"Med-Hobbyist" 医学の趣味人 アウトプット日記

医学の趣味人"Med-Hobbyist"のブログへようこそ。医学に関連する「なぜ」・「なに」といった好奇心を大切にする場所として、体験・読書をシェアする場所として、過去の失敗談やヒヤリを棚卸する場所として、傷を舐め合う場所ではなく何かヒントを得られるような場所にしたいと思います。少しでもお役に立てば幸いです。

①勉強に関するやって良かったこと|大学生活、医学部卒業までを振り返って

医学部生活勉強に関するやって良かったと思うこと

 

<目次>

 

 ちょうど6年生は医師国家試験も終えて1週間ほど経過したころですね。ありがたいことに後輩から質問を頂きました。医学部卒業までの勉強に関してやって良かったと思うこと、やらない方がよかったと思うことを教えてほしいとのことでした。学年が上がってきたことで勉強を意識し始めたのかもしれません。

 勉強以外にもお金のことなど、他にも大切なことはありますが、勉強に関連することに絞っていきます。どこまで参考になるか分かりませんが、現在(書いているとき)から振り返ったときの個人的な解釈です。生存者バイアスのようなものを含め、個人の独断と偏見でもあります。

 また、勉強とそれ以外の境界も曖昧なため、ある程度以上、勉強法に関連すると思った内容を書いていきたいと思います。個人的には、「やって良かった」と思うことは個別性が高い(再現性が状況によってまちまちだ)面が高く、他にも私がやっていないだけで、やって良かったこともあると考えています。また、よくある成功体験みたいなスポットライトの当たるような一面だけを見せても参考になりにくいと思います。地道な部分も含めて良かったことを紹介するのと、やらなかった方が良かったことも合わせて参考にしてもらえると幸いです。「やらない方が良かった」と思うことの方は、失敗回避という視点では役立ちやすいかもしれません。

 もしかすると、大学の試験や国家試験に向けての質問かもしれなかったので、その辺りに直接関係する辺りから挙げていきます。これまでSNS上で似たような発信をすることもありましたが、一覧性や保存性の高いブログを開設する機会にもなり本当に感謝しています。

 

 

1. Medu4CBTまでに完成

 4年生になってMedu4のメジャー、産婦、小児、マイナー、救急、麻酔、…といった基本的な国家試験対策(公衆衛生、テストゼミを除く)をCBTまでにすべて終わらせました。1日1コマ以上をコンスタントにやっていくことでCBTまでに終えて、QB CBT(当時は紙媒体の問題集がありました)をある程度解くことまで可能でした。1周もしていません。

 また倍速再生にタブレットでも対応していた点も時短に有効でした。等倍速では遅く感じて手持無沙汰で他に意識が行ってしまうことがあり、むしろ倍速集中できました。復習時はもっと早いスピードも欲しいと感じることがあったので、もし3倍速ぐらいまで対応している予備校があれば、復習時に早く済ませられるでしょう。紙の本でここまでのものはないので動画講義を選びましたが、聴覚情報より視覚情報の方が早いという事も往々にしてあると思いますので、参考までにお願いします。

 医師国家試験(国試)はもちろん、CBTも資格試験と捉えていたので望んでもなかったのですが、IRT600は取れたのでそこまで問題集だけを何周もするよりも大きな視点でクリアしたほうがその後の効率も良いと思います。一方で、CBTや国試を資格試験と捉えずにそれ以上に目的がある場合は、基礎的な部分や3連問に試験対策を増やせばもっと強くなると思います。
 国試対策まで終えたことによって、CBT後に国家試験対策に取られる時間が少なくて済み様々なことに時間を使いやすかったです。またCBT後の国試勉強時間はわずかですが、4年生からずっと同じMedu4のPDFを軸に国試用としての論理的な思考を勉強をしていくことができました。6年生の後半にMECのサマライズ、必修予想講座、直前予想講座、ラストメッセージを予想問題として、Medu4の国試究極マップを基礎の総復習として買って皆に合わせた感じです。MECに関しては大学内での補助有無によって受講していない可能性もありました。皆さんの環境によって判断してください。
 前倒しで勉強するのは国試・大学の試験対策以外の「その時にしかできないことをするため」です。受験勉強の時のようにひたすら前倒しすればいいわけでもないと思います。そして、まとまった期間がないとできないこと(留学、企画、一部の資格試験等)に挑戦するために使うためです

