"Med-Hobbyist" 医学の趣味人 アウトプット日記

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初期研修病院選び(マッチング)|研修先チェック項目etc

初期研修病院選び(マッチング)

~研修先チェック項目~

初期研修先の決定まで・研修開始後を振り返って

 

<目次>

 

 在学中に勉強会サークルの設立や活動を支えてくださった先生と偶然にも空港でお会いしました。「今だからこそ記憶が鮮明なうちに残せるものを書き残して後輩へ伝えてほしい」と言われました。このブログをはじめたきっかけは「やって良かったと思う勉強法」についてでしたが、今回は先生とお会いしたのをきっかけに「研修病院選び」について書いてみることにします。(その後、後輩からも質問を頂きました)

 世間的には国家試験の結果発表を終えた時期、私もこの時点での振り返りとして研修先病院を実際にどのように探してきたかを紹介するものです。初期研修病院を探すうえで私自身がどのように考え、どのような点を見てきたかを紹介します。 

7.【反省点】チェック事項を含む部分が、一般的なところではあまり紹介されていない研修をしてみた入職後の反省点です。すでにいろいろとすでに一般的な病院のチェック・検討をされている方には7.【反省点】をご覧いただくことをお勧めします。

 

 

1.初期研修の具体的な目標は?

 私自身は、初期研修においてファーストタッチをしっかりとできるようになりたいという希望や、BPSモデルのB(Bio)の部分をとりわけしっかりと研修したいという希望、家庭環境やこの先の進路から、救急や内科をしっかりとやれる病院を探すことにしました。まずは、皆さんも初期研修における軸となる目標をみつけると病院探しに良いかと思います。

 それは、将来どのような医師として働きたいか(診療科だけでなく、どのような夢や目標があるか、どのようなワークライフバランスでありたいか)によって、初期研修における目標を考えるようにしました。

 

 

 

2.チェック項目のアウトライン

 いきなり具体的に初期研修先をチェックする際の項目・条件と言われても困る人も多いと思います。また、従来からの記事の部分でチェック項目の箇条書きで、まとめにくく失礼致しました。そこで、どのような点をチェックしたらよいのかアウトラインとしてスライドにまとめてみました。

臨床初期研修病院選び(チェックリスト)

 上記のスライドはあくまでチェック項目です。例えば、スライド中の「当直・日直・待機の回数/制度」というのがあります。回数と言えば、見学時に何となく研修医の先生に聞けば教えてもらえますが、少し良く言われたり、直観的な把握になってしまいます。当直は初期研修医を必ず毎晩2名配置するシステム(制度)で…とか具体的に聞ければ、客観的に把握できます。

 他にも「大変な診療科」とありますが、例えば、診療科部長の先生へのローテーション前のご挨拶や人間関係が大変であるとか、1回経験しないと想像しにくい話もあると思います。その辺りを具体的にこの記事で後ほど、もしくは「初期研修 中断のトリセツ ~お休み90日までなら2年で研修修了可能~」といった関連記事の具体的な話から、チェック項目具体的な内容を肉付けしてもらえればと思います。特に、7.【反省点】にて入職後の反省点も書いています。

 このスライドをチェック項目としても、全体図のようなものとしてもお使いいただければ幸いです。それでは、具体的な話に行きたいと思います。

(2022年9月末にこのセクションを追記)

 

 

 

3.見学先 絞り込みの条件

 では、具体的にどのように探したのかを紹介します。まずは、データ的な部分からある程度の絞り込みをかけました。

  • 立地、地域
  • 給与、賞与(ボーナスの有無も)
  • 宿舎の有無・必須(安くて満足できる宿舎があれば、実質給与UPのようになる、必須は困る等)
  • 家賃補助、引っ越し費用の補助の有無
  • 当直回数(データ上)、当直時間帯(準当直、当直)
  • 救急車の台数(たくさん診たい人のスクリーニングとして。台数はあっても初期研修医のファーストタッチの割合次第)
  • 何次救急か(どのような疾患がみられるか)
  • 診療科、先生
  • カリキュラム
  • 同期の人数
  • 出身校
  • (お世話になった先生からのおすすめ・ご縁)
  • (宗教、思想)雇用契約・法律を超えてよいと思えるか等
  • (雇用体系や保障 ※特に出産等を考えている場合)
  • 3年目以降残るか(上記以外にも残る場合の勤務体系・公務員扱いやアルバイト・副業の可否、医局、都会の人気診療科であるか等)
  • (出願必要書類等の手間/手書きの必要性)


