: 7.4 to 19.8)であり、オッズ比は4.8 (95% CI: 1.2 to 18.3)であった。
  • 臨床的に重要な外傷性脳損傷である感度は98.3% (95% CI: 93.8 to 99.6)、8.5% (95% CI: 4.8 to 14.5)であり、5.4 (95% CI: 1.5 to 20.0)であった。

 カナダ頭部CTルールとニューオリンズ基準ともに、頭部CT所見陽性や臨床的に重要な外傷性脳損傷の有無を予測する良好なスコアであることが示された。両スコアとも特性が似ていることから、これらの臨床予測スコアを互換的に利用することができる。

(出典)Arch Acad Emerg Med. 2020 Sep 8;8(1):e79. eCollection 2020.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 個人的にはこの結果を見ると、GCSスコアの範囲(組み入れ条件)もそれぞれのもともとの臨床予測ルールに従った場合、「カナダ頭部CTルールの方がやや感度は低め、特異度は高め」、「ニューオリンズ基準の方が感度はやや高め、特異度は低め」といった印象を受けますが、あくまでも印象程度でしょうか。先程の研究(GCS15点のみ)と比較して、カナダ頭部CTルールの感度は低くなっています。

 いずれにしても、両方臨床予測ルールを知っておくことで、組み入れ条件や除外項目も意識しつつ、両方とも自身の状況に適応しながら使うことができるというのがメリットでしょうか。

 

 

 

 

4.最後に

 今回は頭部CTを撮るべきか悩むような状況についての個人的な好奇心任せでの深掘りでした。念のため、JATECでは、次のように書かれています。

 

軽症(GCS合計点14, 15点)では,帰宅までに,あるいは入院中に一度は頭部CT検査を行うようにする。特に軽症であっても表*に記載した危険因子が存在すれば,頭部CT検査を実施する。

*表の内容: 頭痛、嘔吐、60歳以上の年齢、薬物またはアルコール中毒前向性健忘の持続(短期間の記憶の欠損)、鎖骨より上の明らかな外傷、痙攣

(出典)改訂第6版 外傷初期診療ガイドライン JATEC (2021), 137-139, へるす出版.

 

 ここで挙げられている危険因子は「60歳以上」か、「60歳超え」かというような小さな違いこそありますが、ニューオリンズ基準実質的に同じです。もちろん、JATECでは、「切迫するD」(このときのGCSは8点未満もしくは2点以上の低下)、中等症(GCS 8~13点)といったGCSスコア悪いときにもA・B・Cが安定していれば、必ず頭部CTを行うことを推奨していることも忘れてはならないでしょう。

 頭部CT検査のタイミング等についても書かれています。昔いた病院でJATECのプロトコールによるPrimary surveyからのSecondary surveyなど懐かしいものがありますが、やはり、軽症(minor injury)とも言い難い軽微な場合(minimal injury)にどうするかが判断としての悩みどころでしょう。

 

 カナダ頭部CTルールはいかがでしたでしょうか。案外、組入基準除外項目があったと感じ、「少し頭をぶつけた」という症例にそのまま使えないかもしれないと感じたかもしれません。また、ニューオリンズ基準と比較も含めて、自身の状況適応しながら補助的参考として少しでも使えそうなところがあれば、幸いです。

 いずれにしても、どちらのどの項目も頭部CTを想起する際のきっかけにはなるかもしれません。年齢に関しては65歳以上にしても、60歳超えにしても、昨今の高齢化では素直に当てはめてよいものかは考える必要もあると思います。

 

 よろしければ、外傷診療についてJATECをはじめとしたガイドライン二次文献等も確認してみてください。アップデートするきっかけにもなれば幸いです。アップデートすることは訴訟回避のような直接的な自分自身のメリットだけでなく、患者さんのためや、病院で訴訟のリスクの低い医者として雇用主の期待に沿えることにもなると考えています。開業であれば、診察において雇用主のようなメリットも享受できます。その分のリターンがあればさらに良いですが、あくまで雇われの身としても市場価値は意識しておいてもいいと思うことがあります。

 

 今回は頭部外傷成人編でした。好奇心のまま長くなってしまい、申し訳ございませんでした。機会があれば、次は小児編としてPECARNのような臨床予測ルールについても深掘りしてみたいと思います。

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

 

 

急性単関節炎|②痛風・敗血症性関節炎の鑑別 危険因子・予測ルールなど

急性単関節炎②

痛風敗血症性関節炎鑑別の深掘り~

 

<目次>

 

 前回は急性単関節炎の鑑別疾患やその頻度について調べました。今回は、急性単関節炎の原因の中でも頻度が多い痛風と、頻度もそれなりに多くて内科エマージェンシーでもある敗血症性関節炎(感染性関節炎/化膿性関節炎)の鑑別を中心に、定量した指標を交えつつ、好奇心で深掘りしていきたいと思います。

 

 

1. 危険因子(リスクファクター)

 まずは、痛風らしさや、敗血症性関節炎らしさでもある指標として、リスクファクター(危険因子)や臨床所見等の相対リスクや尤度比をチェックしてみたいと思います。

 

痛風と敗血症性関節炎の危険因子

痛風と敗血症性関節炎の危険因子
  • 敗血症性関節炎のいくつかの危険因子は急性単関節炎の初期臨床評価の一部であるべきである。

(出典)CMAJ. 2009 Jan 6;180(1):59-65. doi: 10.1503/cmaj.080183.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 痛風相対リスク(Relative Risk; RR)、敗血症性関節炎尤度比(Likelihood Ratio; LR)ともにいかがでしょうか。予想に近いものでしたか。

 

 痛風は、患者背景として男性(RR = 7.6)、併存疾患として糖尿病(RR = 1.1)、高血圧(RR = 3.9)、肥満(RR = 3.8)、心血管疾患(RR = 1.8)、慢性腎臓病(RR = 5.0)、食事や薬として利尿薬(RR = 1.8)、プリン体の多い食事>肉(RR = 1.4)、プリン体の多い食事>魚介類(RR = 1.5)、アルコール(10g/日増加あたり)(RR = 1.2)が痛風の危険因子ということで「痛風らしさ」という結果でした。

 高血圧や心血管疾患までリスクファクターとして関連するというのは驚きました。どちらかというと痛風のイメージはお酒や酒のつまみにおいしそうなものを食べている中年男性というイメージでした。人種による多少の差異はあるかもしれませんが、そのイメージの中でも男性という相対リスク高さ(RR = 7.6)には目を見張るものを感じました。一方で、プリン体の多い食事の相対リスクはそこまで高くないという印象です。ウニ・イクラ丼のようなおいしそうなものは痛風まっしぐらだと思ったのですが(笑)。一方で、アルコールの相対リスクはアルコール10g増加ごとなので、350mLのビールで14g(度数5%で計算)ということで、何本も飲む人はそれなりの相対リスクになるので、納得の数値でした。

 

 敗血症性関節炎は、患者背景として年齢80歳超え(LR = 3.5)、併存疾患として糖尿病(LR = 2.7)、関節リウマチ(LR = 2.5)、最近の関節手術(LR = 6.9)、人工股関節または人工膝関節(LR = 3.1)、皮膚感染症(LR = 2.8)、皮膚感染症を伴う人工関節(LR = 15.0)が敗血症性関節炎の危険因子ということで「敗血症性関節炎らしさ」という結果でした。

 関節リウマチ、最近の関節手術人工関節皮膚感染症あたりはきっかけや感染源としても納得の感じでした。皮膚感染症からの黄色ブドウ球菌というのもつながります。

 糖尿病は易感染性を考えれば、リスクファクターとして納得でもある一方、痛風の相対リスクでもあるという重なりを意識することにもなりました。年齢も痛風でこそ中年も好発でしょうが、高齢者でも痛風でもRR>1の可能性もあるかもしれません。項目ごとに独立していないことも考えたりしないといけませんが、参考になるのではないでしょうか。

 痛風の尿酸ナトリウム結晶(尿酸結晶)についての尤度比をはじめ気になるものもあるので、痛風の相対リスクの参考文献を孫引きしてみたいと思います。

 

 

 

2. 痛風らしさの深掘り

 先ほどの引用元を孫引きして、痛風らしさを深掘りしていきたいと思います。

 

診断に向けた診断特性(エビデンス):感度、特異度、尤度比

痛風における検査・所見の診断特性(エビデンス
  • 尿酸塩結晶の同定は症状や観察者の技量によって異なるが、症候性痛風では陽性となる可能性が非常に高い(LR=567(95%信頼区間(CI), 35.5~9053)。
  • 古典的な足部痛風(podagra)と痛風結節(tophi)は、痛風の臨床的診断価値が最も高い(それぞれLR = 30.64(95% CI, 20.51~45.77), LR = 39.95(95% CI, 21.06~75.79)) 。

(出典)Ann Rheum Dis. 2006 Oct;65(10):1301-11. doi: 10.1136/ard.2006.055251.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 まずは尿酸ナトリウム結晶痛風結晶)の存在が圧倒的で、急性痛風に対する尤度比566.6という驚異的な数字を出しています。そして、発赤,圧痛および腫脹を伴う第1中足趾節関節の急性疼痛である足部痛風(podagra)痛風結節(tophi)は尤度比が30以上ということでそれなりに高いという印象でした。もちろん、敗血症性関節炎(化膿性関節炎)と鑑別したくなる時には、部位的にも足部痛風痛風結節が役に立ちにくそうとなると、最後は関節液を引いて尿酸結晶を見つけるというところでしょうか。

 意外に感じる部分があったのが、血清尿酸値(高尿酸血症です。血清尿酸値(SUA)が高いと痛風の原因になると言われるとおり、男性でSUA > 6 mg/dL、女性で SUA > 7 mg/dLでも尤度比が7.61です。特異度は0.92とそれなりに高いですが、感度に至っては0.57と低くなっています。高尿酸血症(<mean+2SD)になって、感度0.92、特異度0.91ですが、今度は尤度比9.61と上がり切っていないような印象を受けました。

 画像診断においては、非対称性の腫脹がLR=4.13と意外と高いと感じました。化膿性関節炎でも、偽痛風でもなりうる結果に感じるからです。だからこそ、感度0.42、特異度0.90なのでしょうか。皮質下嚢胞(びらんなし)はLR=6.39で、それぐらいなのかといった感じでした。

 事前の予想やイメージと比較して、皆様はいかがでしたでしょうか。

 

 

 

3. 結晶性なら敗血症性関節炎否定的!?

