"Med-Hobbyist" 趣味人のアウトプット日記

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医学英語論文を読んでみよう START編 & 書籍紹介(医学書ログ)

医学英語論文を読んでみようSTART編)

& 書籍紹介(医学書ログ)

 

Dr.イワケンのねころんで読める英語論文

岩田 健太郎(著)

 

 今回は英語論文を読み始めた時の体験から書籍紹介(医学書ログ)の合同企画のような記事です。「どうして・どうやって英語論文を読んでいるの?」と聞かれた際に下手な駆け出しの私自身が体験談として話すより、私自身の学んだ本を紹介したほうが早くて確実だと思うからです。

 紹介する書籍は、おそらく知らない人はいないであろう岩田健太郎先生の書籍です。COVID-19をはじめ、感染症のお話でもエビデンスに基づいたお話をよくされているところを聞いたことがあると思います。

 エビデンスってなると、日本語だけで情報を手にするのは難しいところがあります。例えば、翻訳に時間がかかっている(例:教科書)、そもそも日本語になっていないというような弊害があります。そのような点を克服していくためにも、英語で情報を入手する必要があると思います。

 

 予めお断りをしておくと、英語がとても苦手(「英語アレルギー」)で、英語論文を読み始めてみようと思う人向けの書籍です。アブストラクトぐらいは自分自身で読んでおり、そこからさらに必要に応じて本文を読みに行くことはしているというような人には少し物足りないかもしれません。さらに、英語論文の批判的吟味がしたい、Journal Clubをやってみたいというような人はすでにこの書籍の次のステップであると思います。次回以降に機会があれば、次のステップの書籍や実際の論文でこの書籍の読み方を紹介をしたいと思います。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51gG4TMfTPL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg

https://www.amazon.co.jp/dp/4840465797/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_0T17TS7421VKA4G5TR9

 

【こんな人におススメ】

  • 英語論文にこれからチャレンジしてみたい人
  • 自信がなく、まずは「これでいいんだ!ときっかけにしたい人
  • 岩田健太郎先生の考え方に触れながら英語文献を読んでみたい人

 

 こんなお堅いことを書いてみましたが、はじめの一歩を踏み出す時はどおしても大変と感じることも多いと思います。そんな気持ちを抱かないように上手にスタートするきっかけになると思います。

 

<本編の流れ>

1.ガイドラインを読んでみよう

2.PubMedでレビューを読んでみよう

3.論文のアブストラクト(概要)を読んでみよう

4.アブストラクトを見ながら、論文本文を読んでみよう

5.図や表を中心に、論文を読んでみよう

6.いろいろな形の論文を読んでみよう

 

Tips

・語彙を増やすコツ

・論文のつくりを理解して、ほしい情報まで近道しよう

(例)英語論文はアブストラクトから読もう

・英語のノリ・クセをつかもう

(例)英語は区切って、「つっこみ」ながら読もう

 →本書内の論文の解説の全体的な流れにもなっています。

 

 上記のような流れになります。何より英語論文の読み方で特徴的なのは、スラッシュで切って読んでいく方法です(受験生の時に使われた方も多いと思います)。

 いきなりですが、本文です。

 

 Both technical factors - appropriate catheter use, aseptic insertion, and proper maintenance - and socioadaptive factors, such as cultural and behavioral changes in hospital units, are important in preventing catheter-associated UTI.

 

 上記のような文章を何も問題なく読めている人は大丈夫だと思いますが、以下のようにスラッシュ等が入って解説されています。

 

 ただ、スラッシュで切って読むだけであれば、この本の魅力は半分以下だと思います。実際に、ユーモアにあふれながら、会話形式の楽しい解説がついています。

 