 ※当時、学年に関係なく(CBT前でも国試向けのものが購入でき)、自由に購入できてオンデマンド映像+PDF等ノマド式)で行え、講座もある程度網羅されているものはMedu4だけでした。穂積先生の講義も予備校講義として要点に絞られていて分かりやすかったというのもありましたが、実質選択肢はひとつでした。Q-Assistが誕生し、MECも今ではPDFに対応したと聞くのでPDFに関しては選択肢が増えたと思います。CBT前にMECなどの国家試験用を買うことができるかは分かりません。国試対策という意味では予想問題まで含めた丸暗記ではなく、考えて解けるようになるための基礎知識等の習得にどれかひとつのシリーズしっかりやればいいと思います。地道ですが、100時間等経過した後で実感が湧いてくると思います。Medu4の穂積先生の映像講座に対する考え方も良かったですが、PDFの有無にこだわる理由はiPad等の電子機器に集約するためでした(後述)。

 

 

2. 体系的な教材使う

 学内外の勉強会(例えば、臨床推論、救急、身体診察)や「○○対策講座(短時間)」に参加すると勉強した気になります。もちろん、勉強会で学んだテーマは勉強になっています。しかし、いろいろと参加していると、とっつきやすかったりする同じテーマ(例:胸痛の鑑別)を何度も聞くけど、まったく聞いていないテーマ(例:関節痛の鑑別)があるというようなことが多く起こりました。

 他にも、医学部・医療系勉強会のような体裁をした自己啓発セミのようなものまでありました。「意識高い」のではなく、「意識高い」のような人が集まり、教材を使うわけでも、特に講師を呼ぶわけでもなく、かっこよく見えそうなことをやっているようなところまでありました。そこでの学びは反面教師でしょうか…。そこまでではないにしても、やはり、よほど一貫したカリキュラムの勉強会でないと体系的に学ぶことの難しさも感じます。

 体系的勉強するには、勉強会やマンガ等をきっかけモチベーション・アップとして簡単に全般的に触れている体系的な教材(書籍、動画のシリーズ等)をちゃんと学習することが大切だと思いました。もちろん、さらに学びたくなれば、もっと分厚い教科書等や、もっと細かい分野・テーマ別の教科書・テキスト等に進みます。

 いろいろなところで感じたのが、しっかりと勉強している先輩は勉強会への参加に関わらず、教科書・テキスト等を使っていたり、問題集として体系的なMKSAPのようなものを利用していたり、USMLEも考えている人であればFirst AIDやUWorldのような自学自習用の教材を使ってしっかり勉強をしているということでした。そして、教科書等の情報の濃さ・信憑性・まとまりを利用しつつ、動画等のとっつきやすさも活かして、体系的な教材で勉強したことが効率的であったと考えています。

 これは、ある程度の知識インプットする際に本を探すこと(読書)にもつながっています。Google検索なども含めてネットでも調べることができます。深掘りしてみたい内容のキーワードや概要を掴むこともできて便利です。もちろん、ネットも使っていますが、やはり書籍となれば、ネットでは転がっていない程度の情報がそれなりに体系的にまとめられていて便利です。

 基本的には体系的な教材の中でも、文字媒体(活字)の方が早く学ぶことができて好きですが、動画媒体や音声媒体の良い点もあります。文字媒体では理解しにくい/なかなか自分から学ぼうとしない内容は動画も活用、運転中のような時には視覚から学ぶことは厳しい環境では音声媒体というような一長一短を活かした使い分けをすると良いと考えています。

 あくまでも上記は基礎力的な部分や興味のある分野の勉強や、長期間腰を据えて学習していく物事の勉強に対してです。資格試験(一部、学びのためのきっかけとしているものは好きなようにどうぞ)や大学の試験に向けた試験対策では過去問を解き、必要とされている分野や知識の深さの濃淡、質問形式等を意識した勉強もおすすめします。例えば、正解の白黒がはっきりしていて採点しやすい単語を穴埋めする試験であれば単語を覚える勉強にウェイトをおき、説明させることに重きを置く問題であれば、説明問題になりやすい重要部分の大きな理解と重要なキーワードを意識して対策するでしょう。そして、一部予備校では出るところを教えてくれて覚えることに集中して入学したかもしれませんが、試験対策にしても自分で出るところ分析する能力をはじめ、自分で様々な学び方体得してほしいと思います。