 前章で、尿酸ナトリウム結晶痛風結晶)の尤度比が566.6でした。おそらく、たいていの場合は痛風という診断を下すことになると思います。痛風という診断は良いのですが、結晶性関節炎であると診断がつけば、敗血症性関節炎(化膿性関節炎、細菌性関節炎)併発している可能性はないのでしょうか。具体的に調べてみたいと思います。

 

 

Does the presence of crystal arthritis rule out septic arthritis?

  • 結晶を含む関節液(n=265)のうち、n=183(69.0%)に痛風結晶を、n=81(30.6%)に偽痛風結晶を、n=1(0.4%)に両方を認めた。
  • 関節液(n=265)のうち、n=4(1.5%, 95% CI; 0.0-3.0%)で関節液培養陽性であった。
  • 尿酸ナトリウム結晶(痛風結晶)を認めたもの(n=183)のうち、n=1(0.5%)で関節液培養が陽性であった。

(出典)J Emerg Med. 2007 Jan;32(1):23-6. doi: 10.1016/j.jemermed.2006.07.019.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 タイトルからもぴったりな内容が見つかりました。結晶性関節炎(n=265)のうち、1.5%(n=4)で敗血症性関節炎(細菌性関節炎)が併存していたという結果です。決して多い訳ではないですが、敗血症性関節炎見逃すと怖い疾患なので注意でしょう。

 単施設での後ろ向き研究で条件等による差異は考えられます。また、やや偽痛風に多い傾向かもしれませんが、敗血症性関節炎との併存症例の数が多い訳ではなく、ある程度の目安の指標といった感じでしょうか。

 いずれにしても、関節液から痛風や偽痛風を含む結晶性関節炎であると分かっても敗血症性関節炎疑われるときには、関節液グラム染色・培養敗血症性関節炎に対する治療もお忘れなくという戒めになると思います。診断バイアスの1つである診断の早期閉鎖への戒めとなる論文でした。

 患者背景や検査結果、痛風・偽痛風の差異など、気になる方はチェックしてみてください。関節液採取(関節穿刺)で分かる情報でした。

 

 

 

4. 臨床予測ルール

 前述の章では、関節液が採取できる際の戒めでした。次に関節液の採取が現実的ではない、もしくは難しい環境で関節穿刺をしない場合での痛風と敗血症性関節炎の鑑別について調べてみたいと思います。

 

4-1. 痛風 臨床予測ルール(診断スコア)

 ご存じの方も多いと思いますが、痛風臨床予測スコア(診断ルール)を紹介します。開業医のようなプライマリケアをはじめ、関節液採取が現実的ではない環境もあります。そのような関節液検査をしない(関節穿刺をしない)際に痛風の診断精度を高める目的で作られたスコアです。

 

 

痛風 臨床予測スコア(診断ルール)
  • 敗血症性関節炎が疑われない限り、痛風の診断は、白血球数増加や発熱などの全身症状を伴う、関節の熱感、疼痛、発赤、圧痛、腫脹の急性発症に基づいて臨床的に行われる。
  • 関節液または痛風結節における尿酸ナトリウム結晶を偏光顕微鏡によって証明することは痛風の確定検査であるが、診断が不確かな場合(すなわち、急性痛風 臨床予測ルールで中リスク)または敗血症性関節が疑われる場合にのみ推奨される。
  • 敗血症性関節炎が疑われる場合は、血液培養と滑液分析(グラム染色と培養)を伴う関節穿刺を行うべきである。

(出典)Am Fam Physician. 2020 Nov 1;102(9):533-538.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 まずは診断の全体像を米国の家庭医療系の総説からです。関節液採取をしないときの「痛風の診断ルール」(次の文献)として誕生したものです。次の文献と少し表現が異なる部分(diagnostic rule → clinical prediction rule, joint redness → joint erythema)や血清尿酸値の閾値(5.88 mg/dL → 5.8 mg/dL)のような微妙な違いはありますが、検査値の有効値や実用性としては同じでしょう。

 改めて書くことで意識されるのですが、敗血症性関節炎(化膿性関節炎)が疑われる場合には関節液培養やグラム染色はもちろんのこと、血液培養忘れないようにしたいものです。また、この診断ルール背景には、関節穿刺の患者さんの負担やプライマリケア領域での検査の現実性のようなものがあると、背景にも意識のいく臨床予測ルール(診断ルール)であると感じました。

 

 さらに、この関節液採取を行わないときの痛風臨床予測ルール(診断ルール)の特徴について深掘りしておきたいと思います。

 

プライマリケアにおける関節液検査をしない状況における急性痛風の診断ルール

  • 臨床予測ルールの3つの点数域(8点以上、4.5〜7.5点、4点以下)における痛風の有病率(結晶あり)はそれぞれ、80.4%(245人中197人)、27.0%(63人中17人)、2.8%(72人中2人)であった。
  • この診断ルールのモデルのROC曲線のAUC(曲線下面積)は0.85(95% CI, 0.81-0.90)であった。

(出典)Arch Intern Med. 2010 Jul 12;170(13):1120-6.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 もともとは回帰係数でつくられたROC曲線のAUCが0.87(95% CI, 0.83-0.91)でしたが、統計的に最適なモデル(AUC = 0.87)とスコアリングによって分かりやすくしたもの(AUC = 0.85)がほぼ同じということで先述のようなスコアリングになっています。ROC曲線をあくまで視覚的に見ると、最初のグラフの立ち上がりこそスコアリングによって分かりやすくしたROC曲線のほうが劣りますが、かなり僅差なものになっています。ROC曲線や条件をはじめ、詳しくは出典をチェックしてみてください。

 

 

【補足】痛風以外原因(敗血症性関節炎など

 先ほどの痛風の臨床予測ルール(診断ルール)の続きです。この論文の評価項目(メイン)は臨床予測ルールの臨床項目をあぶり出して、スコアリングによる精度を求めることですが、付属的な部分にも目を向けてみたいと思います。

 家庭医が関節穿刺なし(関節液検査なし)に「痛風」であると臨床的に判断したものの振り分けをチェックしていきます。

 

家庭医を単関節炎の徴候または症状で受診した381例

家庭医が「痛風でない」と判断した症例(n=53)

  • うち、7例が痛風(結晶あり)、18例が原因不明、28例がその他の原因であった。
  • 28例のうち、1例が化膿性関節炎(細菌性関節炎)であった。

 

家庭医が「痛風である」と判断した症例(n=328)

  • うち、209例で痛風結晶が見つかり、119例で痛風結晶は見つからなかった。
  • 119例のうち、63例は原因不明、56例はその他の原因であった。56例のうち、2例が化膿性関節炎(細菌性関節炎)であった。

(出典)Arch Intern Med. 2010 Jul 12;170(13):1120-6.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 「痛風でない」と家庭医が判断した症例(n=53)のうち、1例(1.9%)が化膿性関節炎でした。一方、「痛風である」と判断した症例(n=328)のうち、2例(0.6%)でした。偶然の誤差なのかは分かりませんが、痛風でなさそうなときのほうが化膿性関節炎(敗血症性関節炎、細菌性関節炎)の可能性は高いかもしれません。いずれにしても、関節液採取ができないときも、やはり怖いものです。

 

 その他の原因には化膿性関節炎以外にも様々な原因があります。関節リウマチ乾癬性関節炎痛風溶連菌感染後反応性関節炎連鎖球菌感染後反応性関節炎炎症性腸疾患による関節炎、ライム病変形性関節症等が原因でした。事前確率(頻度)に関しては以前の記事で調べた救急外来とは異なる面もありました。詳しくは出典のfigure 1のところで数も含め、ご確認ください。

 また、急性単関節炎の鑑別については以前の記事も合わせてご確認ください。

 

 

4-2. 化膿性関節炎 予測アルゴリズム

 化膿性関節炎(bacterial arthritis)の診断ルール的なものを、痛風との比較も兼ねて探していました。すると化膿性関節炎である可能性を予測するためのアルゴリズム(診断チャートのようなもの)を見つけました。化膿性関節炎とそれ以外(non-bacterial arthritis)を分けるものです。

 