 大学病院と市中病院に関しては、初期研修での目標や、上記条件で絞り込みを行うと自然とある程度決まってくると思います。また、大学病院でも希望の診療科がないこともあるので、はじめから私は大学病院だけを候補にするとか、市中病院だけを候補にするということはありませんでした。

 

 カリキュラム(表の系統だったプログラム)は、たすき掛け先をはじめ、チェックするのは言うまでもないと思います。救急車の台数というのはあくまでも目安ですが、初期研修医の人数に対して救急車が来なければ、そもそもファーストタッチは厳しいと思います。さらには、診療科に自分自身の好きな診療科・興味のある診療科があるかというのは大きな指標になりました。
 立地(地域)に関して、本人だけでは決まらない面もあるかと思います。地域枠はもちろんのこと、家族・パートナーとの関係性などによっても絞られてくることと思います。地域によっては閉塞感のある場所や医局の強さ、さらにはもっと細かい立地によって2次救急でも実質的な地域の拠点病院として3次救急寄りの症例の数、民度(患者層)・ファーストタッチの度合いへの影響などもあります。

 給与に関しても、独り立ちして病院の近くに住むことができるかをクリアしているかを考えることができればよいと私は考えましたが、人それぞれのバランスがあると思います。給与も、労働時間当たりにして考える場合は本来であれば労基が入るようなブラックからホワイトまであるでしょう。

 立地では東京を最優先、特に3年目以降に人気診療科に行きたい場合はそれら後期研修のある病院に行くというような視点もあります。他にも、東京のような激戦区では、「どういう人材を病院が必要としているか?」を考える必要性が高まります。就活でも同じですが、必要とされている人材を演じ、心電図検定のような資格で競うよりも、面接やエントリーシートではQOLを求めない」・「ブラック部活のような環境に適応できる」側の発言を取り繕うなどの対策や演技が必要となるところもあるでしょう(そういう病院に第一志望で行きたいかはさておき、第二志望等で考えている場合も含む)

 出身校の偏りはその地域性もあるので仕方がないとは思います。私自身は様々な大学出身の人が集まる方が刺激が大きく成長しやすいと思ったため、出身校が様々な傾向にある病院を優先しました。地域によって、○○大学系列の病院は見学に〇回以上、学外病院実習で選択した方が良いなどという噂も聞きました。

 お給料に関して、額面から税金・社会保険費用等で引かれるお金がそれなりにあって手取りと解離があります。レジナビなどのお給料の記載は額面と手取りなどバラバラなので必要な手取りの金額があるかを考えました。病院の近くに住むことを前提とした家賃などを計算して、自立できるかを最低限確認しました。寮や家賃補助、実家から通える範囲であると東京都内の薄給の病院でもなんとかなるかもしれません。医学書を買うことや急な出費、せめて月に3万円程度の貯蓄として積み立てNISAをすることなどもそれぞれ考慮し、立地(主に家賃)や光熱費、食費などから計算してみましょう。

 また、ストレスによる出費の増加も見越した方がいいかもしれません。2年目で住民税もかかることや、3年目に向けた準備や学会、引越し費用も考えると最低でも額面20万円後半/月ぐらいという人も少なくないと思います。仮に額面で月30万円だとすると、所得税20%、住民税10%、厚生年金10%弱、保険料(6%前後)などが引かれます。

 薄給でも税金、年金、社会保険料が高く感じます。将来、もっと稼ぐとさらに税率も上がったり、貰う金額は同じなのに稼ぐほど月の納付金額が増える年金に違和感を感じるかもしれません。はじめの一歩レベルのマネーリテラシーは以下のような本でも掴むことができます。全体としてマネーリテラシーが低いゆえに専門職のダンピングをされている面があると感じますが、全員にこの本まで必要かは微妙です。

 

 他にもレジナビにも2回ほど行って、実際にお話を聞くことがありました。研修病院の一覧する本では見逃していた病院を知る機会にもなりました。それ以上に研修医の先生とお話できるところでは、雰囲気を垣間見ることができました。

 

 このような条件からある程度自分が行きたいと思う研修先が絞られてきた後が、初期研修先選びの本番であると思います。現在は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で十分に見学に行けないこともあると思います。オンライン説明会も便利ですが、やはり見せるところを選ばれやすかったりもしますので、オンライン説明会で映る部分(多くはデータ的な部分や表向きな部分)以外に、大切であると思う部分がたくさんあり、そこをチェックしてお欲しいと思います。一般企業であれば、就活生と直接やり取りをする部門は好印象の人を選んで配置しているところもあります。しかし、働く時に一緒になる人は、それ以外の会社の人が主となります。可能であれば必ず直接見学に行くことをお勧めします。