 

 

3. 留学・海外スタディツアーへの参加

 海外から日本相対化してみると、意外と大切にしていた価値観・常識とかどうでもよくなったり、もっと他の解決方法が見えたりします。旅行以外であれば、なおいいですが、海外に行ってみてください。他にも、旅行でないことで「本気」のようなものをみれるかもしれません。

 2年生のとき、海外(ベトナム)での「スタディツアー」にはじめて参加しました(元々、途上国に興味がありました)。現地の医学生と一緒に調査にいったり、様々な医療現場を見学し、英語でディスカッションもして、発表するというようなワークショップを通じて、インスピレーションをたくさん得ました。途上国での医療の一般的な医療はもちろん、International SOS Clinicのような医療現場も含め、普段の考え方についても良い影響がありました。その後、NPOのボランティアや活動に長時間・定期的に参加するまでしなくてもインパクトがあると思います。
 特に英語がネイティブではない医学生が英語で医学を学んでいる現場を見て、現地の医学生が英語を用いているところをみるだけでもインパクトが大きく、日本人として恥ずかしくないような人になりたいと日本に帰ってから負けじと勉強する原動力になったと思います。何事にも挑戦あれ!

 この後、ベトナムへは少数民族の村でのボランティアや医療施設建設調査でもお世話になりました。留学(病院実習)も在学中に行かせてもらいましたが、スタディーツアーと大きな差は感じませんでした。

 その後も具体的にアメリカなんていう話もありましたが、COVID-19でそれどころではありませんでした。もっと日本で学んだ後に行く方がいいとはあまり考えず、行ける時に行くことをおススメします。上記のスタディツアー以外でも大阪まで行って、あいりん地区でボランティアやスタディツアーを通じて交流してみたり、メディアでは触れにくい部分に直接触れることで学びがあったと思います。

 とにかく、いつもの世界・環境の(特に海外)に、特に旅行以外で行くことで、自分や自分自身の環境を外から見れて良いと思います。そして、そこで学べるものは何か、ただ海外だからずーっといればよいというわけでもなく、例えばこれを学ぶには日本よりここがいいからここで学びつづけるというような、学びはもちろんそれ以外にも様々な面での判断が必要でしょう。

 また、フィリピンの日本人向けプログラミングスクールや語学学校のようなものは「なぜ、そこに行くのか?」という事をはっきりさせたほうがよいでしょう。日本で決定的にできないことはなんでしょうか。また、お客様待遇なので、大した目的意識もなく、現実逃避のような人の日本人コミュニティができている場合もあり、気をつけたほうがよいと思います。

 そして海外に行くとなれば、先ほどの「体系的な教材での学習」以上にまとまった時間が必要になると思います。学生のときに、スタディツアーに限らずまとまった時間が必要なことをしておくとよいと思います。初期研修や後期研修のようなうちはお金も学生の稼ぎのいいバイト以下かもしれませんが、とにかくまとまった時間が無くなりがちです。学生でお金がなくとも、学びに限らずまとまった貴重な時間有意義に使うとよいと思います。

 

 まとめると、学生の時に海外スタディツアーのようなものと臨床実習の留学にも行きましたが、どちらが上という事もなかったように感じました。お客様待遇のお金を払って行く「留学のようなもの」で、日本人集団にどっぷりのようなものは分かりませんが、そうでなくて目的意識をもって競争や審査を勝ち抜いていったり、旅行以外の海外経験であれば、新たな環境で良い経験ができるのではないでしょうか。時期早々と考えずに行ける時に行くのが良いと思います。

(※もちろん、海外旅行だけでもゼロよりは効果があるとは思います)

 何事も、最初に夢見ていた目標に近づくにつれて様々なものが見えてきます。準備を完璧に整えてから進む(結局進めない?)よりも、早く目標の60%なり80%まで近づいて気がついたことをもとに修正していくと良いと思います。留学だけでなく、希望診療科等、様々なことに当てはまると考えています。