化膿性関節炎の臨床予測ルール

  • 単施設(国内大学病院分院)での後ろ向き研究にて関節穿刺を行った症例の患者背景、併存疾患、症状、バイタルサイン、血液検査を化膿性関節炎(bacterial arthritis)であった症例とそうでなかった症例で比較した。
  • 白血球数(p = 0.01)、好中球割合(p = 0.01)、BUN値(p < 0.01)、血糖値(p < 0.01)、HbA1c値 (p<0.01)、CRP値 (p < 0.001) は、化膿性関節炎患者の方が化膿性関節炎以外の患者よりも有意に高かった。
  • 逆に、アルブミン値(p = 0.04)は、化膿性関節炎患者では化膿性関節炎以外の患者よりも有意に低かった。
  • すべての予測項目候補にCHAID decision tree analysisを行ったところ、化膿性関節炎の予測アルゴリズムは次のようになった。

化膿性関節炎の予測アルゴリズム
  • 最初にCRP値 21.90 mg/dL を境界値とし分類し、次に血小板数27.7万/µLと30.7万/µLを境界値として分類し、最後に好中球割合 73.3%を境界値として分類した。
  • 化膿性関節炎の診断の可能性(有病率)が低リスク群は5%以下、中リスク群は5%超え20%以下、高リスク群は20%と定義した。

(出典)SAGE Open Med. 2023 Mar 22:11:20503121231160962. doi: 10.1177/20503121231160962. eCollection 2023.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 前述の敗血症性関節炎の尤度比のような項目以外にも予後を予測するために白血球数や腎機能などを評価したものもありますが、診断に向けたものは珍しいと感じました。この研究では化膿性関節炎それ以外における、患者背景併存疾患症状バイタルサイン血液検査結果における合計30項目以上の比較をして、有意差の有無を確かめ、その後にCHAIDという手法で予測アルゴリズムが考え出されています。

 私にはCHAIDという手法はよくわかりませんが、「可能性としてこういうものもある」というような参考になりました。決して、個々の検査結果の有意差があった項目が、決して単体では使いやすい項目ではなく、それを振り分けに使える形で分かりやすく努力した結果が上記のアルゴリズムということでしょう。

 アルゴリズムでの判別に用いているCRP血小板数好中球割合にも少し注意を払ってもいいかもしれないとは感じました。一方で、決して特異的な検査ではないのはもちろんのこと、他の臨床予測ルールと同じく信頼しきるには足りないとも感じました。また、痛風と異なり検査結果だけが有意(診断ルールに残る)という結果であったのは、少し残念でした。

 他の30以上ある項目の両者の比較や予測アルゴリズムROC曲線のAUCや診断特性(特異度、感度)を含め、気になる方はチェックしてみてください。

 

 

 

5. 最後に

 臨床予測スコア的な使い方はもちろんのこと、痛風と敗血症性関節炎をはじめとする鑑別について簡単に/はっきりと白黒つくものではないというのを改めて感じる次第です。

 あと個人的には、敗血症性関節炎(septic arthritis)や化膿性関節炎、細菌性関節炎(bacterial arthritis)の表現が、同じ文献の中でも、全般としても、使われ方が気になって引っ掛かる部分のあるものとなりました。また、好奇心でいろいろと散らかるように調べていたら、書くことが増えて記事2回に分割になり、お待たせしました。

 

 Common diseaseである痛風内科エマージェンシー敗血症性関節炎化膿性関節炎)を軸にしてpivot and clusterや鑑別カードのように鑑別疾患を想起して考えたり、急性単関節炎の鑑別等にも触れてみたりするようなきっかけとなれば幸いです。また、少しでも興味を持ったり、参考になったり、該当する教科書やUpToDate・DynaMedなどの二次文献などを調べるきっかけとなったりする部分があれば、幸いです。

 

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

 

mk-med.hatenablog.com

読書Log: 『知ってるつもり 無知の科学』|なぜ自分の知識を過大評価するのか?

読書ログ(<書籍紹介

知ってるつもり 無知の科学』

ティーブン・スローマン&フィリップ・ファーンバック(著)

 

<目次>

 

 明けましておめでとうございます。新年早々、地震に航空機炎上と大変ですが、過去の『News Diet』の読書ログの時の感想のように、私は私で自分に出来ることしての寄付等に加え、このブログも含め日常をしっかりと地道に回していきたいと改めて感じる次第です。

 今回は、新年のスタートに今年も気をつけていきたいという自分自身の戒めにもなり、メッセージ性もある本です。医療情報説明することのある身として合理的な説明だけでは通じないことを理解する上でも、学情報やデマに騙されている人に合理的に説明しても正しいことを理解してもらうことが難しいことを理解する上でも、参考になりました。その良かった本を読書ログとして紹介したいと思います。

 

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1.【こんな人おすすめ】

  • 何でも知っていると思っている人
  • 自分の無知・知らないことを認識できない人
  • 因果的説明をすれば他人を説得できると思っている人

 

 自分では何でも知っていると思っていても案外説明できないというようなことはありませんか。もっと極端な例を挙げれば、身近な例としては、社会や街、経済や貧困のことなど大して知っている訳でもないのに、「医療以外でも何でも健康につながっているから介入する」と言いたがるような医療者はいませんか。

 初心者によるダニング・クルーガー効果をはじめ、自分の範囲を明らかに超えて何でもできると錯覚している人に対して、なぜ自分自身の知識過大評価しがちなのかを説明してくれます。

 

 他にも、因果的説明をしても合理的な判断できない人の自己の過大評価の背景にあるものの話から、どのように対策していくのかを読み解くこともできると本だと考えています。例えば、医療に関してもエビデンスを用いたり、合理的な説明をすれば、相手に納得して選んでもらえるとは限らないということへの納得や、どのようにアプローチしたよいかのヒントにもなると思います。

 

 

 

2. 感想印象残った部分など

 身近な例ホットな話題などに当てはめつつ、本の感想印象に残った部分を紹介していきたいと思います。

 

 第一章の『「知っている」のウソ』から興味を惹きつけて、「なぜ思考するのか」「どう思考するのか」「なぜ間違った考えを抱くのか」というようなテーマで次章へと移っていきます。

 

 第三章の中の「前向き推論後ろ向き推論」という節では、両者の違いを説明していました。前向き推論というのは原因がどのような結果をもたらすか後ろ向き推論というのは結果から原因を推測することです。後ろ向き推論の方が時間がかかり、難しいとされるようです。

 これが臨床推論(診断推論)にも当てはまりそうです。前向き推論(予測推論)では、Aという病気があるから頭痛や発熱があるだろうとなり、後ろ向き推論(診断推論)では頭痛や発熱があるから、A、B、…、Zという病気が考えられるとなります。やっと診断がついたときに「後医は名医」と言われることがありますが、後になって病歴や検査等の情報がそろっているだけではなくて、診断から前向き推論ができるからゆえに診断から症状等について自信をもって説明ができるからなのではないかとも感じました。

 

 第八章の「科学について考える」という部分も興味深いと感じました。235-236頁の科学的リテラシーを測る質問における正答率の意外なほどの低さ、ワクチン接種反対派の話というような興味深い話を通じて、次のようなことが書かれていました。

科学に対する意識は、エビデンスに対する合理的評価に基づくものではない。このため客観的情報を提供しても意識は変わらない。科学に対する意識を決定づけるのは、むしろさまざまな社会的・文化的要因であり、だからこそ変化しにくい。

 科学だけでなく、信念コミュニティとかかわっており、特定の信念を捨てることはアイデンティティと深くかかわり、それを揺るがすことになる、というような興味深い記述へと続きます。偽医学やデマなどを信じる人が減らない理由なんかも腑に落ちます。

 

 第九章「政治について考える」も興味深く、選挙や政策は因果的分析に基づく未来の結果ではなく、理解度がなくても価値観で決まることが多く、強い道徳的反応にも理由は必要でないということが書かれています。もちろん、政治に対して極端な意見を持つほど政策の中身を理解していないというような調査結果もありました。ポピュリズムのような印象も強く、新たな新党も躍進した2022年の参議院選や2023年の地方統一選挙についても腑に落ちるような内容でした。政治でなくても、お正月の初詣や実家に帰るべきというような意見が、合理性や結果ではなく価値観だと分かりやすいかもしれませんが、同じようなことが政治でも言えるということのようです。

 

 また、極端な考えを持つ人についても触れられています。内容に対する理解度が低くすでに持っている意見支持するような論拠を補強する傾向にあるようです。そこでは議論ではなく、因果的説明の要求によって理解度の低さから認識してもらうことが解決の糸口になりそうな場合もあるようですが、そうでもない場合も相当あるようです…。

 政治ではないですが、昨日(2024年1月2日)の羽田空港での航空機炎上でペットのことが話題になっていますが、「貨物室のペットが出せないなら死んでも一緒に機内の残る」というような極論を言う人はどうなんでしょうか…。大変な思いをした当事者の言葉でもありません。

 また、「ペットを連れて行くな」という極論を言う人もどうでしょうか。大切なペットを失った人に対する感情は理解できないのでしょうか。航空機事故より自動車による交通事故による人の死亡数は多いわけで、ペットも似たような状況になると考えれば、そのような極論を言う人はペットを車にも乗せないのでしょうか。

 

 そもそも、リスクベネフィットトレードオフでもあり、絶対的な正解や正義はない価値観に近いはずです。返信であれば、わざわざ反対の価値観をそこに書く意味もわかりません。

 