※すべてありのままが見えるわけではありませんが、見学に行けば、オンラインや説明会以上に、病院側が説明会等で見せようとしていないリアルな面が知りやすい状況になります。

 

 

 

4.見学時にチェックする項目

 実際に見学に行った際には病院全体の雰囲気はもちろんですが、次のような部分を見ていました。また、見学の希望診療科は救急や興味のある診療科を中心にリクエストしていました。

 

<実際の見学時にチェックするところ>

  • 研修医の先生の自主性
  • 上級医の先生から研修医へのフィードバックの有無
  • 実際に何次救急か(断らない救急だと3次でも酔っ払いまで運ばれてくる、小さな地方都市で2次なのに3次クラスが来る等)
  • 救急等での研修医のファーストタッチの程度(台数が来ていても乖離あり)
  • 救急等での研修医1年目と2年目の違い  →この病院で研修をすれば、2年目にはこの程度ファーストタッチができるという目安になる。
  • 研修医の雰囲気  →明るい・楽しそうかはもちろん、真面目さが自身と合うか、泥臭いことを皆でやっているか?押し付け合いはないか?等
  • 研修医室の形態
  • 休憩場所や食堂/売店、更衣室
  • 私自身の1つ先輩の学年の研修医の雰囲気が合うか?  →見学に行った後に、ある程度候補が絞れてきた場合は6年生のときに雰囲気を確認することをお勧めします。
  • 出勤時間や帰宅時間  →診療科ごとの帰宅時間や、病院全体での帰宅時間への気遣いなど
  • お給料(残業代の有無)
  • カルテ業務等(サマリー等)のしやすさ・している時間帯(パソコンの台数・場所)
  • 実際の当直時のお話or見学(忙しさ・指導体制もチェック)
  • 当直時の勤務体系(宿直/当直/夜勤の扱いや、給与体制)
  • 病院内での研修医向けの勉強会の内容や頻度・時間、参加率や雰囲気等  →究極は自分に合うかということを考えるために、いろいろと見ました。勉強会も院内でやる必要性や質、さらには出席するという同調圧力など。
  • 見学回数、試験情報(過去問までいかなくてどんな感じであったかも)
  • 給料

※出身大学による採用されやすさに関しては、はじめから明らかな偏りのあるところではもちろん聞きませんでした。

 

<+α>

  • 寮の部屋、住居(プライバシーや快適さなど 例:ユニットバス、ウオシュレットの可否)
  • 建物の新しさ(私自身はあまり重要視していません)
  • 病院の周りの居住環境(スーパー等)  →見学中に先輩からお話を聞くことができるときもありました。地方見学の際には同世代として必要なものがあるのか・車が必要かというような参考にもなりました。
  • (病院との連絡)  →とある病院で見学のお願いをしてから、日程の確定までに1週間以上かかったこともありました。
  • どのような有料文献の契約や図書室があるか

 

 あとは、私自身はこの項目はこの基準を超えたら満足とか、この項目は相関的に上がれば上がるだけ良いとか、バランス付けをしましたが、やはり最後は初期研修での目標に立ち戻って、受験する候補や希望順位を決めました。

 

 

 

5.滑り止めについて考える

 私自身は絞り込みをした後に、見学をして順位付けをしました。他にも、滑り止めとして出身校の大学病院を受けるというような人もいると思います。設定した条件のうち、譲ることができる部分やその程度を考えておくとよいと思います。例えば、希望診療科の有無は譲れないが、地域・立地は譲ることができる(むしろ、郊外へ行くと給料が増えることもあります)、というように自分自身で調節し、過去の人気度(倍率)を見ながら滑り止めになりそうな候補を増やせばいいと思います。

 また、マッチング先が決定すると、留年や国試浪人にでもならない限り、必ずその研修先で研修を開始しなければなりません。中には、マッチングの際に大学病院を滑り止めとして順位を下の方に書いて、大学病院に研修先に決まりがっかりしていた人もいました。逆に、1次マッチングで決まったことで2・3次マッチングまで考える必要性がなく、精神的な負担を少しでも少なくして国家試験対策をすることができた人もいました。自身の性格等も考慮するとよいと思います。

 

 

6.実際に見学にいってみよう!