 

 いつもの世界・環境のという視点の延長でいえば、勉強以外の変化球として医療以外の団体も含めたインターンやバイト、ボランティアなどの活動も良いでしょう。医療以外を見てみて、医者になろう(医師免許を最大限に利用しよう)と思えるかもしれません。

 


4. 英語触れる

 New England Journal of MedicineのCase Records of the Massachusetts General Hospitalをはじめ、気になる文献や洋書の教科書に普段から触れることで、国家試験用にも特に英語を勉強することなくクリアすることもできました。
 もちろん、英語そのものへの心理的な壁が低くなることで、COVID-19はじめ様々な情報にアクセスしやすくなりました(英語にまったく壁がないわけではありませんが、個人的に英語に触れる前との比較です。)。医学英語としてはPodcastも有効です。

 個人的には、留学生がいないときや留学に行く前まで等に、医学英語以外も含めてシャドーイングを1日15分ぐらいやっていました。習慣化された地味なことも効果があったと感じています。

 

 

5. 総合診療*との出会い

 前述の渡航をはじめとしたきっかけで途上国の医療に興味を持つ中、3年生のときに「大阪どまんなか」で総合診療に出会いました。ジェネラリストをとても魅力的に思う一面を見つけました。あまり検査ができない途上国でも使える身体診察や様々な疾患を診ることができる辺りがきっかけでしょうか。その後は「東京どまんなか」等もやっています(現在の趣旨が同じかは分かりません)。
 社会と医療のかかわりを考える上で様々な視点へ興味を持つきっかけとなりました。
 また、臨床推論との出会いは、これまで縦割りで学んできた知識を割りでみる視点を与えてくれ、理解が深まりました。

 COVID-19で海外にも行くことができず、臨床推論にさらに興味を持ちました。横切の視点が分かりやすく、そこから自主的に医学等を学ぶ(深堀りする)きっかけにもなりました。臨床推論に興味のある方は、臨床推論もやってみてください。自学自習方法についてはこちらもよければどうぞ。

 

*総合診療という言い方が正しいか分かりません。総合診療、家庭医療界隈において表面的な「思いやり」・「寄り添い」というような感情的な面を中心に触れがちですが、「優しいヤブ医者にならない」ことを忘れず、医学的なことをしっかりとキープし、ファクトベースで科学的・論理的に考え・議論した上であれば、勉強になると感じました。学会・セミナーに関しても診療科・学会ごとの違い(納得できない大人事情のある/距離の取りたい学会もある等)、自分自身の興味(論文執筆はまだ良いけど、企画運営等のようなものは好きではない→少ない人の中で囲い込まれる前に去ろう等)も改めて自覚する良い場所にもなりました。

 強調されすぎは良くないと思いますが、総合診療で強調される患者中心の医療、BPSモデルなどは、総合診療の専門というよりどの診療科に行っても役立つ考え(マインド)だと思います。それ以上に、よく総合内科やホスピタリスト・ジェネラリストの団体が主催で行うようなセミナー(例:輸液、臨床推論、急変対応)が初期研修実習で一般的に役立ちそうであったり、EBM〔Evidence-Based MedicineであってEmotional-Based Medicineではない〕に関連したClinical Question解決方法が手段として役立ちそうであったり、ちょっと頑張ってみたい学生のニーズにも比較的マッチしているのかもしれません。そこで学ばせて頂いたことに感謝しています。

 総合診療という枠組み以上に、岩田健太郎先生の提唱されているジェネシャリストの広がりとして見方を変えてみるきっかけと捉えると腑に落ちる気がします。医学から視点を広げるという意味では、総合診療だけでなく、医療経済学やコンピュータサイエンス等の学びも大切だと思います。個人的には従来の専門医(臨床医)の枠から出て考えていくきっかけとして身近に感じる部分がありました。もちろん、環境問題でも地域の問題でも貧困(お金・経済)の問題でも、何でも「地域医療」とか「家庭医療」と言えばよいのかというのは、優先順位や軸となる専門性等を考えなければ、守破離なのか取っ散らかっているなのかという問題もあるでしょう。SDH診療(社会的背景への介入)でもいわれていることで当たり前ですが、他の領域には他の領域の専門家もいます。出しゃばりすぎてアウトカムすら悪くなるリスクもあり、多職種連携が大切でしょう。