 さらに、ただお気持ち表明のように「ペットも機内に乗せて」とお気持ち(価値観?)だけで訴えるのではなく、ペットも機内OKにしてペットも脱出可能なサイズや重さ等のゲージの規格を考える/ペットの機内持ち込み運賃やルールを作るというようなことも考えられるでしょう。犬も飼っていましたが、吠える声、犬の毛・臭いなど、客室に連れて行くなら連れて行くで迷惑になる可能性も容易に想像つきます。大型犬ほど言う事を聞かなかったら、時間勝負の避難の際に足手まといになる可能性も上がります。犬のしつけ度合も、ビビリ具合も含め様々です。また、犬でも恐怖を感じる人もいますし、蛇のような爬虫類を機内に持ち込んだら恐怖を感じる人がもっといるでしょう。さらに視野を広げれば、便ごとのペットの客室への搭乗の可否、プライベートジェットのような様々な選択肢もあるでしょう。また、ペットの飛行機移動はペットに負担でも、貨物室でのお預かりも含め引っ越しのようなどうしても必要となる場合もあり、一律に「乗せるやつが悪い」と言うわけにもいかず、複雑なものです。

 

 また、海上保安庁の飛行機に搭乗していた5名の命も失っています。あってほしくない状況です。まだ全貌の詳細も分かっていません。マスコミの責任追及やSNSを含む世論形成、警察の刑事捜査によって解明を遠ざけるのではなく、事故調査によって再発防止を考える、というようなことも含めて未来の結果に向けての合理的な方向での働きかけ対策など様々なことができるはずです。

 再発防止に向けては航空関連の知識に加え、ヒューマンエラーに対するスイスチーズモデルをはじめ、様々な専門的な知識が必要になりますが。さらに、ペットが飛行機に乗ることは身近に話しやすいですが、再発防止の方が重要性が高いはずです。そう考えると、パーキンソンの凡俗法則(自転車置き場の屋根の色理論)のように、航空機事故の再発防止に比べれば重要性の低いことでも、皆が身近に感じるペットのことのほうに重点を置きがち/時間を消費しがちであると言えるのではないでしょうか。パーキンソンの凡俗法則についても本書に書かれていますので、興味のある方は読んでみてください。

 

 本書 第九章の政治の内容に戻ると、政治でも未来の結果ではなく、政策に現れた価値観で判断してしまいがちであると書かれていました。政治だけでなく上記のように似たような場面でも使えそうです。

 これこそ、行政が能登半島への往来自粛をお願いしているにも関わらず、一部のYouTuber政治家(政党党首まで…)イデオロギーの表明に留まらず能登半島に行き、見せかけ「ヒーロー」を演じて人気稼ぎや収益稼ぎをしています。中には行政のお願いを無視して能登半島に行っておきながら、能登半島への往来を自粛すべき等の行政がすでに要請していたことを自分の手取りのように言い始めるような、どうしようもない人までいます。

 注目は集めにくいかもしれませんが、邪魔にならないように数週間後(?)のようなボランティア含め受け入れ可能になってから行って欲しいものです。政治家としての見せかけのパフォーマンスではなく、これを機に過疎化・高齢化(少子化)の進んだ地域の震災復興に伴う今後の在り方(例: コンパクトシティー化、山奥の限界集落の移住)を考えておいたり、このタイミングを逃さずにこの問題に長期的に関わっていって欲しいものです。

 さらに、未来の結果(不要な渋滞減少→救助の速達・効率化等)ではなく、イデオロギー思想価値観感情に偏って、そのようなYouTuberや政治家を支持する一部の大衆がいます。その時の感情はまったく分からない訳でもないですが、結果が悪くなる方が胸が詰まる思いです。政治家もSNSで広報することで収益化できる問題等もありますが、一部の政治家・政党国民双方向的な問題と感じずにはいられませんでした。(前段落ならびに当段落は1月8日追記)

 

 

 能登半島地震の話にしても、羽田での航空機事故の話にしても、松本人志さんの週刊誌でのリーク(嘘か本当かも不明)にしても、『News Diet』読書Logで扱った内容を彷彿とさせます。短いニュース(マスコミ)SNSが、解決に向けた思考でなくアテンションエコノミーであることが多いという問題点とも重なってきますね。

 読売新聞に至っては「石川県穴水市の避難所の自販機破壊・金銭盗む→避難所パニック」というのニュースを流してそっと消しましたね。不安を煽ったり、誰かを吊るしあげてたり、炎上させている一部のマスコミやSNSこそ、皆でそっと画面を閉じて干してしまいましょうと思うことがあるぐらいです(笑)(当段落前半は1月8日追記)

 

 そして何より、本書の提案の部分として

  • 優れたリーダーは、人々に自分は愚かだと感じさせずに、無知を自覚する手助けをする必要がある。
  • リーダーのもう一つの任務は、自らの無知を自覚し、他の人々の知識や能力を効果的に活用することである。

という部分は、戒めでもあり、上手な表現だと思いました。プラグマティズムの「内なる光を灯す」という思想にも似ていて、大衆は知識を与えられることよりも力を与えられる(動機づけされる)ことを好む、というようなものにも感じました(ここはあくまでも自然科学ではなく人文学的な話に近く、科学的な再現性ではなく使えたら運がよいという参考程度に考えています)

 

 以前、読書ログで以前に触れた総合診療家庭医療界隈学会の話題と、そこから社会的処方について触れたことがありました。これこそまさしく、この本の内容が当てはめられるかもしれないと反省しました。もちろん、そのような一部の人には時々触れに行く程度に適度な距離を取ることで2023年の後半は快適でしたが、何かもっと良いアプローチはあったかもしれません。

 

mk-med.hatenablog.com

 

 上記のような場面だけではなく、SNS上でのワクチンをはじめとするやり取りを見ていれば、科学より信念・所属する集団の考え(科学的な部分を認めずに信念・所属する集団の考えだけで選ぶ)というのが、良い例でしょう。科学には再現性や反証可能性があり、信念などの非科学とは異なることにも触れてます。また反証によって過去の正しかったことが科学的に覆されても、人々に浸透するまでに時間がかかってしまうことへの理解や戒めにもなりました。

 専門家であれば、なおさらその分野の自然科学を知り、早くアップデートしていく必要性があるでしょうし、専門家でアップデートしていない人/知らない人には、エビデンスやデータ等の現実を提示していくことになるのでしょうか。そして知らない専門家も追いつく努力が必要な点は、本書の一般の人向けとは少し異なるように感じます。

 

 そして、第十章以降で「賢さ」について定義し、育て方や判断の仕方を考えていくという結びになります。集団知能やコミュニティ、情報量、行動科学(ナッジ)といった今後役立つ視点があるかもしれません。

 

 

 

3. 最後に

 今までも「何?」、「なぜ?」というようなことを発端としてブログを書いてきましたが、新年はブログでこの本でも書かれていた次のことをもっと意識してみたいと思います。

 自分自身への戒めとしてもこのブログで因果的説明(≠今の意見を支持する理由)をすることを意識しつつ、知識があるという錯覚に陥らずに「無知の無知」にならないように意識してみたいと思います。ブログを書く際に自分自身の知識の抜けを意識するような場所として活用することで更新を維持していきたいと思います。

 

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。

 

 

 
 

急性単関節炎|①鑑別疾患と原因ごとの頻度

急性単関節炎

~①鑑別疾患原因ごとの頻度

 

 

<目次>

 

 今回も興味本位のテーマです。例えば、感染性心内膜炎(IE)のようなときに「発熱+関節痛」に遭遇したら、「化膿性関節炎?それとも結晶性関節炎(偽痛風痛風)?」のような悩みが生じたことはないでしょうか。

 もちろん教科書やガイドライン、二次文献でチェックして欲しいのですが、化膿性関節炎と痛風の所見にはこんな尤度比スコアリングがあるということを紹介する好奇心優先の記事になります。今回は痛風と化膿性関節炎に注目するまでの部分が中心となります。

(注)申し訳ございませんが、今回は導入部分になります。時間の都合で2回に分けての配信になります。

 

 

 

1.急性単関節炎鑑別

 関節痛をみたら、発熱+関節痛のように症状を組合わせたり、関節か⇆関節以外かの部位の特定をしたり、さらには関節炎でも急性⇆慢性単関節炎⇆多関節炎(多発性関節炎)で分類したりして少しずつ候補を絞っていくと思います。

 急性単関節炎の原因が痛風と化膿性関節炎だけということはありませんが、早期閉鎖・忘れ防止のために、まずは急性単関節炎鑑別疾患についておさらいしておきたいと思います。

 

鑑別診断

  • 単一の関節炎で最も頻度の高い鑑別診断は痛風や偽痛風などの結晶性関節炎である。

急性単関節炎の鑑別診断

(出典)青木眞, レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版, 医学書院, 2020, 951-952.