 病院見学の申込方法(メールの文面)や、見学の際の服装など、他にも気になる方はGoogleで検索してみると見つかったり、下記の様な書籍もあります。もちろん、この本やネットのやり方が絶対に正しいひとつの方法ではありません。あくまで参考程度です。

 私自身が一番はじめに偶然手に取ってマッチングの部分を参考にした(かじった)本は『マッチング対策 (シリーズ まとめてみた)』 、天沢ヒロ(著)でした。気がつけば、国試対策が追加され改訂されていました(改訂版を読んだことはありません)

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51gC-BAV2IL._SX351_BO1,204,203,200_.jpg

 

 

 他にも試験を受ける病院が決まった後にはTECOMの『ハローマッチング 2020―小論文・面接・筆記試験対策のABC』 にて過去問について調べたりもしました(毎年、出版されている)。

 他にも研修病院の情報としてHokuto residentも参考にしたりしました。

www.hokto.jp

 口コミサイトもですが、見学生がお客さん対応を受ける病院なのか、実習生のような対応を受ける病院なのかと、その程度でも口コミ評価は変わってくるので、あくまで参考程度でもあります。また、多くの見学生は、親しい先輩から聞いた裏話までは口コミサイトに書かないと思います。

 また、給料・口コミ評価、立地などの数値的なスペックがいいのに結果的に人が集まらないところも、要注意かと思います。

 

 

 

7.【反省点】チェック項目

 反省点は研修医として病院内部に入り見えてしまったゆえの重たい部分もあるかと思い、追記にしました。今だから感じる大切なことは「2年間を無事に終えることができるかという視点や、有名で/ハイパーでキラキラしているところでも3年目によほど直結しなければそこまで大差がないかもしれないという一歩引いた視点が大切だと感じましたん。あくまで研修制度とはいっても就労ということでハイパー・ハイポだけでなく、やりがい搾取されていないか、サービス残業(自己研鑽)がどれだけあるかというようなブラックホワイト大切であると思います。むしろ、ある程度のハイパーまでであれば、ブラックかホワイトの方が大切かもしれないと感じました。雇用契約を守ったり、搾取でない状況で、やりがいやハイパー・ハイポ等が各個人とマッチするとよいというようなある程度、順番も大切であると感じます。ワークライフバランスも幸せ な生活のための手段のひとつであると思うので、各個人の塩梅になってくると思います。

 また、2年で完成するということもないキャリアなので、2年間だけ限界に挑戦してみて変えるもよし、持続可能な働き方を意識してみたりするのもいいと思います。あまりチェックしなかったり、楽観視しすぎたりすると痛い目に合うかもしれませんし、学生の時には想像もしていなかったような現場の”常識”に触れることから考えを改めることがあるかもしれません。

 他にも下記の様な点を見学の際にチェックできたと反省しました。他にもスーパーローテーションの宿命として、全ての診療科に興味を持とうとしても、興味のある・持った診療科だけではないのが現実なので好き診療科等を伸びしろにしやすい環境や、生活のベースラインを整えておく意味で残業休暇、福利厚生やお給料のチェックも欠かせないと感じました。

 教育研修システム明文化されているものか、そのときの責任者の裁量によるものか、という点も責任者の交代時のリスクにもなります。仕事の評価を明文化されており、それがしっかりとした定量的なものであれば、気疲れ少なく明確だと思います。定性的な評価では、その上司に気に入られるかというような評価する側の主観で判断されます。例えば、「頑張りが足りない」とかが定性評価のよい例でしょう。意見を申してコミットするにしても、最後は上司の判断となってきますので、これこそ明文化されていた方が各日であると感じます。また、教育研修システムそのものではなく、基本的な給料や福利厚生ではなく、社員旅行のようなプラスαの部分で良さを推すのは、研修の理念や研修システムそのもので推しているわけではないということは注意かもしれません。

 そして、ハイパーやハイポだけでなく(以上に?)、雑務による忙しさか、明らかに歯車的な存在として扱われるか、充実感のある(教育的な)忙しさか、「楽しめる」(責任範囲内でやれることが明確なことや主体性、上の複数の意見の板挟み)かというような点や、自分はこれをされたら折れるという点(例: 勤務上はお休みの日のサービス残業のオペ)というような限界点もかなり大切です。お忘れなく。