 もちろん、個人的には、総合診療系のセミナーでの学びが途上国で役立ちそうというような掴みがありました。僻地でも同じかもしれません。普段の診療科の勉強とは違う視点からの学びが普段の学びを深める例として、臨床的で一般的に馴染みやすい総合診療をタイトルに挙げさせて頂きました。診療科専門は、あくまで自分自身の個人としての目標等を目指すための1つの手段・要素としてで良いと考えています。内集団バイアスでその枠組み囚われすぎないように気をつけてください。

 まずは数年、総合診療的なことを学んでみるというのでも良いでしょう。低学年のときは心理社会的なことの興味が勝り家庭医療に興味があっても、臨床講義も含めて生物医学的なことを学び、成長・変化していくことで、他の診療科の専門性への魅力を感じたり、興味を持ったという人もいました。社会的背景をもっと考えて行動するなら公衆衛生行政ということで、そちらに進んだ人もいました。

 総合診療界隈の学生勉強会にいた優秀な人で、総合診療に進まなかった先輩・同期・後輩が多数いました。これこそ、ジェネシャリストとしてエッジの部分として従来からの臓器診療科、公衆衛生などなのかもしれません。総合診療系の勉強会に興味を持って参加していた学生のうち、後期研修(専攻医)以降に総合診療に残る人が少ないことからも、専門性思想・哲学のようなもの目立ち方などにいろいろと感じる人も多いと考えています。

 

 

 

6. 教育熱心病院での実習・留学

 教育熱心な病院や診療所での実習(もしくは参加型の見学)を通じて、現場で継続して学ぶ姿勢患者さんとの向き合い方を身をもって体験しました。勉強会ではこのような経験はできなかったので貴重だと感じます。
 ベッドサイドはもちろん、臨床的疑問に対して文献を探すことや机上の通りにはいかない問題を通じて、学習に対する意欲・姿勢も学びました。
 臨床実習型の留学も行きましたが、環境(言語・疾患・人・価値観・システム等)が違う中で教育熱心な集団で参加型の実習ができることが醍醐味だと思います。もちろん、地域医療を初めて知った際のように視野も広がります。これは海外だけに限りませんが、イレギュラーな環境に行くことを前提に準備を進めることで、学会や勉強会の運営から一時的に手も引いて雑務のようなものではなく、やるべきことに集中できたことで、忙しいながらも充実した日であったという意味でも良かったと思います(続編の「運営貧乏」への気づきにつながったかもしれません)

 機会があれば、是非トライしてみてください。2回目は留学で違う国に行きたいとか考えていました。2020年はコロナで話に挙がったアメリカはおろか、留学どころではありませんでした。見学も留学も準備万端にしてから行くのではなく、機会があるときに掴みにいってみてください。そして、学生の立場でどうかに加えて、働く側(雇用関係)として見たらどうかという給与・待遇や働き方の視点も加えて見ておくと良いでしょう(家庭を持ってからも働きたいか等は、学生視点とはまた異なってくると感じています)

 

 

7. アウトプット

 学習するにあたって、定着度や理解度を高めてくれたのはアウトプットでした。例えば、臨床推論の症例+解説の作成やYouTube(運営そのものや、パワポの細かいデザインや動画編集の部分ではなく)、文献まとめといったようなところです。勉強会等への参加報告とは異なり、深い学びになりました。

 誤解をしてほしくないのは、アウトプットとして症例集や国試レベルの問題集を解くこともレベルに応じて大切であると思います。そこで生じた疑問をアウトプットすることも勉強になりました。外向けのアウトプットする際には時間をかけすぎず、まずは継続することを第1に1日15〜20分を目安に初めてみると良いと思います。また内容に関係ない作業を増やすとアウトプットの本質を見失いがちでした。

 そして、このブログもアウトプットの場にしていきたいと思います。

 

 