 

 急性単関節炎の原因の中でも、梅毒(Charcot関節)ライム病のような一部の感染症ハイドロキシアパタイトミルウォーキー肩症候群)のような一部の結晶関連、凝固障害色素性柔毛結節性滑膜炎のような関節血症、腫瘍のあたりは想起できなかった人もいるのではないでしょうか。

 膠原病関連の関節リウマチ、SLE、脊椎関節症では慢性関節炎初期の段階を見ている可能性もあります。そうであれば、様々な症状や所見が経過とともに揃ったり、慢性多関節炎になったりする可能性もあるでしょう。

 今回は関節炎を主軸に進めていますが、関節炎ではなかったとしたら蜂窩織炎のようなものも鑑別に入れる必要が出てくるでしょう。

 さらに細菌性であれば、成人で最も多い黄色ブドウ球菌、その次に多いレンサ球菌というようなことを考えたり、淋菌性などの様々な起炎菌を考えることにもなるでしょう。詳しくは、『レジデントのための感染症診療マニュアル』でも、他の感染症の本でも、二次文献でも、手に取りやすいものでぜひ全体像をチェックしてみてください。

 

 

 

2.急性単関節炎原因ごとの割合

 さらに急性単関節炎の原因ごとの割合(頻度)も気になります。定量なものも具体的に調べて探してみました。

 

 単関節炎の原因は、多くの患者で不明であった(16%〜36%)。最も多かった診断は痛風(15%〜27%)と敗血症性関節炎(8%〜27%)で、次いで変形性関節症(5%〜17%)、関節リウマチ(11%〜16%)であった(下記の表)。研究間の原因のばらつきは、使用した診断基準や研究した集団の違いに関連している。

 

表. 急性単関節炎の原因と割合

(出典)CMAJ. 2009 Jan 6;180(1):59-65. doi: 10.1503/cmaj.080183.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 敗血症性関節炎は、敗血症から血行性に細菌が侵入したとして化膿性関節炎(感染性関節炎)のひとつとカウントしてよいでしょう。

 意外な結果(割合)であった疾患もあったのではないでしょうか。個人的には痛風が少ないと感じました。Parkerらの研究では近医のGeneral Practitioner(GP)から紹介された患者129名、Freedらの研究では大学病院の救急外来の患者59名、Shmerlingらの研究では少なくとも1つの関節の腫脹と疼痛のある連続する患者100名、Jengらの研究では敗血症性関節炎が疑われた患者59名というように、条件・状況異なります。いろいろと自身の環境によって事前確率は異なってくるでしょう。

 原因不明の割合も16%-36%とそれなりにありますが、痛風、結晶誘発性、敗血症性、変形性関節症、関節リウマチ、外傷、反応性関節炎、Reiter症候群、SLE、その他、乾癬、軟部組織の問題、偽痛風、特発性関節血症、結核、無菌性壊死、骨膜性軟骨腫症ということで、先ほどの鑑別疾患よりは候補が絞られています。

 

 乾癬性関節炎のようにそれぞれの鑑別診断(原因)の特徴がありますので気になる方はそれぞれの鑑別診断について調べてみてください。

 

 やはり、ここでは頻度多いとされる痛風(尿酸ナトリウム)や偽痛風ピロリン酸ナトリウム沈着症、CPPD症)と、内科エマージェンシーでもある化膿性関節炎(感染性関節炎)の鑑別について深掘りしてみたいと思います。

 

 

 

3.化膿性関節炎結晶性関節炎

 化膿性関節炎を考える時に「もしかして…、嫌だな」と感じるのは、膝関節のような大関節の時でしょうか。すると、偽痛風の方が鑑別に挙がりやすいのでしょうか。痛風なら母趾MTP関節のような末端部分が典型的と考える人も多いでしょう。

 しかし、以前の痛風についての記事を書いた際に、UpToDateでは痛風は下肢に多く、最も多いのは第1中足趾節関節または膝関節である」という主旨の記載もあり、大関節も無視できないでしょう。興味のある方は詳しくは下記をご覧ください。

mk-med.hatenablog.com

 

 痛風や偽痛風のような疾患ごとの特徴は、教科書等で確認しやすそうです。

 そのため、特に2章目の総説で頻度的にも多くて気になった痛風と化膿性関節炎について、調べていました。そこで偶然見つけた興味深いもの深掘りしてみたいと思います。痛風化膿性関節炎についての患者背景・症候・所見などの尤度比などについて深掘りしてみたいと思います。

 

 急性単関節炎や化膿性関節炎(感染性関節炎)の基本的・全体的なことをはじめ、様々なことを確認してみたい等の興味がありましたら、青木眞先生の名著『レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版』や、途中で引用したものをはじめとする総説、UpToDate等の二次文献もぜひ目を通してみてください。

 

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

 
 続編の痛風化膿性関節炎についての深掘りはこちらになります。

医学書Log: 画像診断 Vol.43 No.13|これであなたも名探偵! 転移の画像所見から原発巣を当てる(2023年11月号)

医学書Log(<書籍紹介)

『画像診断 Vol.43 No.13 2023』(11月号)

  • 特集: これであなたも名探偵! 転移画像所見から原発を当てる

 

<目次>

 

 今回の医学書ログは月刊誌『画像診断』2023年11月号です。他にも良かった本もあったのですが、イムリーさ類書が思い浮かばない特集という視点からも今月の書籍(医学雑誌)にしたいと思います。

 

https://m.media-amazon.com/images/I/71yJkvH6akL._SY425_.jpg

 

 

【こんな人におススメ】

  • 特集テーマに興味がある
  • 医学知識の横切りの視点に興味がある

 

 何といっても、特集のテーマが「これであなたも名探偵! 転移の画像所見から原発巣を当てる」ということで興味深いテーマです。最初に、または偶然、見つけたものが悪性腫瘍の転移だったというようなことはないでしょうか。〇〇腫瘍の時にはこういう画像所見が見られるという縦切りの視点に加えて、このような局在・画像所見のときには〇〇が考えられるという鑑別をしていく横切りのような視点が、類書が思い浮かばない興味深いテーマでおススメに感じました。

 

 

1. 本の感想/概要

 特集は大きく、頭部病変、頭頚部病変、胸部病変、上腹部病変、下腹部病変、骨軟部病変、リンパ節病変から予測する原発巣に分かれています。

 

 例えば、頭部病変として脳転移を考えてみましょう。巷でも、大学生のときの講義ぐらいでも、脳転移のお話で「肺がんや乳癌からの転移性脳腫瘍が多い。肺がんが約3~4割、…」ぐらいの総論の疫学的なことを耳にすることはあるかもしれません。

 しかし、局在各論で脈絡叢/脳室内の時や軟髄膜の時をはじめとする、各部位で疫学的に多い原発巣(頻度)というような深掘りした知識も登場します。

 他にも、CT吸収値(高吸収⇆低吸収)、MRI信号(高信号⇆低信号)、石灰化、出血などの画像所見・性状による鑑別知識も手に入ります。個人的には1番濃い章にも感じましたが、頭部の章から医学知識でお腹いっぱいで嬉しい感じの内容です。画像所見も1対1対応と言い切れるものはほとんどないにしても、組み合わせで原発巣の推定とその先の方針に役立つと思います。

 

 他の章では、症例ごとに鑑別のポイント経過知っておきたい知識というような構成をベースにしていているページが多く読みやすく、知識として注目すべき部分との整理もしやすかったです。

 もちろん、悪性腫瘍の既往歴をはじめとする画像以外の診療情報も大きなヒントとなるため大切ですが、特徴的画像所見局在と疫学的な情報の組み合わせで、さらに精度高く可能性の高い原発巣を考えて進めていくことができるのではないでしょうか。

 

 

 

2. あとがき

 この画像診断のひと月前(2023年10月号, Vol.43 No.12)の特集は腸炎・腹膜炎を読み解く―病態と画像所見の対比」というテーマでした。解剖や基礎に触れて『マイヤース腹部放射線診断学』を彷彿させるようなページがあったり、鑑別に役立つような内容があったりして、こちらも興味深いものでした。また、マイヤースもなかなか好き者にはおススメなような気もします(笑)。実は、これらも医学書ログにしようか悩んだもののひとつでした。

 また、来月号(2023年12月号, Vol.43 No.14)の特集も「全身の血栓症・塞栓症を考える」ということで楽しみにしています。

 

 特集の内容をはじめ、気になる方は目次などをチェックしてみてください。また、今回紹介した11月号は表紙に書かれている目次だけでは分かりにくい部分もあります。目次詳細も合わせてご覧ください。

本日もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

 
 
【関連記事】

腸疾患・腸炎の病変部位と原因|好発部位から考える鑑別疾患

腸疾患・腸炎病変部位原因

好発部位から考える鑑別疾患

 

<目次>

 

 

 例えば、「腸結核であれば回盲部が好発」というようなことが、ふと思い浮かぶことはありませんか。教科書等でもそれらがまとめられているようなページがあったか記憶が曖昧である一方、腸疾患腸炎病変部位から鑑別疾患を考える際にヒントとして役立つかもしれないと感じました。久しぶりの想起も兼ねて記事にしてみることにしました。

 

 

1. 細菌性腸炎寄生虫

 まずは、腸疾患や感染性腸炎の中でも細菌性腸炎寄生虫のときの好発部位をチェックしていて見つけました。例えば、腸結核であれば回盲部に好発するというようなことを耳にすることがありますが、実際にはどうなのでしょうか。

 

 画像診断では画像所見のみではなく、部位も診断には重要な要素であるため、好発部位を把握しておくことは重要である。

細菌性腸炎寄生虫症の好発部位

(出典)大川清孝, et al. "4. 感染症; 細菌, 寄生虫." 日本内科学会雑誌 100.1 (2011): 71-77.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/100/1/100_71/_pdf

 

 病変の好発部位が1つというわけにはいかないようですが、上記のようになるようです。

 終末回腸~右側結腸が好発部位である病原微生物として、エルシニア、サルモネラ腸炎ビブリオチフス、パラチフス結核菌と挙げられています。腸結核の場合、回盲部が好発というよく耳にする部位も含まれています。

 全大腸の場合は、カンピロバクター、細菌性赤痢菌、サルモネラ(直腸病変なし)であり、右側結腸の場合は、腸管出血性大腸菌盲腸・直腸の場合は、赤痢アメーバ、さらに盲腸の場合は、鞭虫、蟯虫と続きます。胃・小腸が好発部位のアニサキスは知っている人も多いと思いますが、十二指腸~上部小腸ランブル鞭毛虫、糞線虫、クリプトスポリジウム、イソスポーラ、サイクロスポーラ)、上部小腸コレラ横川吸虫、広節裂頭条虫、鉤虫、有鉤条虫、無鉤条虫)、小腸(回虫、旋尾線虫)となると、感染症に興味がある人やその辺りの感染症に触れている人でないと、普段から意識するほど身近には感じられないかもしれませんね。

