医学生からはじめる アウトプット日記

医学生のうちにはじめてみたいということで始めてみたブログです。体験のシェアや、日常の医学に関連する疑問の「なぜ」・「なに」を大切にアウトプットする場としても使いたいと思います。少しでもお役に立てば幸いですが、自己責任でお願いします。また、内容に関しては自身の所属等とは一切関係ありません。

気管支喘息 ~教科書を読んでみよう♪~

気管支喘息
~知っているつもりでも教科書を読んでみよう♪~

 

 様々な書籍を書かれていた恩師の先生から、学生の時代に「自分が担当となった患者さんの疾患について、ハリソン内科学等の正書を読むとよい」と直接教わったことがあります。
 全体像を把握するための側面もありますが、Commonな疾患で知っているつもりのものでも意外と知らないことが多いことに気がつきます。恥ずかしながら、知っているつもりで教科書を読んだ際の「へえ~」といった発見を紹介する記事です。

(喘息のことを網羅的にすべて紹介するわけではありません)

 

 今回もその気づきと、「やっぱりハリソン内科学等の教科書を読むことによる発見」を伝えたいと思い、ブログの記事にしました。ハリソン内科学Goldman-Cecil Medicineといった正書を持っており、何かあるごとに読んでいる人には無縁の記事、そしてしっかりとこれまでに勉強されている人には既知のことかと思いますが、興味のある方は是非お読みください。

 

f:id:mk-med:20210510000949j:plain

代表的な内科学書:ハリソン内科学とGoldman-Cecil Medicine(電子版)

 

 喘息と聞けば、大概のことは既に知っていて、喘息の病態のリモデリングのお話や病態や治療の話(例:ステロイド、SABA、吸入ステロイド(ICS)、LABA等)は既に知っていると思います。今回は、そこではなく例えば、職業性喘息や難治性喘息などのその他喘息についても紹介したいと思います。

 

気管支喘息

有病率
・世界的に最も頻度が高い慢性疾患の1つ
・現在では世界で約3億人が罹患
・喘息の有病率は先進国では過去30年間で増加したが、最近は横ばいとみられ、成人で約10~12%、小児で15%程度
・すべての年齢層でみられるが、ピークは3歳
・小児の患者数は男児が女児の2倍
・成人に近づくと男女差はなくなる

感染
・ウイルス感染、特にライノウイルス感染は頻度が高い喘息の増悪因子

食生活
・観察的研究により、ビタミンCおよびA、マグネシウム、セレン、ω3多価不飽和脂肪酸などの抗酸化物質が少ない食事や、ナトリウムやω6多価不飽和脂肪酸を多く含む食事が喘息発症リスクを高める

 

職業性暴露
・職業性喘息(occupational asthma)の頻度はかなり高く、若年成人の約10%近くが罹患している可能性
・300種以上もの感作物質が同定
トルエンジイソシアネート、無水トリメリット酸などの化学物質は、アトピーの有無とは関係なく感作を生じることがある
・実験従事者では小動物アレルゲン、パン職人では小麦粉の真菌アミラーゼというように、職場でアレルゲンに対する感作が生じることがる。
・自覚症状が週末や休暇中に改善する場合には職業性喘息の可能性が疑われる

 

肥満
・肥満(BMI>30kg/m2)を有する個体群で発症頻度がより高く、コントロールがしばしば困難

 

喘息の増悪因子
→ウイルス感染、薬物(β遮断薬、ACE阻害薬、アスピリンアスピリン喘息))、運動(特に小児)
→生理学的要因;冷気吸入、過換気、暑い気候や気候の変化、一部では臭気や香水など
→食物と食事;食物に対するアレルギー反応が喘息症状の悪化につながることを示すエビデンスはほとんどない
→食品保存料のmetabisulfiteは胃内で二酸化硫黄ガスを放出して喘息を悪化させることがある

 

臨床像
・喘息の特徴的な症状に、喘鳴、呼吸困難、咳嗽があり、これらは自然に、また治療により変動する
・患者は肺を空気で満たすことができないと訴えることがある
・しばしば粘着性で喀出しにくい粘液産生の亢進を訴える
・喘息発作では、前駆症状として顎下の掻痒感、肩甲骨間の不快感、逃げられない恐怖感などを自覚することがある

 

<その他の喘息>
難治性喘息
一部の患者(全喘息患者の約5~10%)は最大限の吸入療法によってもコントロールが難しく、経口ステロイド薬による維持療法が必要な場合がある。


ステロイド抵抗性喘息


ブリットル型喘息
・適切な治療を続けているにも関わらず、一部の患者は無秩序な肺機能の変動をきたす


アスピリン喘息
・喘息患者の一部(1~5%)は、アスピリンやその他のCOX阻害薬で悪化する

(出典)ハリソン内科学 第5版 

 

 上記以外にも、『ハリソン内科学』を読むまで知らなかったこともありました。やはり、教科書(正書)を機会があるごとにしっかりと読んでみることの重要性を認識しました。このクラスの教科書を何もなく、最初から最後まで通読するのは厳しいと思いますが、機会があるごとにその疾患について教科書から深めていくのがとても良いと思いました。

 

 他にも、感染症なら「マンデル」(Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases)とか、膠原病なら「ケリー」(Kelley and Firestein's Textbook of Rheumatology)とかを主に電子書籍で使っています。これらの洋書は、家に紙の書籍を置いておき、無料で電子版(inking)の付いてくるので普段は電子版を場所を選ばずに使うことができるのもメリットです。

※セシル内科学(洋書)も電子版付きで、セシルと同じアプリ内(inking)で使っています。

 

 ぜひ皆様も教科書も読んで新たな発見をしてくだされば幸いです。

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。