8. iPadへの集約 @勉強

 様々な所へ移動をしながら勉強していく環境を整えるためにiPadやノートPCに統一しました。同じものを紙+電子書籍と両方揃えるなど、家でも外でも、いつでも勉強できる環境を整えました。COVID-19で移動等には変化はありましたが、週末はほとんど都道府県を跨ぎ、外ににいるということが多く、家や大学の決まった机で座って勉強するというのに縛られず、とても便利でした。
 当時からPDFのテキストのあったMedu4を使うことで、PDF+GoodNotes+Apple pencilで国家試験前に重たい紙のテキストを持ち歩く必要もなく、国家試験の直前期にも総復習や調べ物(検索)もしやすく恩恵に授かりました。勉強会のメモもスマホGoogleドキュメントを多用し、様々なものをGoogleドライブにアップして整理していました。
 他にも”Goldman-Cecil Medicine”等の洋書をinkingのアプリに入れたり、病気がみえる等をMedilinkのアプリに入れてたり、電子書籍やDynaMed等も検索しやすくて調べものに便利でした。今では医書.jpM2plus電子書籍医学書)も良いと思います。

 また、iPad1台をApple Pencil+GoodNotesでPDFをノートとして使い、小さいノートPC(数年前の始めた際にはMECがタブレットでは倍速未対応のためレッツノートRZシリーズ)やiPadをもう1台用意して、動画学習コンテンツを見ることも便利でした。iPadのサイズは書き込みメインであれば、Proの11インチもしくは12.9インチ、お値打ちな無印iPad(10.2インチ)をおすすめします。机で通学含めて持ち運びは苦にならないのであれば、書きやすさ・見やすさは12.9インチでした。決まった机でのノート以外にも1台で済ませるなら11インチが個人的にはおすすめです。大学の集団購入であったMECを含め、取っている全ての講座の動画もiPadで2倍速再生が可能であったなら、視聴用のiPad mini(今は6世代目の7.9インチ)と書き込み用1台でも良いと思います。

 iPad Pro 9.7インチ(初代)からApple Pencilを使っていたのですが、今では普通のiPadでもApple Pencilも使うことができます。コスパも良く使うことができ、おススメ度が上がっていると感じます。

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iPadで場所を選ばず学習

 通信環境に関して予備校動画を見ていた当時は主にFuji WiFiSoftbank回線100GB/月でした。2020年半ばから楽天モバイルUnlimitを利用しております。2020年からはセミナーや会議含めてZoomが増え、移動中でも双方向性のリアルタイムの動画を見ることができるように通信環境がシビアになりました。楽天モバイルの電波状況的に使えるところで使い、ビル群の合間や建物の中、新幹線などの移動中といった楽天モバイル電波の今ひとつのときにキャリア回線にて使用しています。

 一方で、予備校講義はオンデマンドのバッファーも使える配信方式なので、新幹線車内でも楽天モバイルでも大丈夫かもしれません。また、JALANAの機内WiFiは遅いのでテキスト程度以上は諦めてください笑

 今後のタブレットやPC、予備校講座等の状況によっては環境がもっと便利に、タブレット以上に便利なものができるかもしれません。とにかく、上手に電子機器を利用していってください。GooleドライブやGoogleドキュメントなどのクラウドでの利用もと活用していてください。

【追記】2021年半ばよりdocomo5Gギガホプレミアによりテザリング(インターネット共有)も無制限でエリアも広くきめ細かに使えております。月100GBを超える使用でも通信速度も下がらず、普段の通信を1本しております。Zoomも移動中で途切れることはありますが、新幹線車内等でも一部区間を除き比較的快適に利用できています。

※コロナ禍で移動そのものは減りましたが、一度は現地に行かない・直接会わないと分からないこともあり、また移動時間も劇的に短くなるようなことも考えにくく、コロナ禍でもどこでもインターネットが無制限で使える環境は便利でした。

 

 

9. 読書・出会い

 偉大な先輩・先生との出会いはロールモデルになったり、すてきなイベント、本・医学書との出会いは課外活動をしていくときのヒントや新たに興味が湧く分野になったりしました。学生のうちは広く「つながり」も求めて勉強会等に行くのもいいと思います。米国内科学会日本支部(ACP Japan chapter)のStudent Committeeや臨床推論の勉強会等を運営することからのご縁もありました。後輩からもインスピレーションをもらい、感謝しています。