 もちろん、感染性腸炎として症候病歴などからも鑑別を絞っていくことも大切ですが、病変部位でも可能性が変わりうる、原因特定のヒントになりうるという視点も持ってもらえたら幸いです。

 

 この出典では、X線造影、腹部エコー・腹部CTにおける画像所見にも触れています。例えば、エルシニア腸炎における回腸末端の著明な壁肥厚や回盲部周囲の著明なリンパ節腫大といった、それぞれの病原微生物ごとの画像的な特徴などが気になる方はチェックしてみると良いと思います。

 

 

 

2. 炎症性腸疾患(広義)

 先述のような感染症だけでなくて、虚血性腸炎であれば脾弯曲部や下行結腸(左側結腸)というような好発部位を覚えている人も多いと思います。虚血性腸炎だけでなく、様々な疾患における好発部位をチェックしてみます。

 

 内視鏡観察により得られる情報は病変部位、分布様式、および所見であり、疾患によって異なるパターンを示す。

腸疾患・腸炎〔炎症性腸疾患(広義)〕の病変部位

(出典)清水誠治, et al. "炎症性腸疾患の鑑別診断." 日本消化器内視鏡学会雑誌 56.1 (2014): 3-14.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/1/56_3/_pdf

 

 今回は画像診断ではなく、内視鏡関連の文献からです。検索のキーワード等のせいか、英語で良いものが見つからず、またもや日本語検索で日本語の文献からになりました。

 先ほどの感染性腸炎(細菌性腸炎寄生虫症)の場合も込みで広義の炎症性腸疾患ということでまとめられていました。腸結核のように、多少病変部位に関する記載にズレもありますが、概ね一致しているものもあります。

 

 直腸では、潰瘍性大腸炎、急性出血性直腸潰瘍、宿便性潰瘍、NSAIDs座薬起因性直腸潰瘍、直腸粘膜脱症候群、アメーバ性大腸炎、偽膜性大腸炎(CD腸炎)、アフタ様大腸炎放射線性大腸炎、虚血性直腸炎、cap polyposis、クラミジア腸炎、直腸梅毒、サイトメガロウィルス腸炎などが挙げられるようです。潰瘍性大腸炎の名前を見ると、炎症性腸疾患もお出ましといったところでしょうか。細菌性でもクラミジアや梅毒(梅毒性直腸炎)が候補に挙がっており、こちらは性感染症でしょう。それもあってか、他の部位に比べて、ピットフォールになりやすい鑑別疾患も含まれていると感じました。

 右側結腸ではクローン病回盲部ではクローン病、腸管ベーチェット病のあたりの腸疾患も挙げられています。先述の細菌性腸炎もありますが、腸結核クローン病が並んでいます。

 小腸では、クローン病NSAID 起因性腸炎、腸結核、非特異性多発性小腸潰瘍症、好酸球性胃腸炎、IgA血管炎(Schönlein-Henoch 紫斑病)、SLE、ブドウ球菌感染症腸炎ビブリオノロウィルス感染症、旋尾線虫タイプX 幼虫移行症、アニサキス症、放射線性小腸炎、アミロイドーシスなどと挙げられています。クローン病と腸結核だけでなく、IgA血管炎やSLEも加わって鑑別疾患が多くあります。やはり、ここでも結核クローン病の両者があり、両者の鑑別ポイントが気になる鑑別疾患の候補でした。

 

 あと、全体を通じて興味深いのはクローン病のような炎症性腸疾患だけでなく、薬剤性(NSAIDs起因性腸炎)も目立つところでしょうか。抗生物質起因性出血性大腸炎のような抗菌薬によるものもあり、薬剤性は忘れられませんね。

 

 

【補足】 腸疾患の分布様式

 感染性腸炎や腸疾患の好発の病変部位をチェックすることで鑑別に役立ちうるという視点で見てきましたが、病変部位のついでに同じ文献で分布様式も見つけました。例えば、「潰瘍性大腸炎が連続性、クローン病が非連続性」のような鑑別の仕方は、病変部位での鑑別に近いと思いますので、補足しておきたいともいます。

 

 内視鏡観察により得られる情報は病変部位、分布様式、および所見であり、疾患によって異なるパターンを示す。

腸疾患・腸炎〔炎症性腸疾患(広義)〕の分布様式

(出典)清水誠治, et al. "炎症性腸疾患の鑑別診断." 日本消化器内視鏡学会雑誌 56.1 (2014): 3-14.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/1/56_3/_pdf

 

 先ほどの出典の分布様式に今度は着目します。連続性区域性限局性ないし単発性多発性・連続性に分けられています。テーマの補足なので軽く流したいと思いますが、ここでも分布様式が多発性・非連続性の中にクローン病結核が挙げられており、両者の鑑別が気になるところです。

 

 他にも内視鏡における所見の一覧の表も鑑別に役立つので気になる方は出典を見てみてください。その中でも、狭窄、浮腫やびまん性炎症、隆起、潰瘍というような項目は画像での鑑別の際にもヒントになりそうです。

 

 

 

3. 最後に

 腸疾患腸炎病変部位(好発部位)による鑑別はいかがでしたでしょうか。画像診断でも、内視鏡でも役立つときがあると思います。

 個人的には、クローン病結核の病変部位が小腸、回盲部、右側結腸と重なっており、分布様式も多発性・非連続ということで、鑑別ポイントが気になりました。もちろん、あくまで好発というわけでこれ以外の形で現れることもあるでしょう。

 

 腸管壁異常に対するCT画像診断の総説に目を通していた時に見つけた言葉で締めたいと思います。

  • 補足的な腸管壁の形態学的因子や局所的因子は、特定の診断に追加的な、あるいは場合によってはより優れた洞察を提供する。
  • 最終診断には信頼できる臨床情報が常に加味されなければならない。

(出典)Radiographics. 2002 Sep-Oct;22(5):1093-107; discussion 1107-9. doi: 10.1148/radiographics.22.5.g02se201093.

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 今回の病変部位もひとつの因子と考えれば、上記の通りだと思います。絶対的ではないものの、症状や身体所見、検査結果などの他の診療情報も合わせたうえで鑑別ヒントになれば幸いです。

 

 

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。

ITパスポート試験 合格体験記|多くの医師・医療者にも不要の資格!? 取得理由は?

ITパスポート試験 合格体験記

~多くの医師・医療者にも不要の資格!? それでも取った理由とは?~



<目次>

 

 今回は、ITパスポート試験という資格試験を独学にて受けた際の合格体験記になります。案外、以前公開したFP(ファイナンシャル・プランナー)3級の記事へのアクセスが地味に継続していることもあり、過去の資格試験の受験記録を掘り起こしていくことにしました。

 ちなみに、ITパスポートは皆さまに一概にお勧めできる試験ではありませんが、受験する方はもちろんのこと、受験するか悩んでいる方興味のある方にも参考になれば幸いです。



1. ITパスポート試験とは

 ITに関する基礎知識・技術(テクノロジ)に加えて、経営全般(ストラテジ)システム開発等のIT管理(マネジメント)の知識を問う国家資格です。ちょっと聞くと難しそうですが、ファイナンシャルプランナー(FP)3級のような広く浅い共通的基礎知識を問うものになります。

 実際には、IT資格(情報処理技術者試験)の中では初級・入門編になります。情報処理技術者試験という枠組みの中でいうと、簡単な方から順に、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験応用情報技術者試験、高度(複数あり)となります。いずれも国家資格です。ITパスポートと情報セキュリティマネジメントはITを利活用する者という枠組みに入れられています。ITパスポート試験の対象はあくまでも利用したり、活用したりする側であり、本当のスタートは基本的な知識や技能を問う基本情報技術者試験からだと個人的には考えています。

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pkin3a0000007x81-img/pkin3a0000007xdp.png

(出典)行政独立法人 情報処理推進機構ホームページ

 

 ITパスポートも国家資格ですが、業務独占資格ではありません。医師免許はもちろんのこと、宅地建物取引士(宅建士)のような独占業務はありません。

 内容の深さとしてもITパスポートの程度であれば、興味があれば普通の時事本で自然と学べそうな内容です。就活に使えるという主旨の発言をする雑誌等も見かけますが、正直言って分かりません

 私の認識では、資格としてITパスポートは特に役立たない(勝手に本などで好きに学べばよい/自然と学んでいる)、基本情報技術者(以下、基本情報)は新卒業界未経験なら取っておいても良い、応用情報技術者(以下、応用情報)は転職スキルアップのため取っておいてもよい、高度情報処理技術者すごいといった印象です。もちろん、応用情報を資格として持っていなくてもバリバリに仕事をしている人が多数いる印象です。




試験内容

 試験内容(学ぶ内容)について少し補足します。試験分野は大きく3つに分かれています。テクノロ(ITに関する基礎知識)ストラテジ(経営戦略等の経営全般)マネジメントシステム開発等のIT管理)に分かれています。出題問題数としては、テクノロジが45%、ストラテジが35%、マネジメントが20%となります。