  • ブランド等への幻想の強さ(学生時代に思った以上に薄給/ブラックが堪えたり、研修に違いを感じない同期もいました。勉強会・学会に参加している一部の学生は教育系病院への思想・信仰が強い人もいました。)
  • 定員割れ・定員減のリスク(当直回数等に影響)
  • 初期研修医ありきか(例:救急外来が研修医前提で回していると、当直回数は研修医内で必ず全日必要数を確保→定員減のリスク、連休は休みにくい、有給日にも夜に当直がある等)
  • 退職/休職のリスク(中断はまだデータとして分かりやすいものの、中断に至らないまでもお休みした研修医の数・程度。※どうやってチェックするのかは信頼できる先輩でもいないと不明)
  • 休職やバーンアウトからの戻りやすさ(復帰時:半日からなど臨機応変さ ※さらには病院の柔軟さの一部の指標にもなりうる。休職した先輩や同期を見ているだけでもかわいそう)
  • 研修医室などの空調(時間外や休日には空調がつかない)
  • 研修医の医療外の仕事(医局お掃除、ごみ捨て等 ※もちろん夜にサービス残業となることもある)
  • 当直の勤務体系:夜勤扱い/宿直扱いなど → 当直中の身体拘束と勤務の一致(当直室で寝ている時間は勤務外扱いだが下宿等へは帰れない、引継時間以降はサービス残業宿日直扱いで時間外割増がつかない等。研修医も意識していない場合もある。)
  • 何次救急かはあまり参考にならない疾患の偏り:近くに循環器センターなど、断らない救急で酔っ払いが多い等。指導体制:指導体制のなしで研修医だけでこなさないといけない自転車操業状態の救急か、ぼちぼち余裕のある指導体制のある救急か)
  • ERローテと当直・日直時間帯の違い(指導の有無も)
  • 日直の扱い:プラスの給料(時間外手当)?機能した代休制度
  • チーム制と主治医制(休日と言えど、どの程度休める?)
  • 土日や夜の当番制の徹底度(土日や夜にふいに電話がかかってくる?休まる?)
  • 有給やリフレッシュ休暇〔システムとしてリフレッシュ休暇期間をとれるのか、ただ事務から具体性なく有給とってくださいねと言われるだけで診療科との調節はしないのか、取れない(有給扱いの日に自己研鑽として出勤なのか)等
  • サービス残業の有無と程度〔例:引継ぎ前後、夜、説明会) →出勤時間管理の形態もヒントになる面もあります(※一般企業であれば、出勤簿に印鑑押すだけの昔からの形態のものであれば後で残業時間が何とでもなりうるが、タイムカード、ましてや会社の入り口の社員証が必要なゲートは動かぬ証拠になってしまうため社員の残業時間が増えないように気を使う傾向がある、ハンコ文化で同じハンコを事務に預ける等) レジナビのようなリアル会場での説明会のときに横についてくれた研修医に「今日は時間外いくらもらってるんですか?」って聞いてみましょう笑
  • 連続勤務日数(土日の説明会等にサービス残業として駆り出されていると出勤簿では"休日"ですが、休日の当直等も含めて実質連続14日勤務もザラです。)
  • 固定残業代の場合の残業時間の実態(例えば月に40時間の残業代を固定でもらい、青天井に残業しているなど)
  • 引継ぎの程度(本当に時間で引継ぎか、職務時間よりかなり前に集合か?、引継時間までに来た人を全部診るのか)
  • 食事(時間がなくて食事以外に楽しみがないときもあります笑。病院によって事務に注文すると日替わりでお弁当が頼めたり、そもそも良い食堂があったり。他にも当直の際のお弁当に関しても:文化として救急で忙しくても研修医が上の先生の要望含めて注文を取りまとめるところもあったり、おいしいお弁当が貰えるところもあったり。食事のみがQOLになるときに大切!
  • 電子カルテの使いやすさや台数(職務後に空いているカルテを探したり、夜に残ってカルテを書いたり、カルテの落ちやすさ)
  • 実際の給料(ただ「いくら?」とポジショントーク的に答えやすいように漠然と聞くだけでなく、当直・日直代や残業代の有無含む金額か、額面か手取りかも注意しましょう。 例:救急当直が勤務上は宿直扱いで呼び出し時のみ時間外手当がつく、引継時間以降は引継できなくてもサービス残業等 ※人によっては給与明細を見せてくれた先輩もいました)
  • 有給・長期休暇時の当直の有無(研修医内で当直を回し、回数も多いところは有給の日の夜に当直に入らないといけない場合もある。仮に長期リフレッシュ休暇があったとしても分断される。)
  • 当直の引継ぎ(勤務時間内に来た人全員が帰宅後・入院後まで、時間で途中でも引継ぎなど)
  • 当直明けの帰宅時間、帰宅前の業務
  • 当直とローテ先の兼ね合い(例: 地域研修のときは土日に日直・当直ばかりで辛い等)
  • 当直室(シャワー等、部屋は個室?、静かさなど ※そもそも寝れない病院もある
  • 休憩/昼食時間(ER、内科、外科などによって異なるが、お昼ご飯の時間が10分しかないなど)
  • 研修中の経験症例のレポートの提出のしやすさや提出形式
  • 院内の売店や食堂、周りのお店の営業時間(帰宅が遅くなりがちなので夜遅くまでやっているか)
  • 更衣室やロッカーの有無/寮からユニフォームでの通勤前提?