 IFMSAなどの留学生との出会いも異なる環境の人と「つながる」ということで様々な刺激になりました(寮の準備、来日前からのセッティング等は大変だったので、もちろん可能な範囲でも◎)。

 今回は勉強についてなので深くお話はしませんが、「〇〇対策が学べる」というような目の前の損得以上に、勉強会の参加者や留学生との交流でも損得を超えたつながりとても有意義なものであったと思います。これはインターンボランティア活動等でも言えると思います。

 一見、読書は勉強に関係なさそうでも、意外と関係していると感じます。例として、運営、断り方(やりたいことをやるため)、学習のスキル等、たくさんあります。他にも、本屋の平積みの様々な本や、本屋のある本棚から強制的に1冊選んだ本、さらには出会った人々のおすすめの書籍を手に取って読んでみることで自分の見たい偏った内容の書籍以外も知る良い機会でしたディベート甲子園参加の経験からか、ディベートのように賛成・反対の両方を考えることも良かったです)

 

 他には、趣味の写真が活動記録として役だったりもしました。それ以上に医学以前に米国の科学的なコーチング(PX2®)の考え方がつながっているのかと思うこともあります。日本国内では、n=1の体験談に基づくような効果も怪しい/科学的ではない自己啓発も多数あり、みなさんに薦められるわけでもないことを予めお断りの上、紹介させていただきます。

PX2とは | BWF international 公式ウェブサイト

 

 本当に分からないものです。何でも興味が湧くもの、新たなものにひとまず飛び込んでみてください。

 

 

10.時間管理:Toggle track

 予定(スケジュール)管理は、Googleカレンダースマホのカレンダー、手帳などで管理している人が多いと思います。一方で、実際に時間をどのように使ったのかを可視化することは多くないと思います。しかし、自分自身で使った時間可視化・客観視することで時間対効果を考えたり、時間配分を考えたりして、生活・活動を見直したりするのに有効でした。特にスキマ時間にスマホSNS等のどうでもいいものを見ていたというようなムダにしている時間や事務作業に取られている時間を把握するのに役立ちました。
 その際に使用していたiPhoneのアプリが「Toggle Track」です。スマホのアプリを開いて直観的に使うことができます。ある作業を始める際に、そのアプリを開いて再生ボタンを押し、終えた際に停止ボタンを押して、実際に使った時間、時間帯を可視化できます。

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Toggle Trackの操作画面

 アプリに関して詳しくは下記URLをご覧ください。

toggl.com

 時間の使い方(タイムマネジメント)にも役立つと思います。

 

 

 個人的な振り返りですが、お役に立つところがあれば幸いです。誰かと比較して、これをしたから幸せになるというよりも、お読みの方が何かを達成する手段として参考になれば幸いです。

 引き続き勉強に関するやらない方が良かったと思うことも紹介します。

どうぞ、よろしくお願いします。

 

 お読みくださり、ありがとうございました。 

 

 

【続き】やらない方が良かったこと

 主に勉強関連で医学部生活でやって良かったとことの続編として、やらない方が良かったこともまとめました。もしよろしければ、ご覧ください。

mk-med.hatenablog.com

 

【参考記事】マッチングに向けて/勉強会運営の悩み相談

 勉強に関してだけでなく、マッチング(初期研修病院選び)についての回想記事もあります。見学時に何をチェックしていたかなど、気になる方はよろしければご覧ください。

mk-med.hatenablog.com

 

 このブログを見てくださる医学生の中には、勉強会等の課外活動運営に携わってくださってる人も多いと思います。勉強会の運営で悩み相談を受けることが多く、少しでも参考になる部分があればという思いで書きました。よろしければ、こちらもご覧ください。

mk-med.hatenablog.com

 

 他にも学ぶとよい大切なことは多数あります。先述の読書でも出会うと思いますが、お金投資のことも学生のうちから意識して進路を考えていくと考えています。お金といっても節税、投資、保険等と多岐に渡ります。この本はお金の初歩中の初歩ですが、下記のページからファイナンシャルプランナー(FP)NISAでの投資信託についてのブログへのリンクもあります。

mk-med.hatenablog.com