ITパスポート試験 出題範囲のイメージ

 あくまでも、下記の概念や用語について学ぶのがメインです。

  • テクノロ;基礎理論、プログラムとアルゴリズム、コンピューターシステム(構成要素、ハードウェア、ソフトウェア等)、技術要素(情報デザイン、データベース、ネットワーク、セキュリティ等)
  • ストラテジ;企業活動、法務、経営戦略(経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ)、システム戦略等
  • マネジメント;開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査

 

 これだけみてもピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。当たり前に感じる人もいらっしゃると思いますが、具体例を紹介します。知らないような概念単語・略語があるか、という指標として流し読みしてもらえればと思います。

 

 テクノロのハードウェアでは、RAMやROMの違いのようなことを学んだり、ソフトウェアでは、表計算(関数応用)でIF関数を概念的に学んだりします。ネットワークではHTTP、SMTP、POP、NTPというような単語を学んだり、セキュリティでは、様々な種類のマルウェア暗号化技術(公開鍵、秘密鍵等)を学んだり、データベースではデータの正規化の概念を学んだりします。

 ストラテジでは、財務諸表についてさらっと軽く学んだり、サイバーセキュリティ基本法のようなセキュリティ関連法規を学んだりします。さらには、コーポレートガバナンスコンプライアンスのような話、マーケティングや技術戦略の概念(例:RFM分析、MOT)を概念的に学んだりします。経営管理システムとしてCRM、SCM、ERMというような概念や、クラウドコンピューティングとして、IaaS、PaaS、SaaSというような概念についても学びます(何でも略語にしないでとか感じ始めますが…)

 マネジメントでは、システム開発プロセスの概念を学んだり、その中で要件定義プロセスの概念を学んだり、さらにその中でRFIRFPというような単語を学んだりします。他にもソフトウェア開発手法として、ウォータフォールモデルアジャイル開発というような概念を学びます。他にも、工程管理としてアローダイアグラムガントチャートを学んだり、アローダイアグラムの中で最早開始日や最遅開始日、クリティカルパスというような概念を学びます。

 

 最新の出題範囲は最新シラバスにてご確認ください。






2. なぜ受験するのか?

 どうしてITパスポート試験を受験してみようと考えたのでしょうか。「会社で取るように言われている」というような状況であったり、手当てがつくような状況であれば、学びたいという興味とは別に取得するインセンティブがあるでしょう。取るように言われていて、何も自分自身にインセンティブも興味もなければ、やる気は起きないかもしれません。

 医療の例で言うと、勤務時間外に緩和ケア講習会に出席するようにお願いされて、緩和ケア診療加算が取れるというような状況に似ています(インセンティブの受け取り手が取得者本人とは違いますが…)。

 

 正直なところ、ITパスポート試験を受験するかは悩みました。ITパスポート自体が資格として有用だと感じたことはありません。興味本位で学んでいる際に、もう少しベースライン整えておいた方がスムーズに学べるかもしれないと感じたことがあります。そこでIT系の基本的なことを学び、その質を一定は担保したいと考えて、基本情報技術者試験以上の資格を取りたいと考えがありました。ITに興味があるのは、医療AIやデータサイエンス等の個人的な興味から来ています。一部、過去の読書ログでもそのようなテーマに触れています。

 

 最初はITパスポート試験を受験することは考えていなかったものの、様々な状況が重なった結果、ITパスポート試験から受験をしました。受験した理由は大きく4つです。

 

 

 現在(2023年4月以降)であれば、基本情報技術者試験から受験したと考えています。基本情報であっても、ITパスポートであっても、問題演習試験を受けることがアウトプットにもつながると考えています(学びのためのアウトプットと言っても、ブログだけでなはいです)

 私がITパスポートを受験しようと考えたときには、基本情報技術者試験はCBT方式ではあっても、試験日程は大きく2回で、決められた1カ月半程度の中から選ぶ程度でした。試験日程に合わせて受験をする必要がありました。

 一方で、ITパスポート試験はその当時からCBT方式の試験でいつでも受験することができました。しかも、試験会場都道府県内で10か所程度以上の候補があり、大きな駅の近くの会場もあり、何かのついでにもどこでも受験しやすい環境でした。地方の場合は会場の数・アクセス等もチェックしたほうが良いと思います。

 さらに、BOOKOFFに行った際に、ITパスポートの本(栢木先生のITパスポート教室)を200円コーナーで見つけて、「これは読みやすいな~」と買ったことも影響しています。すでに安く本を手に入れたことがサンクコストにもなりました(笑)。

 このような状況の中で、ITパスポートを次のステップへの踏み台にしようと考えました。当時、基本情報技術者試験は日程の制約もあるので極力1回で受かりたいこと、さらには、偶然手に入れた本をめくっていくと、私の好きではない略語・単語の概念を学ぶという部分や問題が多いこともあって、途中でステップがあっても良いかもしれないと考えるに至りました。特にマネジメント分野においての単語学習の必要性を感じました。他にも例えば、テクノロ分野において、データベース上で行う関係演算の中で出てくる「選択」(指定した行を抽出する)、「射影」(指定した列を抽出する)、「結合」(複数の表を一つの表にする)というような、一般的な会話でも使いそうで混同しそうな言葉の定義もしっかり確認できる機会になると考えました。

 

 資格ビジネスという言葉があるように、業務上で特に必須でもないのに資格を取らせることで単なるお金儲けのビジネスになっていたり、天下り先となっているようなものも多数あります。中学生のときの英検にはじまり、大人になってもこのITパスポートやFPなど、医療者になっても心電図検定など、資格ビジネスかなと感じる様々なものがあります。まだ、国家資格なだけマシかもしれませんが…。

 この資格に7,500円という受験料を払うのかという葛藤の末、受験料で勉強時間のモチベーションを買うことができて、時間有意義に使うことができ、初級レベルで知識の大きな「引き出し」をつくる(簡単な全体像を作る)ことができ、具体的なステップが踏めるならということで、後述の試験内容を軽く確認の上、受験することにしました。

 比較対象としては難ですが、デキる風に見せかけた意識高い異業種交流会、科学的根拠に乏しい自己啓発セミナーのような、本当の遊びにも、後々に役立つ繋がりにもならないパーティに出て、何となく群れるのに時間とお金をかけるぐらいぐらいなら、ITパスポート試験でも学びとしては役に立つかもしれません。自分自身を磨いて「売れる」ものがないのに、「売る」ものを持っているすごい人と釣りあうわけがないとも考えています。もちろん、試験抜きで学ぶだけでもいいかもしれませんし、ITパスポート試験だけでは足りませんが、まずは「売る」ものを学ぶ一歩としてと弱い自分の対処法として利用する言えばいいんですかね。

 ITパスポート試験を受験する明確な理由見つからない場合は、受験することをおススメしにくいと考えています。受験する明確な理由をチェックしてみましょう。



 

3. 受験申込に向けて

 具体的にITパスポート試験についてチェックしてみましょう。受験すると決めたら、早いうちに申込みをして、悩んでどうしようもない時間減らして、勉強意欲を駆り立てるために使うことをおススメします。

 

試験の詳細

 まずは試験の概要合格基準を確認しましょう。

 

<試験概要>

  • 試験時間: 120分
  • 問題数: 100問
  • 出題分野: ストラテジ系(経営全般): 35問程度、マネジメント系(IT管理): 20問程度、テクノロジ系(IT技術): 45問程度
  • 合格基準: 総合評価点600点/1000点以上、かつ分野別評価点もそれぞれ300点/1000点以上であること
  • IRTによる評価点計算、CBT形式

www3.jitec.ipa.go.jp

 

 出題範囲シラバスも含めて、詳しくは上記ホームページをご確認ください。医学生や一部の医師であれば、CBT方式については臨床実習の前に受験しているので、CBT(PCで問題のストックからランダムに出題)、IRT(難易度によって正解した際の得点が異なる場合の評価)という部分に抵抗はないかもしれません。



受験申込

 ITパスポート試験のホームページにて受験申込みを行います。利用者登録をしてから申込に進みます。

www3.jitec.ipa.go.jp

 

 受験料は7,500円です。受験要項をはじめ、最新受験までの流れを必ずご確認ください。

 

 都道府県にもよって異なりますが、私が受験した際には試験会場10か所以上(試験会場A, B, C,..のようなものも含む)ありました。大きな駅近くのテナントビルのようなところが多くあり、各試験会場ごとに土日がメインながら、平日もやっているなどあります。時間帯も午前、午後、夕方のように3つの時間帯で実施している所が多く、都合の良い場所、日程を選んで受験できると思います。

 クレジットカード等があれば、自宅で受験申込みが完結します。3日前までなら、空席がある試験日程・場所への変更もできます。

 

 私は約3週間後の試験で受験申込みをして、予定変更でさらに1週間後の試験日程に変更しました。CBT(いつでも受験可能)ゆえの、変更ができるのは有難いシステムです。



 

4. 試験傾向チェック

 試験傾向・対策を考えるとなれば、まずは過去問をチェックに限ります。当たり前ながらCBT形式の使用中のプール問題は公開されていませんが、過去問が存在します。もちろん、書籍等の過去問題集をチェックしてもよいでしょう。

www3.jitec.ipa.go.jp

 

 試験時間については特に意識する必要はないと感じました。10問あたり7-8分程度でした。各自のペースをチェックして、試験当日までに回答スピードを上げる必要性があるかもチェックしておきましょう。