  • 知り合いの先輩からお話を伺ったか(どれほど親身なお化粧のない情報か!?、ポジショントークか?、どんな価値観の先輩か
  • 先輩と親しい後輩もその病院で研修しているか(ポジショントーク抜きの話で同じ病院に積極的理由で入ったと考えられる後輩。特に地元などや出身大学の近くといった地域的な理由もない場合は信頼性が高い)
  • いろいろな大学から集まることの意味(全国区で有名?地元では実習で来た学生から人気がない真の情報の伝わらない他大学の後輩が交互に受験するだけ?)
  • 研修の診療科が変わる毎でのつながり・シームレスさ(その診療科をから次にローテーションしていった後のつながりや連続期間や連続性、配慮)
  • ローテーションでの診療科へのご挨拶〔院外研修時でも直接(有給・直明けの昼過ぎに等)が必須?配慮など〕
  • ローテーションの決定時期(分からないことの多い入社時に2年目のローテも決める?)
  • ローテーション先/地域研修先の実質的な選択肢の自由さ/多さ (例:地域研修の記載先だけでなく、外来研修の日数などで実質行ける研修先の数も注意)
  • 説明してくださった先生のポジション/価値観(教授のように既存のシステムで上がりきった人であれば、「医は仁術なり」というようなことや研修は学びというような点しか触れなくても、そもそもその人はポジション等が保証されている人で他の視点が抜けている可能性が上がる。宗教観等に染まってない中堅の先生の方がその辺りは参考になる可能性が高い。)
  • 若手・中堅の先生〔よく指導してもらうことになる先生の考え・価値観、若手・中堅の先生が抜けてしまう環境かのチェック(医局で送られてくるだけの場合もある)〕
  • 先生を目当てに行くと転勤などのリスクもあるので、カリキュラム・制度もチェックする
  • 研修中に相談してくださる(研修センター等の)先生方の考え方/価値観(安心して相談できる人? 給料のことは聞くなとかいう人? 女性であることを意識しろとかいう人? チームマネジメントに興味がある人?など言葉・文脈・雰囲気含め)
  • 後期研修の同一病院での継続率〔残りたくて残ったか、有給などがとりにくく見学に行きにくくて残った(消極的理由により残った)か?〕
  • 院内の研修医勉強会の運営方法(学生のときのような準備に手間のかかる勉強会か?事務がどれぐらい準備等してくれるか? ※準備に手間がかかるのに新しめのエビデンスでもなければ院内の慣習的なことレクチャーだけであれば、院外のもの(例:CareNet)に申し込んだほうが良いこともある)
  • 院内・研修医内での係(小学校の〇〇委員やごみ捨て係みたいなもの)の有無や程度(充実、積極的、サービス残業的、面倒、本来は事務の人がやること?など)
  • 研修医室のありがたさ(特にサマリ作成などの自己研鑽の時間を考えると、働き始めてリラックスできる環境がより大切になりました。)
  • 入社時の歓迎会(コロナで今は消滅しているところがほとんどだと思いますが、この界隈では全身タイツとかではなく、男性では局部を隠す裸芸なども笑 どうしてもだめな場合は研修先を考えましょう)
  • 面談(普段から打ち解けたり相談できる環境が大切、普段からかかわりのない/頑固な先生との形式的な面談は行くだけ面倒で調節が手間でむしろ負担)
  • 有給がとれる/とれないような診療科の有無・程度
  • 当直時・後の放射線科医の読影の有無(振り返りのしやすさ含め)
  • 研修医以外の求人情報(職場の雰囲気・給料・立地などのトータルバランスから辞めていくことが多いかの指標として、常に求人をしていれば、何かありと思います。立地ならわかりやすいですが、…。 ※職種間の解離や医局との関係もあるので参考部分もあり)
  • 複数ある寮から選べるか〔広さや設備、禁煙/喫煙(※関係ないほど修繕・ルームクリーニングされていれば別)→選択肢の中で最低を想定する(※最低の選択肢を見せていない場合もある)
  • 部屋(寮)のバスタブ(私はなで肩で肩こりしやすいのですが、浴槽が小さく肩まで全部お湯に浸かることはできないときには困りました。また、全自動のお風呂(追い炊き可能)はお風呂に入る人としてはお湯を無駄にしないので水・ガス代が安い以上に便利。ウオシュレットなしは特に困りませんでした。)
  • 寮への配達方法(同一敷地内(住所)だと、荷物が病院に届くことがある:お茶を買ったときに病院に届くと大変だが、ゆう〇〇はいつも病院の事務へ届けてくれるだけならまだしも、事務不在の土曜日には受け取れるはずの荷物が事務に行ってしまい月曜日まで受け取れないなど。)
  • 駐車場(出入口の中に段差がひどいところがあり、スポーツカーでもないのに何度も車のお腹を擦りました、駐車場の大きさ・遠さ ※病院の駐車場に合わせて車を買い替える人を除く)
  • 部屋の洗濯機・冷蔵庫(タスキがけの1年という短期間であれば大型家電はお金がかかる(レオパレスなども考慮)/時短道具のドラム式洗濯機が置けるか)
  • 福利厚生/研修という名の全員参加の会〔例: 病院内飲み会、全員での旅行・出し物等。トップは気持ちよくなれるものの、下っ端は有給の方が効果が高いことが多い。〕