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  • まず、Both tequnical factors・・・・うにゃうにゃと、techenical factorsの説明があって、・・・(以下略)
  • それぞれ、ダッシュ(ー)やsuch as(「たとえば」)の後に、うにゃうにゃ・・・違った、詳しく説明しています。ちなみに、・・・(以下略)
  • 社会適応要素(socioadaptive factors)についてが、いまいちピンときませんが。 この説明では、病院職場での文化とか行動とかの変容ってことですね。「入院患者はとりあえず尿カテ入れとけや、ゴルァ!」みたいな非理性的な習慣がculturalな要素「手指消毒必要なんだけど、めんどくさいから端折っておこうぜ」みたいな「わかっちゃいるけどやめられない」のがbehaviorの要素です。そういう文化とか行動の変化(change)だけではありません。その辺の変容をもたらすのが、socioadaptive factorsってことです。納得とか、そういうのがないと、技術だけでは減らせへん・・・(以下略)

(出典)Dr.イワケンのねころんで読める英語論文(一部抜粋)

 

 上記のように、解説も読み方や理解する背景を示唆してくれるかのような解説です。

 他にも、自分自身の知っている分野の英語論文は読めるのに違う分野のものになると読めないというのは、自分の分野の場合は知識で補っているのであって英語で読めているわけではないというような示唆もありました。

 文字だけで読んでいても、社会適応要素がイメージできなければ理解するのがつらいと思います。一方で、うにゃうにゃというようなメリハリの利いた読み方も大好きです。

 

<論文の読む順番>

 Tipsからの例です。まずはアブストラクから目を通します。英語論文はアブストラクトから読もう(そしてこっそりConclusionから読んじゃおう)という項目では、

  1. Conclusion
  2. Results
  3. Methods
  4. (Background)

の順でこっそり読んでいる人もいることが紹介されていたりします。結論を把握できていると、その他の内容も把握しやすくなるためです。(初心者向けに、Methodsが研究において最重要部分ですが、最初はあえて軽~く読みましょうという配慮まであります。)

 

<論文の構成とコツ>

 アブストラクトの次に本文の気になる部分を読んでいきます。すべてを読むというよりもメリハリをつけて、Introduction(Background)からDisscussionまでの読むコツまであります。ざっくりと言うならば…

  • Introduction:論文の内容にあまり詳しくない人は丁寧に
  • Methods:「批判的に読む」のが重要!
  • Results:特に注意したいのは”Table1
  • Disccusion:特にLimitationに注目!

 論文のテーマの分野のことについて知らない場合には、下手に教科書を読むよりもBackgroundを読むことでその分野の最近のことが分かることもあります。

 

 最後は「本当の戦いはこれから」ということで毎日英語を続けてくださいねということがこの本でも書かれています。

 そのきっかけにおススメの一冊です。詳しくは書籍内で解説・説明されています。

 教えあうことはとても素敵ですが、我流の中途半端なところで教えあって変な癖がつくよりも、何か本などを軸にしてみんなで教えあい、相談しながらやってみるとかもよいと思います。ぜひ、今の自分から前進するきっかけにしてみてください。

 

 分類上、書籍紹介以外にもなぜ「その他」なのかというのは、英語論文を読む際の土台になっているからというのと、自分自身のビンっときた内容を中心にまとめすぎたからです。この先、生じた疑問を調べつつ論文を読んでいく際には「PICO(PECO)」などを意識したりするとよいかもしれません。

 

続編

 これを記念して『Dr.イワケンのねころんで読める英語論文』を意識して実際にNEJMの論文を読んでみました。よろしければ、ご覧ください。

https://mk-med.hatenablog.com/entry/2021/11/26/172115

mk-med.hatenablog.com

 

【論文を読んでみたい方へ】

PubMed

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/

(検索語画面の左側に”ARTICLE TYPE”, ”TEXT AVAILABILITY”などがあるのでそこから、無料の論文、レビューだけなど絞り込みができます)

 

New England Journal of Medicine(NEJM)へ

https://www.nejm.org/

書籍の中でも用いられていた文章も主にNEJMからでしたので、紹介させて頂きました。他にも、余力があればJAMAやBMJなどもよいでしょう。

 

 本日もお読みくださりありがとうございました。