 人によって受ける印象学ばないといけない部分は様々であると思います。私自身は次のような部分を重点的に学ぶ必要性を感じました。

  • 単語概念略語
  • マネジメント

 単語概念略語は3分野(テクノロジ、ストラテジ、マネジメント)ともに言えることですが、とりわけ、ストラテジマネジメントで多く感じました。他にも、マネジメント分野での正答率が3割弱であり、悲惨でした。しかし、読めば何となく正解が推測できる問題もあり、全体の正答率が55%程度でした。マネジメント分野では分野毎の最低点300点/1000点も確保できないという事で重点を置くことにしました。

 

 過去問はストラテジ系(35%)、マネジメント系(20%)、テクノロジ系(45%)に分かれています。各難易度を知る意味でも3分野に目を通して、勉強が必要な難易度かを各自確認することをおすすめします。

 



5. 教材選び

 段階や状況ごとに学習に適した教材を探してみたいと思います。

 

書籍選び

 今回のITパスポート受験のきっかけにもなったからチェックしてみたいと思います。結果的には本を安く手に入れたこともありましたが、動画やアプリのコンテンツも見たうえで、いずれにしても全体像を学ぶための教材としてを使うことが私自身には合っていると判断しました。

 その際に、問題集を含めて他の書籍もチェックしました。個人的な感想ですので、参考程度にお願いします。



  • ITパスポート 合格教本 - 岡嶋 裕史 (著)

 読者特典としてスマホ過去問アプリ付きというのが魅力に感じました。教科書として10ページ台ぐらいの各内容ごとに試験問題を解いてみようというコーナーで、確認問題が数問あります。あくまでテキストベースです。

 赤下敷きによるキーワード程度を隠すような使い方にも対応しています。



  • ITパスポート 試験によくでる問題集 - 岩代 正晴, 新妻 拓巳 (著)

 同シリーズのこちらは、よく出る問題集といいつつ、問題を左側に、右側に要点整理と解説があり、問題を軸に要点整理されたような問題集です。

 例の教科書を買っていない、かつ全体像が掴めている分野であれば、いつもの勉強の仕方として有力な候補になりそうです。FPの時に似ています。赤下敷きには非対応です。



  • いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集 - 高橋 京介 (著)

 各テーマごとの確認問題多めの教科書といった感じでしょうか。出る順の問題という点も良いと思います。赤下敷きにも対応しています。紙で1冊でバランス型で終えたい人に向いていると思います。



  • ITパスポート パーフェクトラーニング過去問題集 - 五十嵐 聡 (著)

 とにかく問題解きたい人向けです。紙面の6回分に加えて、PDF21回分もあります。ダウンロード特典としてスマホ対応の要点整理bookもあるようです。

 私は、さすがにここまではいらないというのが正直なところです。過去問でもテーマ等を整理した形で学びたいので一瞬パスかなと思いましたが、すでに例の教科書を手に入れている手前、候補として残しました。

 

  • ニュースペックテキスト ITパスポート [オールカラー図解 これ一冊でインプット&アウトプット] -TAC情報処理講座 (著) 

 構成は教科書ベースで内容ごとに確認問題があります。問題数は教科書としてはやや多い方です。この本の特徴は何よりオールカラーです。赤下敷きには非対応ですが、ばりばりのカラーが印象的で本屋で手に取った記憶が残っています。



イラスト図解が多めの教科書

  • 栢木先生のITパスポート教室 - 栢木 厚 (著)

 各内容ごとに過去問を利用した確認問題がついているという教科書です。見開き数ページごと数問確認問題という区切って使いやすい文量ごとの構成です。教科書ベースとしては有難いことに確認問題はやや多めでしょうか。

 非IT系でも大丈夫というキャッチコピーもあり、図解が分かりやすいです。猫のイラストが好きですが、個人の好みの問題です。この本が安く手に入ったことが何よりのきっかけです(笑)。 赤下敷きは非対応です。



  • かんたん合格 ITパスポート教科書&必須問題(電子版付き)

 こちらも教科書ベースで内容ごとの最後に確認問題があるような感じです。教科書ベースで言えば、問題数はやや多め、問題集単体と比べると少なめでの教科書ベースです。イラスト図解は例の本と同じく好みでした。赤下敷き電子版付きがメリットかと思います。

 一冊だけで済ませるなら、候補の一つです。



 過去問がテキストで必要か動画を用いるのかも含めて自分好みの1冊を見つけてみてください。また、学習環境に応じてKindle版も含めた電子書籍またはの書籍の検討もしてみてもよいでしょう。例えば、帰宅後か就寝までの間に家で学習するのであれば、紙の方がいいかもしれませんが、出先での電車での移動中に学習するのであれば、電子版の身軽さのようなメリットもあるでしょう。



動画・アプリ選び

 簡単にITパスポートの試験内容について動画にしているコンテンツもあります。アプリ上での学習コンテンツもあります。類似のコンテンツを覗いてみて判断すればよいと思います。紙の本よりもスキマ時間に使いやすそうなものや、問題集ぽちぽちと解きやすいものなど、紙にはないメリットもあります。

 具体的には「ITパスポート」というキーワードとともに探してチェックしていました。その際に見つけたもののうち、実際に利用してみたものの一部を紹介します。

 

YouTube

www.youtube.com

 

 書籍でも見たシリーズのものになります。もちろん、他のチャンネルもあります。頻出単語についての動画を車を運転している時にPodcastのように流したこともあります。

 個人的には、耳から学ぶことよりも目から学ぶことの方が得意であることに加え、この類の動画時間当たりの情報量が少ないこともあり、文字から学ぶことが向いていると感じました。他にも、車の運転中のような視覚が占有されている状況が多いわけでもないため、視覚情報をメインにした学習にしました。

 

<アプリ>

app.it-pass.jp

 

 先ほどのYouTube動画を見つけたときに見つけました。過去問の演習オンラインでできます。Apple Storeで同じもののiPhone用のアプリを見つけて利用していました。ITパスポートと検索すると、類似のアプリもありました。

 このアプリ・サイトでは無料で過去問演習をすることができます。広告表示も実用性の問題にはなりません。年度別、分野別、絞り込みで出題、ランダムに出題といった設定があります。とても有難いアプリです。これを見つけたことで、問題集の購入はなしの方針になりました。



 

6. 試験までに

 家に帰った日には少なくとも30分程度勉強することを目標にして、到達目標として問題の正答率70%程度としました。全体像を掴むということも目標なので、まずは『栢木先生のITパスポート試験教室』を一巡しました。テキストを一巡するのに7-8時間程度かかりました。数ページごとに過去問による確認問題も数問ずつあって、問題も解きながら学びやすいと感じました。

 その後は、アプリによる問題演習を軸にしました。学習前の正答率は55%ほどでしたが、テキスト一巡後の60%前半でした。正答率の上昇こそ微妙でしたが、学ぶ前と比べて土台がしっかりして、これは分かる、これは忘れたという境界もはっきりしました。

 その後も、やはり単語の概念を覚えたり、略語を覚えたりするのは苦手なので、テキストもメリハリをつけて二巡目をして補完したり、問題演習でマネジメント分野を指定した演習も組み入れたりしながら、学習しました。

 最終目標を、ランダム出題の問題演習で70%と決めました。合計で、テキストに費やした時間が10時間程度、問題演習(主にランダム出題)に費やした時間が7-8時間程度でした。

 まとめると…

  • 最低1日30分は勉強(帰宅した日)
  • 目標は正答率70%
  • 結果として17~18時間学習

 

 試験日まで受験時の注意等確認しておきましょう。試験日には、受験票(確認表)を印刷していくと便利です。印刷できない場合は、受験番号等を控えていきましょう。最後の最後でアナログですね(笑)。スマホが試験室に持ち込めないので受験番号等は紙に書き写す必要があります。5類になって対応が変わったかもしれませんが、このご時世からか、マスクの裏に書き込みがないかも確認されました(笑)。



 

7. 試験を終えて

 会場による差はあるかもしれませんが、試験室はPCの並ぶ部屋で快適な環境でした。表示画面の文字の白黒反転等も個人的には好みでした。PCでマウスを用いて選択肢をクリックしていく形です。後で振返るためのチェックをつける機能があったり、メモ用紙・筆記具は会場側が用意したものを使用するので、筆記具も持っていく必要もなく便利でした。

 試験の問題内容については守秘義務があるのでお伝えできませんが、試験時間は十分でした。試験時間は120分ですが、見直し込み90分程度で終わりました。解き終わると早期退出もできました。

 

 最後に「試験終了」ボタンを押すと試験終了です。そこで自動で採点されて得点が分かります。総合得点と分野ごとの得点が分かります。そこで、合格か不合格かが分かることになります(注意書きに最終判定は機構側がするという主旨のことが書いてあったので、そこから不合格に転じる人がいるのか不明です)。自己採点よりも明らかにです。

 あとは、合格証書が届くのを待ちましょう。過去問ランダム演習の際の正答率の通りで1,000点中700点程度でした。



 ITパスポートをはじめ、資格試験の受験を迷った際判断に使ったり、資格試験も有効活用しながら学んだり合格したりという一助になれば幸いです。非IT系でも尻込みすることなく取得することができる資格です。また、長期間積み重ねていくものとは別に、時には「初心者になるようなこと」をやってみるのも良いものですね。

 

 今回は基本情報技術者試験への序章として書かせていただきました。時間ができて、気が向いた時に書きたいと思います。力尽きた際にはご了承ください。

 本日もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

 

 現在のところ、FP2級をはじめ様々な資格試験の合格体験記の公開も検討しています。とりあえず、読者層からしてもFP3級だけはまだ需要あるかもしれないという判断ですが、今後のアクセス・要望等に基づいて検討していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

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