"Med-Hobbyist" 医学の趣味人 アウトプット日記

医学の趣味人"Med-Hobbyist"のブログへようこそ。医学に関連する「なぜ」・「なに」といった好奇心を大切にする場所として、体験・読書をシェアする場所として、過去の失敗談やヒヤリを棚卸する場所として、傷を舐め合う場所ではなく何かヒントを得られるような場所にしたいと思います。少しでもお役に立てば幸いです。

読書ログ: 【Dr.K】医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話|節税・資産運用

読書ログ(書籍紹介)

医学生・若手医師のための誰も教えてくれなかったおカネの話』~節税・資産運用~
Dr. K(著)


 この業界では話すことすら一種のタブーにも感じている「お金」に関する書籍です。

 この書籍は少し前からあったのを知っていたのですが、このタイミングで書店で手に取ったところ、はじめの項目の将来の年収(一般的な医師の収入源や年収)とかが立ち読みで気になった書籍です。どれぐらいの貯金計画が必要なのかといったような一般論や、お給料に加え、節税や資産運用をはじめとする一般的全体像を知りたくもなりました。例えば、独身であり、それなりに貯金があれば将来のファイナンスのことを今この場で気にする必要性はないと思いますが、家庭ができた際にそこで初めて悩んでも大変だと思い、このタイミングで読みました。医学生や医師向けということで特化された情報の有無が気になります。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51B1LwqsmKL._SX350_BO1,204,203,200_.jpg

 

【こんな人に読んで欲しい】

※書籍のタイトルにある通り、若手医師ぐらいまでが主な対象になると思います。

  • 医師になればお金のことは考えなくても大丈夫だと思っている人
  • 将来の一般的な医師の年収を知りたい
  • 大学の医局に入るか悩んでいる
  • 家庭を持った後、子供ができた後のことを考えたい
  • 節税に興味がある
  • 老後の備えが不安
  • 保険について知りたい 

 

 書籍の中では、収入編、支出編、節税編、資産運用編、保険編、その他という順でお話があります。いずれも具体的な方法論を知るための本ではなく、まずは「こういう概念・やり方」があるということを知るための本になっていると感じました。例えば、節税編の中では個人型確定拠出年金iDeCo)のお話もあります。概念すら知らない人には、医師になってやっていく上でひとまず必要なものに上手に絞られていると思います。

 そもそも、医師になれば医局に入ろうが、留学しようが、常識の範囲内で何かをしようがお金には困らないと思っていた学生(医学部生)や高校生にも、考えるきっかけになればと思います。医師の平均年収ぐらいであることを前提にして、留学や家庭のことをぼんやりと考えていたけれども、実際に大学の医局に所属する際の給料でやりくりするとなれば、思っていた以上に給料が低く、事前に準備をするなり、いろいろと考えることがあると思います。

 私自身は留学(というより海外)に興味があり、想定(医師の平均年収で考えた場合)以上に早めからお金を貯めておく等の対策を取る必要性があると感じていた時期もありました。

 保険では医師賠償保険というような学生には聞き慣れないと思われるものもありました。初期研修を終えるまでには必ず考えておくべきことも含まれているのではないでしょうか。


 この大学に入る前から個人的に株式投資をしていたこともあります。その辺りのことで知っていることは周りの同期よりも多いとは思うのですが、医師としてのお金の話は知らないことが多く、マネリテラシーが低い人が多いので、買ってみて良かったと感じるもそれなりにいると思います。

 この本をきっかけにいろいろと考えてみる、調べてみる、行動を始めてみる、そのようなはじめの一冊のような書籍でした。

 ふるさと納税、様々な控除など、初歩的なことも知らない人であれば、本当に価格に見合った内容であるかの妥当性が分からない有料Note(しかも高額)を買うぐらいなら、まずはこれぐらいからで良いのではないでしょうか。

 

 一方で、既存の多くの人が歩むキャリア+αや節税についてのお金の話であり、お金についての知識が疎い人向けの本でした。医者向けの本の中では、これぐらいの浅さ・広さの方がむしろ需要がある面もあるとは思いますが、それなりに知識がある人が読むと、これだけか…、となる面は否定はできません。また、最近東大医学部の卒業生が起業するというような話も耳にはさみますが、その方面でのお金の話ではなかったというのも少し残念な気もしました。そちらの(既存の臨床医や、それ以外の医系技官や製薬会社のような雇われる以外の)お話ももっと知りたかったです。でも、それはお金というより、キャリアの話かもしれません。また、タイトルで医師向けを謳う書籍ではないもののほうが、そういう人には向いているものは多そうです。

 まずは、キーワードからしてもふるさと納税をはじめとする節税など、身近なところからという感覚で始めてみたい人には良いと思います。

 

 よくありそうな勤務医としてのキャリアを始めていく上でも役立つような「まずはここから」というような内容です。開業して、副業をはじめて、地元の信用金庫や地銀にお世話になるというような話ではありませんのであしからず。

 

 

【Dr.Kの株式投資戦術】

 今回の読書ログのDr.Kの書籍と比べ、株式投資に特化した本もありました。株式投資(個別株)に興味はあるものの手を出したことがないぐらい人にとっておススメの書籍です。株式投資的を絞っており、内容も今回の書籍以上に具体的な感じが好印象でした。

mk-med.hatenablog.com

 

【個人のお金の話を全般的に】

 節税資産設計・ライフプランニング、相続、年金保険金融商品、不動産といった個人のお金の話をもっと広く学んでみようという方にはFP(ファイナンシャル・プランナー)という資格勉強をきっかけにするという方法もあります。

mk-med.hatenablog.com


【つみたてNISA×投資信託の選び方】

 研修生活スタートなどで働き始めたり、仕事に少し余裕ができてきて資産形成について興味が出てきた人はいかがでしょうか。NISA制度により、院内PHSにかかってくるいかがわしい勧誘とはことなり、国の制度として運用益の節税になります。

mk-med.hatenablog.com

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。

 

 今回取り上げた書籍です。アマゾンの読者レビューをはじめ、気になる方はチェックしてみてください。

 

 


P.S.

 最近は、いつも以上にミヒャエル・エンデ(著)の『モモ』のような全く医学と関係ない本を読んだりもしており、書籍紹介の頻度が少なくなりがちであると感じました。そちらの本の紹介もやろうか悩んでいますが、際限がなくなってしまうので、しばらくは現状維持とします。