 

 同期がどのような人たちになるかはやっぱり最後まで運ですかね。

 

 家賃補助や寮の有無のように研修先の決め手の一部になるわけではありませんが、寮の場合は特に入居可能時期駐車場の使用開始時期は要チェックです。寮の入居日が3月末となれば、引っ越し代が高くなり、15万円を超えることもザラです。数週間前に入居可能日を知ってから、見積もりをとったら、荷物が少なくても15万円程度で冷蔵庫などは捨てていく方が良いという選択に至りました。入居日より駐車場の利用可能日がアナウンス上では1-2週ほど後のため、駐車場を考えるのにも苦労でした。

 あとは、引っ越し費用に加え、初任給は5月に振り込まれるところも多いため、少し貯金しておいた方が良いかもしれません。また、3年目の引っ越し費用も考えておかないと、その病院で継続以外の選択肢がなくなってしまうかもしれません笑

 また、お給料が良くてもストレスフルな職場や立地などの環境要因、ストレス発散にかかる費用・方法等で出費が増えてしまうこともあります。高消費(浪費?)の危険性など、トータルで考えてみてください。ストレスフルで薄給という組合せであれば、考えものでしょう(働き始めても実家からの補填がある人もいました)。

 他にも、人や場所によっては臨床研修を通じて、厳しすぎて・ワークライフバランスを優先して3年目以降病棟の有無や保険診療だけでなく、臨床に進むかどうかを含めて根本的に見直すきっかけとなったり、ちょうどよい厳しさでやりがいや成長を感じて前進あるのみという状況となったり、臨床医での結婚や家庭の在り方を意識したりと、研修を始めてみればさらに視点も増えると思います。様々な可能性(選択肢は狭めない方がいいかもしれません。

 

 

 【補足】 当直回数・勤務形態の客観的把握

 見学の際やレジナビのような際に当直回数を聞いたりする人も多いと思います。研修医の先生に尋ねると教えてもらえますが、言葉の定義もあいまいなため、研修医の当直の次のようなシステム的な部分を聞くと、客観的に把握しやすいかと思います(これは、給料欄も同じく基本給なのか、総額なのかなど、表記があいまいで上手に記載したもの勝ちなところもあります)。

 

◆当直、準夜、日直の客観的捉え方

 「当直」の示す言葉も病院によって微妙に異なったりもします。当直はその日の夕方から翌朝まで、日直は土日祝日の朝から夕方までというような感じです。準夜は夕方から24時ごろまでで、当直は24時頃から翌朝までというところもあったりします。さらには病棟直と救急外来での当直の2パターンがあるところもあります。

 そこで「当直は何回ですか?」と聞くと、人や情報源によって日直を含めるか・病棟直を含めるかどうかを含め、当直回数があいまいになります。定義とセットで聞くといいでしょう。

 あとは、回数に関しても個人的な把握の仕方になるので、当直や日直の研修医枠の数システムを聞くとよいと思います。そうすることで、当直・日直が休日に多い、平日に多いかなどが比較的客観的に分かります。

 例えば、定員12名の研修病院があったとします。救急外来の当直(夕方~翌朝)の研修医枠が各日2名、土日祝日の日直(朝から夕方)の枠が各日2名ずつ固定であったとします。すると、土日(金曜日の夜から日曜日の夜の当直の枠)は計10名分になります。3連休の場合は14名分となります。そうすると、普通の土日で日直や当直のない人は単純計算で2名となります。3連休では2回しないといけない人が2名となります。平日と土日の当直の比率も分かってきます(直明けが平日であるかも分かります)。実際には、地域研修・定員減などで当直・日直に入れる研修医の母数が減っている場合もあります。

 他の例では、必ず研修医の当直や日直の枠があるわけではなく、研修医4名が月に4回ずつ入り、足らない部分は補完されるというような病院もあります。さらには、上記のような救急外来の日直・当直に加えて、〇〇科の場合にはこういうシステムで当直(病棟)がある、◯×科ではこういうシステムで待機があるとか、聞けば分かるでしょう。他にも、研修医は指導体制のある平日に入りやすいとか、人の足らない休日に多いなど、事情はさておき傾向を知ることができます。もちろん、当直そのものの多さや大変さだけが指標ではありませんが、客観的にみておくことも大切だと思います。

 

◆当直に対するその他

 当直・日直を誰が決めるかです。これは好みですが、内部でのイザコザや不公平感があるので事務の人に決めてもらいたい、研修医内で決めると恨みを買いそう、研修医内で決めたほうがうまくいきそうなど、病院の研修医内の雰囲気をはじめ、実際に病院ごとで同じシステムでも良し悪しはありそうです。

 また、当直・日直が病棟業務であるのか、救急外来であるのか(こちらが多いと思います)というような点も念のため。

 さらには、当直が宿直扱いでは実働時間のみの時間外でお給料となるなど勤務体系によって異なります。勤務体系については、下記のような柴田綾子先生が書かれた記事(特に「落とし穴」の部分)を見てみるなり、各自調べてみるとよいと思います。

 

 

 

8.最後に

 有名・ブランド研修病院だから、必ずしも誰にでも良いというわけではなかったり、客観的に良い労働環境とは言えないところもありました。確かに有名な先生がいらっしゃる病院もありましたが、それが初期研修プログラムにつながっているとも限りません。

 最後には、おおむね選択肢も絞られて、マッチングの際の順位付けという中で覚悟を決めて思い切ることになると思います。まずは条件で絞り、究極的には言葉にはしにくい部分もありますが、直接見学に行って「恋人選び・作り」と同じように思い切って決める覚悟も必要だと思います。5年生ぐらいからでも、大学のカリキュラムが少し大変でも躊躇せずにぜひ見学に行ってみてください。病院見学の方が、普段の大学病院の実習よりも勉強にもなったりします。


 あとは、一般的な就職活動ほど大変な競争もないでもない反面、クローズドな印象です。大卒の一般企業への就職の際には最初の3年で3人に1人が離職、1年目で10%強が離職する流動性の高い場所である反面、初期研修は病気などの特定の理由がないと中断しにくい状況です(中断者は1%強のみ)。このことやその先のレールに乗り続ける一般的な既存のよくあるキャリアのことを考えると「やっぱり違ったから転職します」というわけにもいきにくく、気持ち的に難しくしている側面があると思います。それでも、何かあったら辞めることも選択肢に入れつつ、フリーズするぐらいなら一歩を踏み出してほしいと思います。

 これは私個人の覚書きのようなものですが、1人でも多くの後輩が、よりよい研修先を見つけられる手助けとなれば幸いです。2024年問題根本的に良くなっているところと、残業時間を認められずにサービス残業もしくは表面的にクリアするなど、勤務形態が大きく変化している場合もあります。残業(時間外手当)込みで稼ぐつもりであったのに残業(時間外手当)が減っていたとか、勤務形態が宿日直扱いや代休制度にシフトしていたとか、その辺りもお忘れなくチェックをお願い致します。

 

 

 

9.【お勧め外部ブログ】

 セレン様の書かれている記事が①から⑥まででとても具体的で読みやすい構成となっております。初期研修先を選ぶ際に失敗してほしくないという思いから、とても参考になるので紹介させていただきます。興味がございましたら是非お読みください。

sedoctor.hatenablog.com

 

 私のブログよりも詳しく書かれています。気になる方はぜひ見てみてください。

 

 

【関連記事】

 初期研修中断について見聞きしたこと(中断をするか悩む環境)についてもブログにしました。初期研修無事に修了するという視点から、マッチングでの研修先選びの参考となれば幸いです。例に挙げた「大変な診療科」や病院の持つ価値観のような具体例もあります。

mk-med.hatenablog.com

 

【医学部生活参考記事】

 マッチング以外に大学生活でやってきたことを勉強を中心に振り返った記事もあります。少しでも参考になる部分があれば幸いです。

mk-med.hatenablog.com

 

 本日もお読みくださり、ありがとうございました。

 

 今回取り上げた書籍になります。アマゾンでの読者レビューをはじめ、気になる方はチェックしてみてください。